コンテンツにスキップ

Cu-Cu接合の量産、HBMはまだバンプ|Sony・Kioxia・AMDとIntelが製品化

hybrid bonding(ハイブリッド接合)とは、銅のパッドと絶縁膜を、はんだを挟まずに直接貼り合わせる接合だ。この接合はもう量産に入っており、Sonyの積層イメージセンサー、Kioxiaの3D NAND、AMDとIntelのCPUが製品になっている。TSMCは2023年に、SoIC(同社のチップ積層技術)の量産に備えた後工程工場を開いた。一方、HBM(広帯域メモリ)とSamsung Foundryのロジック積層は、まだ量産に届いていない。

製品ごとに、重ねるものは違う。イメージセンサーは画素の裏に回路を重ね、3D NANDは記憶セルの配列と制御回路を貼り合わせ、CPUは演算チップにキャッシュを重ねる。AMDは自社の計算で、hybrid bondを使った積層ははんだのマイクロバンプを使うIntelの3D積層の15倍を超える配線密度1になるとしている。

Sonyは2016年に、積層イメージセンサーでの量産を報告した

Section titled “Sonyは2016年に、積層イメージセンサーでの量産を報告した”

Sonyの積層CMOSイメージセンサーは、画素のチップと回路のチップを、それぞれの接合面に作った銅の端子で直接つなぐ。SonyはこれをCu-Cu接続と呼び、チップを貫く接続部品と専用の接続領域が要らないので、センサーを小さくでき、生産性も上がる2と説明する。Sonyの技術者は2016年12月のIEDMで、自社で開発したCu2Cu hybrid bondingを使う積層型の裏面照射CMOSイメージセンサーを量産した3と報告した。

Applied Materialsも、hybrid bondingはもともとイメージセンサーとメモリーのために開発された4と書く。

3D NANDでは、Kioxiaが回路と記憶セルを別のウェーハで作って貼る

Section titled “3D NANDでは、Kioxiaが回路と記憶セルを別のウェーハで作って貼る”

Kioxiaの第8世代BiCS FLASH(218層)は、記憶セルを制御するCMOS回路と記憶セルの配列を別々のウェーハで作り、記憶セル側のウェーハを裏返して2枚を貼り合わせる5。KioxiaはこれをCBA(CMOS directly Bonded to Array)と呼ぶ。前の世代は、先に作ったCMOS回路の上に記憶セルを積み、その後の高温のアニールが回路のトランジスタの性能を下げていた。別のウェーハで作れば、記憶セルの高温処理が回路に及ばない。

KioxiaとSandiskは2025年9月、北上工場の第2製造棟が稼働し、CBAを使う第8世代の製品を2026年前半に本格出荷する6と発表した。

ロジックでは、AMDのCPUが2022年から使い、TSMCとIntelが量産の場を持つ

Section titled “ロジックでは、AMDのCPUが2022年から使い、TSMCとIntelが量産の場を持つ”

高性能計算で最初にhybrid bondingを大きく使ったのは、2022年に出たAMDの3D V-Cache付きRyzen 7で、外付けのキャッシュをCPUにhybrid bondで接合した4。AMDは同じ技術をサーバー用のEPYCにも使い、2D配置と比べて配線密度が200倍になる1と説明する。

TSMCのSoICは、SoCから分割したチップレットを上下に再統合する前工程の3D積層技術で7、チップをウェーハに載せるCoWと、ウェーハどうしを貼るWoWの両方を持つ。TSMCは2023年6月に竹南のAdvanced Backend Fab 6を開き、SoICの量産に備えた8。この工場は、3DFabric(TSMCの先端パッケージ群)の工程を年100万枚(12インチ換算)超処理できる見込みだ。Tom’s Hardwareの報道では、TSMCは2026年の北米技術シンポジウムで、SoICの接合ピッチを2023年の9 µm、2025年の6 µmと縮め、2029年に4.5 µmへ進める計画9を示した。

Intelは、チップレットを、能動素子を持つ下側のベースタイルに直接つなぐFoveros Direct 3Dを、第1世代で9 µmピッチの銅接合とし、第2世代で3 µmに縮める10。Intelは最初の製品を、開発名Clearwater ForestのXeonとしていた。この製品はXeon 6+として2026年第2四半期に発売され11、Tom’s HardwareはIntelがFoveros Directを使うClearwater Forestの出荷を2026年前半に始めた9と伝えている。

HBMとSamsungのロジック積層は、まだ量産の手前にある

Section titled “HBMとSamsungのロジック積層は、まだ量産の手前にある”

Tom’s Hardwareの2026年の整理では、HBMの量産品はまだバンプでDRAMを積んでいる9。SK hynixは2026年6月に出荷したHBM4Eの見本を、バンプと液状の封止材で積むAdvanced MR-MUFで作った12。Samsungは2026年3月にhybrid copper bondingを次世代のHBMを16層以上に積むための新しい方法13として展示した段階だ。3社の現状と切り替えの時期は、HBMとhybrid bondingの記事で掘り下げる。

装置会社の資料にHBMが出てくるのは、対象用途としてだ。Applied MaterialsはBesiと共同開発した接合装置Kinexの用途にHBMを挙げ14、EV Groupも接合後の計測装置EVG40 D2Wの用途にHBMの積層を含める15。

