ダマシンで作るhybrid bondingの接合面TELは前工程の洗浄・プラズマ設計を採用
hybrid bondingは先端パッケージ、つまり後工程に分類される。それでも、接合する面は、絶縁膜を付け、穴を掘り、銅を埋め、CMPで削るという、前工程の配線と同じ種類の工程で作る。TELの接合装置は前工程の量産装置の洗浄・プラズマのモジュール設計を取り入れ、Applied MaterialsとBesiの統合装置は前工程の処理と組立の技術を組み合わせている。筆者はこの姿を「後工程に置かれた前工程」と呼ぶ。工程の一覧を見れば、接合機の前にCMP、洗浄、プラズマ処理、計測が並ぶ。
hybrid bondingとは、銅パッドを埋めた絶縁膜どうしを、はんだを使わずに直接貼り合わせる接合を指す。間に何も挟まないので、粒子1つ、銅パッドの数nmの段差、活性化してからの待ち時間が、そのまま未接合や接続不良になる。どの製品で量産に入っているかは、hybrid bondingの量産実績の記事にまとめた。
接合面は、前工程の配線と同じ手順で作る
Section titled “接合面は、前工程の配線と同じ手順で作る”Applied Materialsは、hybrid bondingの接合面の作り方を次のように説明する。CVDで酸化シリコンなどの絶縁膜を付け、エッチで穴を掘って銅を埋め、CMPで絶縁膜を平らにし、銅のパッドを表面よりnm単位の精度で低く仕上げる1。この手順は、前工程で銅配線を作るダマシンと同じ種類の工程だ。同じ資料は、へこみが大きすぎれば界面にボイドが入り、銅が出すぎればはがれる1と書く。銅のへこみは、接合機に入る前のCMPで作られる。
比べる相手のマイクロバンプは、Applied Materialsによれば銅柱の上にはんだを載せ、リフロー炉か熱圧着でつなぐ方式で、ピッチは25〜50 µm、接続密度は1 mm²あたり数百だ1。隙間には有機材料の充填材1を使う。図1の上段は、この説明を3つの工程に簡略化した。hybrid bondingは1 mm²あたり10万以上1の接続を作り、筆者の計算では密度はマイクロバンプの数百倍になる。
TELの接合装置には、前工程の洗浄・プラズマのモジュール設計が入る
Section titled “TELの接合装置には、前工程の洗浄・プラズマのモジュール設計が入る”接合面を作った後は、洗浄して粒子を落とし、プラズマで絶縁膜を活性化してから貼る。東京エレクトロン(TEL)のウェーハ接合装置Synapse Siは、前工程の量産で実績のあるプラットフォーム、洗浄モジュール、プラズマ処理モジュールの設計を取り入れた2300 mm装置で、fusion bondingとCu hybrid bondingの両方に使える。用途はイメージセンサー、次世代メモリー、先端ロジックだ。
ダイをウェーハに貼るD2Wの装置も、洗浄と活性化を1台に収める。Applied MaterialsのKinexは、ウェット洗浄、プラズマ活性化、装置内の計測を1台に統合し、待ち時間の管理と装置内の清浄度を売りにする3。EV GroupのGEMINI FBも、洗浄、低温プラズマ活性化、位置合わせの確認、熱圧着の前処理モジュールを最大6つ4まで載せる。
統合する理由は、活性化した表面が長くもたないからだ。Applied Materialsは、プラズマと水処理で作った活性状態は時間とともに失われ、接合エネルギーと品質が下がる1と書き、統合装置なら活性化から接合までの待ち時間を正確に管理でき、工程間の搬送も隔離された清浄な環境で行えるとする。待ち時間が歩留まりをどれだけ下げるかは、ボイドと洗浄の記事で数字を挙げた。
量産の条件には、ISO 6程度の清浄度と0.2 µmの粒子管理が並ぶ
Section titled “量産の条件には、ISO 6程度の清浄度と0.2 µmの粒子管理が並ぶ”接合技術のライセンス会社Adeiaは、ダイ・ウェーハ接合を量産に入れる条件として、ISO 6程度のクリーン環境と、0.2 µmまでの粒子管理に耐える接合機内の環境とロボットの動作5を挙げた。同じ資料は、ダイの配置精度を3σでパッド寸法の0.25倍未満とする5。筆者の計算では、Adeiaの試験品にある2 µmのパッドなら、許される位置ずれは3σで0.5 µm未満になる。位置ずれの測り方は位置合わせと検査の記事で扱う。
清浄度が効くのは、絶縁膜どうしが直接触れるからだ。Applied Materialsは、粒子、残渣、研磨や切断で生じた端の欠陥のどれもが、接合を損なう1と書く。粒子と残渣を落とす技術は、前工程の洗浄と表面前処理で扱っている。
KioxiaとTSMCは、前工程とつながった工場で量産する
Section titled “KioxiaとTSMCは、前工程とつながった工場で量産する”Kioxiaは北上工場の第2製造棟で、CMOS回路と記憶セルを別のウェーハで作って貼るCBA技術を導入した第8世代3D NANDを生産し、2026年前半に本格出荷する6計画だ。
TSMCはSoICをSoCから分割したチップレットを再統合する前工程の3D積層技術7と位置づけ、2023年に開いたAdvanced Backend Fab 6を、前工程から後工程、テストまでの3DFabric統合を実現する初の一貫工場8と説明した。Applied Materialsも、単独の接合機はすでに先端ロジックのファウンドリーで使われている1と書く。
装置は、前工程の会社と組立の会社が組んで作っている
Section titled “装置は、前工程の会社と組立の会社が組んで作っている”装置の側でも、前工程と組立の会社が組んでいる。Applied MaterialsとBesiが共同開発した統合システムについて、Besiは2025年4月、Appliedの前工程のウェーハとチップの処理技術と、Besiのダイ配置と組立の技術を組み合わせたもの9と説明した。同じ発表によれば、Applied MaterialsはBesiの発行済み株式の9%を買った。前工程の装置会社が、組立装置の会社に出資した形だ。
ここまでの資料を並べると、銅のへこみ、粒子、活性化後の待ち時間を扱う工程は、どれも接合機より前に並ぶ。KinexとGEMINI FBは、そのうち洗浄から接合までを1台の中で扱う。3D積層全体の工程と不良の起点は、3D積層の工程の記事にまとめている。
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- 2東京エレクトロン:ウェーハ接合装置Synapse Sitel.com ↩
- 3Applied Materials:Kinexの統合機能と用途appliedmaterials.com ↩
- 4EV Group:GEMINI FBのダイ・ウェーハ接合構成evgroup.com ↩
- 5Adeia:ダイ・ウェーハ接合の量産条件と清浄度(IMAPS、2023年3月)imapsource.org ab
- 6Kioxia:北上工場第2製造棟の稼働とCBA(2025年9月)kioxia.com ↩
- 7TSMC:SoICの技術概要tsmc.com ↩
- 8TSMC:Advanced Backend Fab 6の開所(2023年6月)pr.tsmc.com ↩
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