先端パッケージの職種、量産の4関門で分類Rapidusは設計職を3分野で募集
先端パッケージの技術職は、量産の関門のどれを受け持つかで分けると、職ごとの違いを読み分けやすい。ここでいう関門とは、量産品が満たすべき条件のまとまりを指す。このサイトでは、GPUとHBMを近づけたパッケージの量産条件を、電源・信号、熱、反り・接合、歩留まりの4つの関門に整理している。この分け方に求人を当てはめると、電気設計は高速信号と電源を、熱・構造設計とTEG評価は温度と反りを、プロセス開発は配線と接合の作り方を、基板テストと物理解析は歩留まりの関門を受け持つ。
Rapidusは2026年10月時点で、パッケージ設計の求人を電気、熱・構造、物理検証の3つに分けて出している。開発側でも、Siインターポーザの技術者、TEGの評価技術者、基板テストの技術者、物理解析の技術者を別々に募集している。下の対応づけは、これらの求人をこのサイトの4つの関門に当てはめたものだ。関門の中身は、先端パッケージングの入門で扱った。
電源・信号の関門には、電気設計の職が当たる
Section titled “電源・信号の関門には、電気設計の職が当たる”GPUとHBMの間には、HBM2EやHBM3Eで1個あたり1,024本のデータ線が通る。この配線と電源の品質を決めるのが電気設計だ。Rapidusのパッケージ電気設計の求人1は3つの仕事を募集している。HBM、UCIe、SerDesといった高速インターフェースのパッケージ設計技術の開発、PHY(物理層回路)の開発でのパッケージ仕様の提案、2.5Dや3Dのパッケージで実測と解析を突き合わせた電気設計ライブラリの整備だ。
応募条件も仕事ごとに分かれる。設計技術の開発では、インターフェースの回路・パッケージ・マザーボード設計、信号の品質(SI)と電源の品質(PI)の解析、チップ・パッケージ・ボードの協調電気設計のいずれかの経験を求める。PHY開発ではPHY開発、パッケージ設計、製造と設計の仕様整合の経験を、ライブラリ整備ではシミュレーションによる設計・解析、BEOL・再配線層・有機基板の電気モデル抽出、電気特性の測定の経験を求める。どの仕事も、3年以上の実務・研究経験か、博士課程の修了が条件だ。そのため、同じ電気設計の職でも、マザーボードの高速信号を設計してきた人は設計技術の開発に、電気特性を測ってきた人はライブラリ整備に経験が当たる。
熱と反りの関門には、熱・構造設計とTEG評価の職が当たる
Section titled “熱と反りの関門には、熱・構造設計とTEG評価の職が当たる”GPUとHBMの熱の逃がし方や、大きなパッケージの反りを詰めるのが熱・構造設計だ。Rapidusの熱・構造設計の求人は2、パッケージの熱・構造設計と解析、製造工程を考えた設計検討とシミュレーション、反り・応力・破壊といった信頼性の課題の解析と改善提案を仕事に挙げる。道具はANSYS、Abaqus、Flotherm、Celsiusなどの解析ツールで、加工プロセス、構造信頼性、伝熱・熱流体のいずれかの実務経験を求める。
RapidusのTEG開発・評価の求人は3、パッケージのTEG(評価用の試験構造)の試験計画、評価と解析、試作と量産に向けた設計へのフィードバック、構造設計と応力解析を受け持つ。応募条件は、TEGの設計・評価の経験、材料力学や熱・構造解析の知識、AnsysやAbaqusによる解析の経験のいずれかで、熱・構造設計の求人と解析の道具が重なる。どちらの求人も、3年以上の実務・研究経験か博士課程の修了を求める。熱の限界そのものは3DI / 3DICの熱的限界で扱っている。
配線と接合を作る仕事は、デバイス側と装置側にある
Section titled “配線と接合を作る仕事は、デバイス側と装置側にある”インターポーザ、TSV、再配線層、バンプを作り込むのがプロセス開発だ。RapidusのSiインターポーザ技術者の求人は4、Siインターポーザを使ったパッケージの開発・設計・評価、TSV・RDL・バンプによるチップ間接続技術の開発、材料の選定と熱・電気特性のシミュレーション、OSATや材料メーカーとの共同開発、製造工程の立ち上げを仕事に挙げる。Siインターポーザや2.5D・3Dパッケージの実務経験と、Allegro、ANSYS、COMSOLなどによる設計・解析の経験が必須だ。GPUとHBMをつなぐ方式の違いは、HBM接続の方式の解説で比べている。
装置メーカーの側にも、先端パッケージ専門の職がある。ASMの先端パッケージ向けプロセスエンジニアの求人は5、ALD、PECVD、PVD、めっき(ECP)による成膜と表面処理の工程を先端パッケージ向けに開発し、実験計画法で条件を詰める研究開発の仕事で、化学工学、材料、物理などの博士号と成膜の研究経験を求める。Applied Materialsの先端パッケージング向けカスタマーエンジニアの求人は6、顧客の工場で先端パッケージング用の装置を据え付け、保守し、更新し、不具合に対応するフィールドサービスの仕事だ。
