OSATの受託は試作から出荷代行までAmkorは売上の55%が材料費
OSATの受託範囲は、組立と量産テストより広い。米Amkorと台湾ASEの2025年度年次報告書を読むと、両社とも量産に入る前のテスト開発や試作品の評価から、パッケージ設計、組立、テスト、顧客の指定先への出荷代行までを受託サービスとして挙げている。Amkorによれば、顧客はこのうち1つ以上を選んで使う。
OSATとは、半導体メーカーやファブレスから後工程のパッケージングとテストを受託する企業を指す。Amkorの2025年度の売上原価を見ると、売上の55%は基板やリードフレームなどの材料費だった。一方、ASEの原材料費は売上の48.4%で、こちらは電子機器の受託製造(EMS)を含む。Amkorは、顧客が通常、数か月かかることがある長く厳しい認定をOSATに課すと書いている。
OSATの定義は「後工程の受託」だが、範囲は量産の前後に広い
Section titled “OSATの定義は「後工程の受託」だが、範囲は量産の前後に広い”日本OSAT連合会(J-OSAT)は1、OSATをOutsourced Semiconductor Assembly and Testの略とし、半導体メーカーやファブレスメーカーから後工程のパッケージングとテストを受託する企業や事業者と定義する。後工程の流れの全体と、複数のダイを組むほど組立前の選別が重くなる理由は、半導体後工程の入口ページにまとめている。
Amkorは2025年度の年次報告書(10-K)で2、受託サービスとして、ウェーハバンプ、ウェーハプローブ、裏面研削、パッケージ設計、組立、バーンイン、システムレベルテスト、最終テスト、出荷代行を挙げる。顧客はこのうち1つ以上を使う。顧客にはIDM、ファブレス、機器メーカー、ファウンドリがいて、ファウンドリが製造全体を請け負い、その一部をOSATへ出すこともある。IDM、ファブレス、ファウンドリの役割の違いは半導体業界の会社一覧と役割分類にまとめている。
ASEの2025年度の年次報告書(20-F)も3、パッケージング、テスト、顧客が指定した先への直接出荷を一括で受けるサービスを説明している。同社は配線材料の生産も手がける。
テストの受託は、量産より前の設計段階から始まる
Section titled “テストの受託は、量産より前の設計段階から始まる”ASEは、回路設計の段階とその直後に行う「前段のエンジニアリングテスト」を受託している。中身は3つある。1つ目は自動試験装置で動かすテストプログラムの開発で、デバイスごとに専用のプログラムが要る。2つ目は試作品の電気的な設計検証で、機能、周波数、電圧、電流、タイミング、温度範囲が仕様を満たすかを確かめる。3つ目は信頼性と故障の解析で、バーンインなどで長期の信頼性を評価する。
Amkorも、量産前にテストのソフトウェアとハードウェアを顧客と共同で、または一式で開発するテスト開発サービス2を持つ。Amkorはこのサービスで、製品設計の段階から顧客に関わり、量産との相性を高められると説明する。量産テストでは、同社はウェーハテスト、パッケージテスト、バーンイン、システムレベルテストを受け、中間のテストは不良チップを組み立てる費用をなくすとしている。各段のテストの役割はテストと選別で扱う。
Amkorは、半導体メーカーがOSATを使う理由として、新しいパッケージの設計と接続技術の供給元としてOSATに頼る会社が増えていること、OSATが新しいパッケージ技術を短期間で大量生産へ移す資源と経験を持つことを挙げている。これはAmkor自身の説明だ。
Amkorの売上の55%は材料費で、ASEの原材料費は48.4%
Section titled “Amkorの売上の55%は材料費で、ASEの原材料費は48.4%”Amkorの2025年度の売上は67.1億ドルで2、そのうち材料費が37.0億ドルだった。10-Kの費用区分から計算すると、売上に対する比率は材料費55.2%、労務費10.4%、減価償却費8.7%、その他の売上原価11.7%で、売上総利益率は14.0%になる。同年の設備投資は9.0億ドルで、売上の13.5%に当たる。
材料の中心は、基板、IC、コンデンサ、リードフレーム、ボンディングワイヤだ。シリコンウェーハは一般に顧客から預かり、Amkorは一般にその所有権を取らず、所有権と損失の危険は顧客に残る。
ASEは2025年度の年次報告書で3、原材料費が売上に占める比率を48.4%(2024年度は51.5%)としている。ASEの売上にはEMSが39.9%含まれ、EMSでは原材料費がEMS売上の78.7%を占める。
売上の中身は、会社によって区分が違う
Section titled “売上の中身は、会社によって区分が違う”Amkorは売上を製品群で分け、フリップチップ、メモリ、ウェーハレベル工程と関連テストを「先端製品」、ワイヤボンディング系のパッケージと関連テストを「主流製品」としている。2025年度は先端製品が55.6億ドルで売上の82.8%、主流製品が11.5億ドルで17.2%だった。テストは、両方の製品群にまたがって組立を補うサービスとして扱われている。
ASEは2025年度の売上を、パッケージングが47.8%、テストが11.1%、電子機器の受託製造(EMS)が39.9%と開示している。ASEの数字から計算すると、テスト単独の売上はパッケージングの0.23倍になる。ASEはEMSを持ち、Amkorは売上をパッケージの種類で分けている。
| 項目(2025年度) | Amkor | ASE |
|---|---|---|
| 売上の区分 | 先端製品82.8%、主流製品17.2% | パッケージング47.8%、テスト11.1%、EMS39.9% |
| 通信向けの比率 | 売上全体の46%(Amkorの概算) | パッケージング・テスト売上の45.8% |
| 量産前の受託 | テスト開発、パッケージ設計 | 前段のエンジニアリングテスト |
量産の前に、数か月かかることがある認定を通す
Section titled “量産の前に、数か月かかることがある認定を通す”Amkorは10-Kで、パッケージングとテストは複雑な工程なので、顧客は業界の慣行に沿って通常、長く厳しい認定をOSATに課し、それに数か月かかることがあると書いている。認定を通って量産に入った後も、製造環境の汚染、人の誤り、装置の故障、材料の不良などでパッケージの不良が出ることがあり、テストの装置とソフトウェアも複雑だとする。
顧客の集中も大きい。Amkorの2025年度は、上位10社が売上の72%を占め、AppleとQualcommへの直接の販売がそれぞれ29.8%と11.1%だった。Amkorの概算による用途別では、通信(スマートフォン、タブレット)が46%、コンピューティングが20%、自動車・産業が19%、民生が15%だった。
ASEも、顧客は利用する工場ごとに別々の認定と相関の確認を行うと書いている。先端パッケージの工程がウェーハの段階から始まる例は、ダイシング前のウェーハでバンプやRDLを作る先端実装で扱っている。
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- 1日本OSAT連合会:OSATの定義j-osat.org ↩
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