Samsung Foundryは、TSVで位置を合わせたロジックのダイを上下に積み、hybrid Cu bondingでつなぐ3D Cube-Hについて、6 µm未満のバンプのない接合を開発中としている16。Tom’s Hardwareによれば、TSMCはすでに6 µmピッチを提供している9。

量産の工程は、接合機の前後まで続く

Section titled “量産の工程は、接合機の前後まで続く”

量産の工程は、接合機だけでは完結しない。Kinexは、ウェット洗浄、プラズマ活性化、装置内の計測を1台に統合し、活性化から接合までの待ち時間を管理する14。EV GroupのGEMINI FBも、洗浄、低温プラズマ活性化、位置合わせの確認、熱圧着のモジュールを1台に収める17。接合の前には、銅のパッドを絶縁膜よりnm単位で低く仕上げるCMPと、洗浄が並ぶ。

図1接合機の前後まで続く工程順
工程順(左から右)。下段の破線は接合後の測定値が返る先 接合前(pre-bond flow) CMP・平坦化:flatness / Cu recess 洗浄:wet clean / 残渣除去 表面活性化:plasma activation 待機時間管理:queue-time control 位置合わせと接合 位置合わせ / alignment W2W:wafer同士 または D2W:選別dieをwaferへ 例:Kinex、GEMINI FB 接合後(post-bond) 接合後計測・検査 overlay・void electrical chain / open-short die traceability package / test void → 洗浄・活性化・接合条件 overlay → bonder・位置合わせ electrical chain・traceability → bonding・RDL・test (不良die・配置条件・接合条件を分離)
量産のhybrid bondingは、接合前のCMP・洗浄・活性化・待機時間管理から、位置合わせと接合、接合後の計測、package / testまで一続きで、接合後の測定値は接合機と前の工程へ返る。

接合の後は、位置ずれとボイド(未接合の空洞)を測り、結果を接合機と前の工程へ返す。EVG40 D2Wは300 mmウェーハ上の全ダイの位置ずれを測り、4分で最大2,800点を計測する15。EV Groupによれば、この装置は複数台が顧客の工場に入り、量産で使われている。測り方の詳細は位置合わせと検査の記事、不良の起点はボイドと洗浄の記事にまとめた。接合前の管理がなぜ前工程の水準になるのかは、hybrid bondingと前工程の記事で扱う。

W2Wはウェーハ全体を合わせ、D2Wは選んだダイを貼る

Section titled “W2Wはウェーハ全体を合わせ、D2Wは選んだダイを貼る”

接合の方式は、ウェーハどうしを貼るW2W(wafer-to-wafer)と、良品のダイを選んでウェーハに貼るD2W(die-to-wafer)に分かれる。KioxiaのCBAは2枚のウェーハを貼るW2Wで、SoICのCoWのようにダイをウェーハに載せる積層はD2Wになる。Tom’s Hardwareの整理では、W2Wは位置合わせが1回で済む代わりに両方のウェーハのダイが同じ大きさでなければならず、不良のダイも貼られる9。D2Wは検査済みのダイを選び、大きさや製造世代の違うダイを組み合わせられる代わりに、ダイを1つずつ置く分だけ処理が遅い。

図2W2WとD2Wの管理対象の差
接合方式ごとの管理対象(左:wafer-to-wafer、右:die-to-wafer) wafer-to-wafer(W2W) wafer(上) wafer(下) wafer同士をまとめて合わせる 主要な管理対象 ・面内均一性 ・wafer distortion ・front-to-back alignment ・接合後のoverlay map 例:TSMC-SoIC WoW、EVG GEMINI FB die-to-wafer(D2W) die die die die wafer 選別したdieをwaferへ配置して接合 主要な管理対象 ・known-good-die・die map ・placement accuracy ・die traceability ・接合後のyield split 例:EVG GEMINI FB for D2W(Co-D2W 4区分) 成否を左右する単位:W2Wはwafer全体の整合、D2Wはdie単位の選別と追跡
W2Wはウェーハ全体の整合で成否が決まり、D2Wはダイ単位の選別と追跡で成否が決まる。

D2Wでは、ダイを1つずつ選んで追跡する管理が加わる。GEMINI FBが扱うCo-D2Wは17、複数のダイをキャリアに並べてから一度にウェーハへ移す方式で、工程はキャリアの準備、ダイの配置、ウェーハとの接合、キャリアの分離の4つに分かれる。どちらの方式でも、歩留まりは歩留まりと信頼性の記事で扱う管理指標で決まる。

採用する会社は増え続けている

Section titled “採用する会社は増え続けている”

接合装置大手のBesiは2026年7月、hybrid bondingの顧客数が2025年末の15社から2026年6月末に21社へ増え、用途もロジック、メモリー、光電融合、民生品へ広がった18と発表した。2026年第2四半期には、既存の顧客2社と、新しいハイパースケーラー1社から追加の受注があったという。技術の基礎はhybrid bondingの基礎、パッケージ全体の流れは3D積層の工程にまとめている。

18件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11
  12. 12
  13. 13
  14. 14
  15. 15
  16. 16
  17. 17
  18. 18