歩留まりの関門には、基板テストと物理解析の職を当てる
Section titled “歩留まりの関門には、基板テストと物理解析の職を当てる”先端パッケージでは、不良のダイを組み立てた後に外せない。MicronのHBM2E技術資料によれば7、シリコンインターポーザでははんだ不良の部品を付け直せず、接合が1か所でも不良になると、GPUと数個のHBMを載せたパッケージがまるごと廃棄になる。Intelは、ウェーハ選別、個片ダイの選別、バーンイン、最終テスト、システムレベルテスト8を受託し、ダイ単位で試験することが組立へ送るknown-good-dieを増やすと説明する。各段階で何を判定するかはテストと選別にまとめている。
Rapidusの基板テストの求人は9、パッケージ用基板の電気検査と導通確認、配線の断線や短絡の検出と解析、基板検査工程の立ち上げと運用、基板メーカーとの技術的なやり取りを仕事に挙げ、ロジックテスタ、ウェーハプローバ、パッケージハンドラの運用経験を求める。Rapidusの物理解析の求人は10、チップレットパッケージの開発で試験片を加工し、SEMで観察・分析する仕事で、FE-SEMやFIB-SEMの操作とEDSやEBSDによる分析の経験、3年以上の実務・研究経験か博士課程の修了を求める。このサイトでは、基板の不良を組立前に見つける基板テストと、構造を観察して評価する物理解析を、歩留まりの関門に置く。
物理検証は、インターポーザと基板の設計ルールを決める
Section titled “物理検証は、インターポーザと基板の設計ルールを決める”Rapidusの物理検証の求人は11、Siインターポーザ、RDLインターポーザ、パッケージ基板の物理・電気・信頼性の設計ルールを決めてDesign Manualを作る仕事と、DRC、LVS、ERCなどの検証ロジックと検証フローを作る仕事を挙げる。Calibre、Pegasus、IC Validatorなどの検証ツールや、設計ルールの策定、ADKやPDKの開発の経験を求め、3年以上の実務・研究経験か博士課程の修了を条件とする。
求人の応募条件を並べると、関門ごとに求める経験の中心が見える。電源・信号はSI・PI解析や回路・ボードの電気設計、熱と反りはAnsysやAbaqusによる熱・構造解析、Siインターポーザの開発は2.5D・3Dパッケージの実務と設計ツール、歩留まりはテスタやSEMの操作の経験だ。職種ごとの求人は、半導体パッケージ技術、半導体テスト・ATE、故障解析・不良解析の職種辞典から探せる。
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- 1Rapidus:パッケージ電気設計・PHY開発の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
- 2Rapidus:パッケージ熱・構造設計の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
- 3Rapidus:パッケージTEG開発・評価の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
- 4Rapidus:Siインターポーザ技術者の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
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- 6Applied Materials:先端パッケージング装置のフィールドサービスの求人(2026年10月確認)careers.appliedmaterials.com ↩
- 7Micron:HBM2Eの統合と運用、インターポーザ上の手直し(2021年4月)micron.com ↩
- 8Intel Foundry:チップレットのテスト工程intel.com ↩
- 9Rapidus:基板テストの求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
- 10Rapidus:チップレットパッケージ物理解析の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩
- 11Rapidus:パッケージ物理検証の求人(2026年10月確認)rapidus.inc ↩