接合の位置ずれ、EVGとBesiは測定名が別imecの量産条件はずれ100 nm未満
hybrid bondingの位置合わせ精度としてよく引かれる2つの数字、EV Group(EVG)の「sub-50 nm」とBesiの「100 nm」は、測定名が違う。EVGはウェーハどうしの「alignment accuracy」、Besiはダイ1個ずつの「placement accuracy」と呼んでいて、1つの共通スペックとして比べると誤読になる。
接合後の目安として使える数字は、研究機関が出している。imecは2024年、400 nmピッチのウェーハどうしの接合で、接合後のずれを100 nm未満に抑えることが量産の条件になる1と書いた。ピッチの4分の1にあたる。装置の要求仕様を書くときは、装置メーカーの数字より先に、自社のピッチで接合後のずれをどこまで許すかを決める必要がある。
EVGの50 nmは、ウェーハどうしのalignment accuracy
Section titled “EVGの50 nmは、ウェーハどうしのalignment accuracy”hybrid bondingとは、銅パッドを埋めた絶縁膜どうしを、はんだを挟まずに直接貼り合わせる接合のことだ。上下のパッドが重ならなければ電気がつながらないので、位置合わせの精度が歩留まりを左右する。
EVGは2018年7月、ウェーハ接合機GEMINI FB XTに載せる位置合わせ機SmartView NT3で、sub-50 nmのwafer-to-wafer alignment accuracyを実現し、ウェーハ接合のalignmentとoverlayの性能を前世代の2〜3倍に高めた2と発表した。処理能力は毎時最大20枚だ。GEMINI FBの製品ページも3、この値をwafer-to-wafer alignment accuracyとして載せている。値の単位はウェーハ1組だ。
Besiの100 nmは、ダイのplacement accuracy
Section titled “Besiの100 nmは、ダイのplacement accuracy”Besiは2024年、ロジック大手からhybrid bonding装置26台を受注し、その最新世代機は100 nmのplacement accuracyを持つ4と発表した。placementは、ダイをつまんでウェーハ上の決まった位置へ置くダイ・ウェーハ接合の精度を指す。
製品ページは、Datacon 8800 CHAMEO ultra plus ACの精度を「100 nm @ 3 sigma alignment worst corner GOG」5と書く。3σ、worst corner、GOGという条件つきの値で、単位はダイ1個だ。処理能力は空運転で毎時最大2,000個とされる。EVGの値とは、測定名、単位、付いている条件のどれもそろっていない。
接合後のずれは、ピッチごとに実測値で見る
Section titled “接合後のずれは、ピッチごとに実測値で見る”位置合わせの数字が別々の量でも、最後に問われるのは、接合した後に上下の銅パッドがどれだけずれたかだ。この量を接合のoverlayと呼ぶ。
| 方式とピッチ | 接合後のずれ | 出典 |
|---|---|---|
| ウェーハ・ウェーハ、400 nm | 実測150 nm未満、量産の条件は100 nm未満 | imec(2024年) |
| ウェーハ・ウェーハ、200 nm | 全ダイで40 nm未満 | imecとEVG(2026年) |
| ダイ・ウェーハ、2 µm | 350 nm未満、Kelvinの電気歩留まり85%超 | imec(2024年) |
200 nmピッチの40 nm未満は、imecとEVGが接合機の性能に加えて、接合前の露光での補正、CMPで作る平坦な面、銅パッドの設計を合わせて詰めた6結果だ。接合後のずれは、接合機の位置合わせだけでは決まらない。
量産の条件を別の物差しで書く会社もある。接合技術のライセンス会社Adeiaは2023年、量産向けのダイ・ウェーハ接合の条件として、位置合わせ精度を3σでパッド寸法の4分の1未満7に置いた。基準はピッチではなくパッド寸法で、imecの値とは別の量だ。ピッチの側では、eeNews Europeの報道によれば、TSMCのSoICの接合ピッチは現在6 µmで、2029年までに4.5 µmへ詰める8計画だ。
測ったずれは、接合条件へ返す
Section titled “測ったずれは、接合条件へ返す”接合後のずれは、貼った後でしか測れない。EVGは2025年9月、ダイ・ウェーハ接合の後に300 mmウェーハ上の全ダイのずれを測る専用機EVG40 D2Wを発表した9。4分で最大2,800点を測り、ダイごとに配置、歪み、回転、run-outを計算して工場のホストへ返し、次のロットの接合条件の最適化に使う。Besiは接合機の中に赤外線の検査を組み込み、取り出さずに配置精度を確かめる5。
ずれのほかに、接合面のボイドや電気的な不良も別の装置で測る。不良ごとの装置の受け持ちは検査を不良ごとに分けた記事に、各社の求人に表れた職の範囲はhybrid bondingの求人を読んだ記事にある。接合方式の基礎はHybrid Bondingの基礎と量産判定条件、前工程側の重ね合わせ計測は検査・計測・オーバーレイ装置の役割分担に書いた。
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- 1imec:400 nmピッチのウェーハ接合と量産に要るずれ(2024年2月)imec-int.com ↩
- 2
- 3EV Group:GEMINI FBの製品仕様(2026年10月閲覧)evgroup.com ↩
- 4
- 5
- 6imec・EV Group:200 nmピッチで接合後のずれ40 nm未満(2026年5月)imec-int.com ↩
- 7Adeia:量産向けダイ・ウェーハ接合の条件(IMAPS、2023年3月)imapsource.org ↩
- 8eeNews Europe:TSMCのSoICロードマップ(2026年)eenewseurope.com ↩
- 9EV Group:全ダイのずれを測るEVG40 D2W(2025年9月)evgroup.com ↩
- 10imec:2 µmピッチのダイ・ウェーハ接合(2024年5月、EE Journal転載)eejournal.com