電子材料 / 半導体パッケージ材料 アンダーフィル・液状封止材 / 導電性ペースト
ナミックス
チップの下の隙間を埋める会社
半導体パッケージ用のアンダーフィル剤と導電ペーストを作る新潟の材料メーカー。
売上の80%超が海外で、顧客との共同開発が主流です。
ナミックスは フリップチップ用アンダーフィル剤 などの液状封止材を作り Intelからサプライヤー表彰 を受けた材料メーカーです。 2025年度の売上高は1,282億円です。
- 2025年度 売上高 1,282億円 研究開発費は売上高の4%です
- 売上高の伸び 約4倍 会社は10年で売上高がこの倍率になったとしています
- 海外売上比率 80% 2017年に80%を超えました
売上の国内・海外比率海外80%超 · 国内と海外の比率は2:8
- 海外売上80%
- 国内売上20%
この会社の要点
01立ち位置
何の会社として比べるか
ナミックスは、半導体パッケージ用の液状封止材と導電ペーストを作る材料メーカーです。 売上の80%超が海外で、北米と欧州で受注し、台湾や中国などで生産して東南アジアへ供給します。
海外売上が国内を逆転し、いまは2:8
国内:海外の売上比率
2010年に海外が国内を上回り、2017年に海外比率が80%を超えました。
アンダーフィル剤
品番別の粘度
U8443-14とU8410-377が最も低い粘度で、どちらも低粘度・狭ピッチ対応です。
品番別のガラス転移温度(Tg)
粘度の低いU8443-14とU8410-377は、Tgでは高い側に並びます。
チップコート(半導体パッケージ用の液状封止材・接着剤)
半導体チップの封止を目的とした高純度な絶縁材料です。 フリップチップ用とChip on film用のアンダーフィル剤、ワイヤーボンディング実装したCSP/BGAを封止するダム&フィル剤があります。 パッケージをマザーボードへ2次実装する際の補強材(SUF)と、パッケージの角を補強するコーナーボンド剤も持ちます。 低温硬化型接着剤は100℃以下で硬化します。
- フリップチップ用アンダーフィル剤(UF/封止材)
- Chip on film用アンダーフィル剤(COF/封止材)
- ダム&フィル剤(封止材)
- CSP/BGAボードレベル用アンダーフィル剤(SUF/封止材)
フリップチップ用アンダーフィル剤
チップの回路面を基板側に向けて直接接続するフリップチップ実装で、キャピラリーフローにより注入して封止する絶縁材料です。 CPUやグラフィック用LSIなどのフリップチップ化に対応する品ぞろえで、品番ごとに低粘度・狭ピッチ、Pb-freeバンプ、Low-K、Cuピラー、大型ICへの対応が分かれます。 粘度、Tg、弾性率、CTEの代表物性を品番別に公開しています。
- U8443-14
- U8410-73C
- U8410-73CF3
- U8410-99
熱硬化型導電ペースト(ユニメック)
エポキシ樹脂を主体とした熱硬化性樹脂に、自社で加工した導電粉末を均一に分散させた材料で、低温で処理できます。 熱硬化型低抵抗配線ペーストの推奨硬化条件は200℃ × 30分です。 パワーモジュール向けにはダイアタッチ剤を持ちます。
- 熱硬化型低抵抗配線ペースト
- 熱硬化型銅ペースト
- 表面実装接着剤
- 熱硬化型受動部品端子電極剤
焼成型導電ペースト(ハイメック)
高ハンダ耐熱タイプのAgペーストは、従来AgPdペーストやAgPtペーストが必要だった用途を置き換え、PdやPtを減らして価格を安定させます。 高温焼成タイプの銅ペーストは、アルミナ基板や窒化アルミなどのセラミック基板の回路形成と、パワーモジュールの銅貼り基板の置き換えが対象です。 端子電極剤と内部電極剤は、チップ抵抗器、MLCC、チップインダクタ、LTCCに使われます。
- 特殊用途Agペースト
- セラミック基板向け配線用銅ペースト
- 焼成型受動部品端子電極剤
- 焼成型受動部品内部電極剤
絶縁材料・開発品
チップ抵抗器保護用のオーバーコート、低温封止用ガラスプリフォーム、ストレッチャブルペーストのキノメックがあります。 開発品は高熱伝導TIM、熱硬化型銅ペースト、シリコンフォトニクス用接着剤です。
- オーバーコート(チップ抵抗器保護用コーティング剤)
- 低温封止用ガラスプリフォーム
- キノメック:ストレッチャブルペースト
- 高熱伝導TIM(開発品)
02収益
どこで、どれくらい儲けているか
2025年度の売上高は1,282億円で、研究開発費は売上高の4%です。 会社は売上高が10年で約4倍になったとし、AIや情報インフラなど世界的な半導体需要の拡大とともに成長しているとしています。
