コンテンツにスキップ

位置ずれで抵抗と絶縁破壊が同時に悪化|ソニーは1 µmピッチ接合で測定

hybrid bondingの位置ずれは、接合直後の歩留まりと、その後の信頼性の両方に効く。ソニーは2020年、1 µmピッチの接合で、上下の銅パッドの位置ずれが接触抵抗、エレクトロマイグレーション、リーク電流、絶縁破壊電圧に与える影響1を調べた。接触抵抗は接合直後の導通を、絶縁破壊電圧は隣のパッドとの絶縁の強さを表す。

ピッチを詰めると、位置ずれの制約は厳しくなる。imecは400 nmピッチのウェーハ・ウェーハ接合(W2W)で、量産で十分な歩留まりを得るには位置ずれを100 nm未満に抑える必要があるとした2。同じ研究は、上下で大きさの違うパッドの設計が、同じ大きさのパッドより絶縁破壊に強い2ことも示した。

接合面は、そのまま電気の接点と絶縁の境目になる

Section titled “接合面は、そのまま電気の接点と絶縁の境目になる”

hybrid bondingとは、銅パッドを埋めた絶縁膜どうしを、はんだも樹脂も挟まずに直接貼り合わせる接合方式を指す。貼り合わせた面では、銅どうしが電気をつなぎ、絶縁膜どうしが隣のパッドとの間を絶縁する。段差や粒子を吸収する材料は、間に入らない。

図1接合前から合否判定までの連結
工程順 接合前工程 平坦化・post-CMP 洗浄 表面活性化・queue time 接合 位置合わせ Cu / 絶縁膜の直接接合 接合後計測・検査 bonded overlay IR void 検査 bond strength 合否判定 electrical yield 信頼性 qualification 管理指標 flatness / Cu recess queue time / cleanliness placement accuracy bonded overlay void / bond strength electrical daisy chain
平坦さ、清浄さ、位置ずれ、接合の質は、接合の前・接合・接合の後の別々の工程で作り込まれる。

接合面の状態を決める工程は、接合の前、接合、接合の後に分かれる。平坦さと銅パッドのへこみはCMPと洗浄で、清浄さは洗浄から接合までの待ち時間で、位置ずれは接合機で決まる。ボイドと接合強度は接合後に測る。

位置ずれは、抵抗と絶縁破壊を同時に悪くする

Section titled “位置ずれは、抵抗と絶縁破壊を同時に悪くする”

imecも、同じ構造で電気歩留まりと信頼性の項目を測った。imecは400 nmピッチのW2Wで、パッドの銅の研磨などを調整して大きな数珠つなぎ構造で高い電気歩留まりを得たうえで、同じ構造で絶縁破壊、銅の拡散、銅の盛り上がり、エレクトロマイグレーションを調べた3。

弱い場所は、接合した面そのものにある。imecとWestern Digitalは1 µmピッチのW2Wで、位置ずれの許容幅を広げるために上のパッドを直径200 nm、下のパッドを600 nmにした。それでも接合面での下のパッドの幅は680 nmに広がり、隣のパッドとの最短距離は設計の400 nmから320 nmに縮んでいた4。絶縁破壊は、この最短距離が現れる接合面に沿って起きるとみられる。それでも、175℃未満では使用条件へ外挿した寿命は10年を超えた5。

imecは2023年のIEDMで、位置ずれと接触抵抗、歩留まり、信頼性の関係6を分析した。2025年には400 nmピッチの接合面で温度を変えた絶縁破壊の測定から寿命を評価し、劣化は絶縁膜そのものの劣化で、接合面に沿った銅の移動は起きにくい7と報告した。

ソニーは0.8 µmピッチのW2Wで、1,000万個の接続を持つ試験構造を作り、位置合わせの誤差を0.2 µm未満に抑えた。半数のウェーハで歩留まり100%、残りも94%を超え、175℃で1,000時間の熱処理と絶縁破壊電圧の試験では、位置ずれがあっても特性は安定していた8。

位置ずれは、機械的な強さにも出る。ソニーの別の研究では、アニール前の接合強度は位置ずれが大きくなるほど直線的に下がり、アニール後は銅の熱膨張によってその関係が変わった9。

段差と粒子は、ボイドと未接合として歩留まりに出る

Section titled “段差と粒子は、ボイドと未接合として歩留まりに出る”

銅パッドのへこみは、研磨で管理する。ダイ・ウェーハ接合(D2W)の2 µmピッチでは、imecは銅パッドのへこみを2.5 nm未満に抑えた10。

粒子と再酸化は、主にボイドとして歩留まりを下げる。洗浄から接合までの待ち時間が長いと歩留まりが落ちる例と、粒子が自分の数十倍のボイドを作る例は、ボイドと洗浄の記事にまとめた。ボイドの有無と接合強度は別の量だ。EVGの検査装置EVG20は、IRでウェーハ全面を見て半径500 µmまでのボイドを検出する機能と、Maszara法で接合強度を測る機能11を別々に持つ。

接合面に残った欠陥の種類で、出やすい症状が変わる

Section titled “接合面に残った欠陥の種類で、出やすい症状が変わる”
図2接合界面に残る欠陥と症状
基準:平坦・清浄・整合 daisy chain 導通あり 前工程が揃った状態 表面段差 / Cu recess 未接合・局所抵抗上昇 → CMP・post-CMP 洗浄 粒子・残渣・再酸化 void・bond strength 低下 → 洗浄・queue time 管理 overlay ずれ 導通不良・絶縁破壊 → alignment・bonder 接合面に残った欠陥の種類ごとに、戻る前工程が異なる
接合面に残った欠陥の種類ごとに、出やすい症状が変わる。

図2は、段差、粒子と再酸化、位置ずれの3種類の欠陥と、それぞれで出やすい症状を並べたものだ。症状がどのテストの段階で見つかるかはテストと選別で、位置ずれの測り方は位置合わせと検査の記事で扱う。

W2WとD2Wでは、同じ欠陥が別の単位で損失になる

Section titled “W2WとD2Wでは、同じ欠陥が別の単位で損失になる”
図3yield split がどの単位で乗るか
W2W(wafer-to-wafer) 上下どちらの 不良ダイも 積層品に乗る 崩れ方:上下の不良が積層品に乗る 位置精度:全 wafer の overlay 一様性 D2W(die-to-wafer) 損失が die 単位で 止まる 崩れ方:die 単位で split できる 位置精度:die placement と bonded 後 overlay
W2Wでは片側のウェーハの不良が積層品に乗り、D2Wでは損失がダイの単位で止まる。

W2Wでは、上下どちらかのウェーハの不良ダイが、そのまま積層品の不良になる。D2Wは良品のダイだけを選んで積めるが、位置ずれの合否がダイごとに決まる。両方式の損失の出方は、W2WとD2Wの歩留まりの記事で比べる。

量産開始の発表と寿命の根拠は、別々の文書に出る。その対応は、量産発表と信頼性の記事で扱う。

11件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6
  7. 7
  8. 8
  9. 9
  10. 10
  11. 11