コンテンツにスキップ

アンダーフィルのTg、測り方で43 °C差|HenkelのNCP 5209、TMAとDMAで比較

Henkelは、先塗りのアンダーフィルNCP 5209のガラス転移温度(Tg)を、TMAで145 °C、DMAで188 °C1と2つ載せている。Tgとは、樹脂が硬いガラス状態から柔らかいゴム状態へ移る温度を指す。NCP 5209では、測り方を変えるとTgが43 °C動く。ナミックスのフリップチップ用8品番2、HenkelのFP4526、パナソニックのCV5794、MacDermid Alphaの2品番は、品番ごとにTgを1つの値で載せている。

粘度、弾性率、温度サイクルの回数でも、各社の条件には違いがある。粘度は25 °Cの値とそれ以外が並び、粘度計もコーン・プレート型とブルックフィールド型に分かれる。弾性率は、曲げ弾性率、DMAの貯蔵弾性率、25 °Cの弾性率が混ざる。

TMAは温度を上げたときの寸法の変化を、DMAは弾性率の変化を測る。NCP 5209のデータシートは、CTEをTg以下で28 ppm/°C、Tg以上で80 ppm/°Cとし、DMAで測った25 °Cの貯蔵弾性率を7.3 GPaとしている。DSC、DMA、TMAが封止材のどの物性を測り、反りの計算に何を渡すかは、封止材(EMC・MUF)の記事の表にまとめた。

各社が公開するアンダーフィルのTgを13品番で並べた図。ナミックスの8品番は70〜135 °C、HenkelのFP4526は133 °C、MacDermid Alphaの2品番は165 °Cと177 °C、パナソニックのCV5794は180 °C。HenkelのNCP 5209は同じ材料でTMAで145 °C、DMAで188 °C。
NCP 5209ではTMAとDMAのTgが43 °C離れる。ほかの品番は、Tgを1つの値で載せている。

ほかの公開値は、Tgを1つの値で載せる。ナミックスの8品番、HenkelのFP45263の133 °C、パナソニックのCV57944の180 °C、MacDermid AlphaのHiTechシリーズ5のCU11-3127の177 °C、CU21-3240の165 °Cがそうだ。FP4526の133 °CとナミックスのU8443-14の135 °Cの差は2 °Cで、NCP 5209のTMAとDMAの差43 °Cよりずっと小さい。

粘度の公開値は、測定温度と粘度計が品番ごとに違う

Section titled “粘度の公開値は、測定温度と粘度計が品番ごとに違う”

粘度の公開値は、桁で開いて見える。パナソニックはCV5794の粘度を25 °Cで1 Pa·s以下とし、同社の従来品の4 Pa·sより下げたと説明する。HenkelのFP4526は、コーン・プレート型粘度計で25 °Cに測って4,700 mPa·s(4.7 Pa·s)だ。MacDermid Alphaは、ブルックフィールド粘度計で25 °Cに測ったCU11-3127を1.0〜4.0 kcps、CU21-3240を8.0〜16.0 kcpsとしている。ナミックスの8品番は、10〜60 Pa·sを数値だけで載せる。

品番粘度の公開値測り方の記載
パナソニック CV57941 Pa·s以下25 °C
Henkel FP45264.7 Pa·s25 °C、コーン・プレート
MacDermid Alpha CU11-31271.0〜4.0 kcps25 °C、ブルックフィールド
MacDermid Alpha CU21-32408.0〜16.0 kcps25 °C、ブルックフィールド
Henkel NCP 520912.5 Pa·s25 °C、スピンドル51・5 rpm、チキソ指数2.2
ナミックス 8品番10〜60 Pa·s数値のみ

回転数が効くのは、フィラー入りの樹脂の粘度がせん断の速さで変わるからだ。NCP 5209のチキソ指数2.2は、0.5 rpmと5.0 rpmで測った粘度の比で、遅く回すと粘度が2倍余りになることを示す。CUFの充填時間が低せん断域の粘度で大きく変わることは、アンダーフィル材料の記事で扱った。

パナソニックは、高Tgと低CTEの両立をCV5794の売りにした

Section titled “パナソニックは、高Tgと低CTEの両立をCV5794の売りにした”

Tgとあわせて各社が載せるのが、Tg以下のCTE(α1)だ。パナソニックは、高Tgと低CTEを同時に満たすのは難しいとし4、CV5794で従来品のTg 120 °C・CTE 50 ppmに対して、Tg 180 °C・CTE 20 ppm以下を実現したと説明する。CTEを下げると、アンダーフィルと基板の熱膨張の差が縮み、はんだボールにかかる応力が減るという。

品番TgCTE α1
パナソニック CV5794180 °C20 ppm/°C以下
MacDermid Alpha CU11-3127177 °C29 ppm/°C(TMA)
MacDermid Alpha CU21-3240165 °C31 ppm/°C(TMA)
Henkel NCP 5209145 °C(TMA)、188 °C(DMA)28 ppm/°C
Henkel FP4526133 °C33 ppm/°C
ナミックス 8品番70〜135 °C22〜42 ppm/°C

弾性率は種類の違う値が並ぶ。CV5794は25 °Cの弾性率13 GPa、NCP 5209はDMAで測った25 °Cの貯蔵弾性率7.3 GPa、FP4526は曲げ弾性率8.5 GPa、ナミックスの8品番は6.5〜12 GPaだ。

ナミックスの表で弾性率が11 GPa以上の3品番は、いずれもPb-freeバンプとLow-Kへの対応をうたい、CTEは22〜31 ppm/°Cだ。CTEが最も低いU8410-302は、弾性率12 GPa・Tg 95 °Cである。低粘度・狭ピッチ対応のU8443-14は、8品番で最も高いCTE 42 ppm/°Cと最も低い弾性率6.5 GPaを持ち、Tgは135 °Cと最も高い。フィラーを増やすとCTEは下がり粘度が上がる関係は、封止材の記事が液状MUFの開発報告から紹介している。

硬化条件は、15分から2時間まで開く

Section titled “硬化条件は、15分から2時間まで開く”

Tgと弾性率は、硬化の状態で変わる。HenkelのFP4526は165 °C・15分で硬化する。ResonacのCEL-Cシリーズでは6、FC-BGA用のCEL-C-3730が150 °Cか165 °Cで2時間、COF用でフィラーを入れないCEL-C-3900が120 °C・15分のあと150 °C・1時間だ。NCP 5209は、熱圧着で250 °C・2.8秒接合したあと、160 °Cで2時間の後硬化をかける。

温度サイクルの5,000回は、パナソニックとMacDermid Alphaで低温側が15 °C違う

Section titled “温度サイクルの5,000回は、パナソニックとMacDermid Alphaで低温側が15 °C違う”

パナソニックはCV5794で−55〜125 °Cの温度サイクル5,000回4を通ったとし、試験体を6 mm角・ボールピッチ300 µmのパッケージと30 mm角の基板としている。MacDermid Alphaは、CU21-3240で−40〜125 °C・30分・SAC305の条件の5,000回5、CU11-3127で2,000回を載せる。同じ5,000回でも、低温側が15 °C違い、試験体も違う。

CV5794は、はんだボールで基板に実装したパッケージを補強する2次アンダーフィルで、ダイと基板の間に流すナミックスのフリップチップ用やFP4526とは守る接合が違う。MacDermid Alphaは、CU11-3127をCSPとフリップチップ向け、CU21-3240をBGA、CSP、フリップチップ向けに載せている。

6件を表示
  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6