03強みとリスク
強みと、リスク・検討点
強みは、顧客と組んで材料を作り込むカスタムメイドの開発と、IntelやASEグループからの供給面の評価です。 注意点は、売上の大半が海外で、なかでも台湾・中国・韓国の比重が大きいことと、新卒の勤務地が新潟に限られることです。
強み
- 顧客と組んで作るカスタムメイド材料
製品は既製品が少なく、顧客とパートナーシップ契約を結んで共同で開発・改良するカスタムメイドが主流です。 代理店を通さず顧客と直接やり取りすることで開発を速め、現地の情報を早くつかむために、販売・生産拠点を海外に広げてきました。
グローバル展開(海外売上比率の推移) - Intelのサプライヤー表彰
2026年3月、Intelの「2026 Intel EPIC Supplier Award」の受賞を発表しました。 Intelのサプライチェーンで、品質、技術力、協業体制、継続的な改善の面でとくに高い水準を示したサプライヤーを表彰する制度です。
2026 Intel EPIC Supplier Award 受賞 - ASEグループからの技術提案と安定供給の評価
2026年4月24日、ASE Holdings主催の「Annual Supplier Day 2026」で「2025 Best Supplier Award」を受賞しました。 ASE、SPIL、USIのASEグループに高い付加価値を提供したサプライヤーが対象で、半導体材料分野での継続的な技術提案と安定供給が評価されました。
ASE Holdings 2025 Best Supplier Award 受賞 - 圧縮成形用アンダーフィルの製品化
LCMUFは、コンプレッションモールド装置でチップ周辺部とチップ/インターポーザ間のギャップを一括で封止する液状モールドアンダーフィル剤です。 樹脂設計で反りを減らし、フィラー設計で注入性を高めて製品化しました。 この開発で2024年6月にエレクトロニクス実装学会の技術賞を受けています。 開発はレゾナックの評価協力の下で行いました。
エレクトロニクス実装学会 技術賞(LCMUFの実用化) - 絶縁と導電の両方の材料技術
塗料の製造から始まり、防湿絶縁塗料「セラコート」を経て電子塗料に傾注し、導電と絶縁の両方の技術を持つに至りました。 会社は、2006年に絶縁・導電材料とも世界シェアが30%を超えたとしています。
創業80周年 年表
リスク・検討点
- 海外売上は台湾・中国・韓国の比重が大きい
海外売上に占める割合は、台湾・中国・韓国が米国・欧州より高いです。 北米と欧州で発注を受け、台湾や中国などで生産して東南アジアへ供給する形です。 台湾の生産拠点は、顧客に勧められたBCP対応として設けました。
グローバル展開(海外売上比率の推移) - 新卒の勤務地は新潟の本社とテクノコア
2027年卒向けの勤務地は、本社・工場(新潟市北区濁川)とナミックステクノコア(新潟市北区島見町)です。 技術開発職、品質保証職、品質検査職は理系の大学・大学院卒が対象です。
新卒採用 募集要項(2027年3月卒向け) - 少量多品種で規格の細かい製造
生産職は多くの種類の製品を比較的少量で作ります。 計量、分散、ろ過、脱泡、粘度測定、充てんの各作業に規格や条件が細かく決まっていて、ひとつ外すと不良品になります。
職種紹介
04待遇
給与、初任給、休日、手当
新卒の初任給は大学院卒245,700円、大学卒235,500円、専門学校卒204,800円(前年度実績)です。 昇給は年1回(4月)、賞与は原則年2回、年間休日は124日です。
新卒初任給(前年度実績)
業績に応じて期末賞与が出ます。
- 昇給・賞与
- 昇給は年1回(4月)、賞与は原則年2回で、業績に応じて期末賞与が出ます。 金額と条件は 新卒採用 募集要項 に載っています。
- 勤務時間
- 基本の勤務時間は8:00~17:00で、時差出勤制度があります。
- 休日休暇
- 完全週休2日制で、年間休日は124日(2025年度実績、会社カレンダー)です。 有給休暇と慶弔休暇があります。
- 諸手当・福利厚生
- 通勤手当(実費)、住宅手当(条件あり)、資格取得褒賞金(一時金)があります。 福利厚生には企業年金制度、社員食堂(昼食費無料)、保養所、事業所内保育園などがあります。
- キャリア採用
- 正規雇用労働者の中途採用比率は2021年度55%、2022年度22%、2023年度64%です。 主に化学技術を持つ設計・開発の経験者、電子・半導体業界の経験者、日英バイリンガルの実務経験者を求めています。 求人は キャリア採用ページ から外部の求人一覧へ進みます。
05勤務地と職種
どこで、どんな仕事をするか
研究と製造の中心は新潟です。 新卒の勤務地は本社・工場とナミックステクノコアで、海外には米国・欧州・アジアの販売拠点、中国と台湾の生産拠点、米国の開発拠点があります。
主な勤務地・拠点
- 本社・工場
- 新潟県新潟市北区濁川製造と本社営業本部
- ナミックステクノコア
- 新潟県新潟市北区島見町R&Dセンター
- 月岡工場
- 新潟県新発田市製造
- 海外拠点
- 米国、ドイツ、シンガポール、韓国、中国、台湾、香港販売・生産・開発
新卒の募集職種
- 営業職
- 営業管理事務職
- 技術開発職
- 品質保証職
- 品質検査職
技術開発職、品質保証職、品質検査職は理系の大学・大学院卒、営業職は大学卒以上が対象です。
06これから
会社が次に取りにいくもの
技術面では、LCMUFの高性能パッケージへの適用と、SEEDSと呼ぶ5分野への材料展開を掲げています。 環境面では2024年にSBT認証を取得し、削減目標を置いています。
温室効果ガス削減目標(SBT認証)
- Scope1・Scope2 2030年までに2019年度比46.2%削減 自社の燃料使用と購入電力に伴う排出
- Scope3 2032年度までに2022年度比30%削減 原材料調達や物流などサプライチェーン全体
- 太陽光発電 年間およそ12万kWhの発電を想定
- ヒートポンプ 年間で約1,200MWhの削減見込み
- カーボンニュートラル 2050年までの達成を計画
会社は2050年までのカーボンニュートラル達成を計画しています。
これからの材料
- 再生可能エネルギーの導入
- 2025年3月に本社工場棟の屋上へ太陽光発電設備を、同じ月に本社工場へ熱回収ヒートポンプを導入しました。 会社は太陽光でCO₂約57tの削減を見込んでいます。 オフサイトPPAは2025年11月から使う計画を示していました。 詳しくは 脱炭素への取り組み にあります。
- 事業の変遷
- 塗料の製造から始まり、1980年に一般塗料をやめて電子部品用ペースト100%へ移りました。
SEEDSの5分野への展開
会社は、絶縁・導電の材料技術と配合・分散のプロセス技術にシミュレーション技術を組み合わせ、半導体・環境・エネルギー・デバイス・システムの5分野へ先端材料を展開するとしています。 産学官連携では、AI、マテリアルズ・インフォマティクス、次世代放射光施設などの解析技術を扱います。
温室効果ガスの削減目標
2024年にSBT認証を取得しました。 Scope1・Scope2は2030年までに2019年度比46.2%、Scope3は2032年度までに2022年度比30%削減する目標です。 会社は2050年までのカーボンニュートラル達成を計画しています。
07入口を選ぶ
専攻から、入口を1つに絞る
チップコートの液状封止材、フリップチップ用アンダーフィル剤、ユニメック、ハイメックのうち、自分の専攻と重なる材料を1つ選び、そこから応募職種を絞ります。
技術開発職
電子部品用の導電・絶縁材料をオーダーメイドで開発する職種です。 顧客の技術担当者と打ち合わせながら、試作品製作、性能試験、評価を繰り返して製品を仕上げます。 将来は長期を見据えた新材料の研究に関わる可能性もあります。
公式採用情報応募前の3手
- アンダーフィル剤 / 熱硬化型導電ペースト / 焼成型導電ペースト / 絶縁材料から関わりたい材料を1つ選ぶ
- 研究や実務の測定値を1つ用意し、粘度、Tg、弾性率、CTE、反りのどれと結ぶかを決める
- 募集要項の職種、対象学歴、勤務地、初任給、年間休日をノートに書き出す
面接で使う技術語
- 配合
- 分散
- 粘度
- フィラー
- 反り
- 含有化学物質
- 材料規制
- 品質保証
- 分析
- 環境品質
他社との違いを一言で
- 半導体封止材
住友ベークライト
ナミックスの封止材は液状で、キャピラリーフローで注入するアンダーフィル剤と、圧縮成形で一括封止するLCMUFを持ちます。
- アンダーフィル / 接着剤
Henkel
ナミックスはフリップチップ用アンダーフィル剤の品番ごとに粘度・Tg・弾性率・CTEを公開し、製品は顧客との共同開発によるカスタムメイドが主流です。
- 導電性ペースト
京都エレックス
ナミックスは焼成型のハイメックと熱硬化型のユニメックの両方を持ち、半導体パッケージ用の液状封止材も作ります。