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金属酸化物レジストは露光後の空気でCD変化|imecはベーク中の酸素増で感度向上を報告

金属酸化物レジスト(MOR)とは、スズ酸化物の核を持つ有機金属クラスター1でできたEUV用のレジストを指す。供給元のInpria(JSRグループ)は、MORはEUVを多く吸収してフォトンショットノイズを下げ、化学増幅型レジスト(CAR)に特有の酸拡散の機構をなくしたと説明する。その一方で、MORは露光後の空気に反応する。露光後の待ち時間の湿度と汚染物質で現像後のCDが変わり、imecの2026年2月の発表では、ベーク中の酸素を大気の21%から50%に上げると、モデルのMORと市販のMORの両方で感度が15〜20%上がった2。そのため、MORのCDと感度を比べるときは、露光後の空気の条件もそろえる必要がある。

CARで記録してきた酸の拡散やクエンチャーの量と並んで、MORでは露光後の湿度、汚染物質、待ち時間、ベークの雰囲気が、CDと感度を左右する条件として報告されている。レジストの基本の働きとRLSの比べ方はフォトレジスト材料とパターン品質で扱っている。

MORは酸を使わず、スズの反応点どうしがつながって溶けにくくなる

Section titled “MORは酸を使わず、スズの反応点どうしがつながって溶けにくくなる”

CARでは、露光で生じた酸がベーク中に拡散し、周りのポリマーの溶け方を変える。MORの反応は、imecの研究者らによるDorneyらの2025年の論文が3、一般に受け入れられている機構としてまとめている。EUVが当たるとスズに付いた配位子が切れ、スズを中心とする「反応点」ができる。ベーク中に反応点どうしが縮合して密な網目になり、この部分が現像で残る。MORの多くがネガ型になるのはこのためだ。同じ論文は、MORの反応はCARより単純で、性能を改良しやすい可能性があるとも述べている。

反応点は、ベークの前から周りの空気に反応する。同じ論文は、1つのモデルMOR(n-ブチル基を持つスズ酸化物クラスター)で、露光後の待ち時間に水が露光部と速やかに反応し、酸素を含む炭素の副生成物もできることを示した。そのため、このモデルMORでは、露光から現像までの待ち時間の長さも化学状態を変える条件になる。

露光後の待ち時間では、湿度と汚染物質の濃度でCDが動く

Section titled “露光後の待ち時間では、湿度と汚染物質の濃度でCDが動く”

待ち時間の影響は、CDの値で確かめられている。Inpriaの研究者を含むCastellanosらは2024年のSPIEで、MORの露光後の待ち時間に条件を変えた雰囲気を当て、線と隙間のパターンの最終的なCDを基準と比べた。CDの変化の大きさは、汚染物質の濃度と湿度の2つで決まった4。汚染物質と湿度がある条件では、待ち時間の間に配位子が余分に切れていた。

この発表は、湿度、汚染物質の濃度、待ち時間を管理すれば狙いのCDからのずれを防げるとしている。著者らが示した、待ち時間に余分な反応が起きにくいように設計した新しい配合では、湿度と汚染物質がある雰囲気でもCDが安定したという。ずれを抑える手段として、工程側の管理と材料側の配合の両方が報告されたことになる。

ベーク中の酸素は、MORの反応と感度の両方で効果が報告されている

Section titled “ベーク中の酸素は、MORの反応と感度の両方で効果が報告されている”

Dorneyらは、1つのモデルMORを、ドーズ・トゥ・ゲルに当たる35 mJ/cm²の露光量で露光し、200°Cで60秒ベークした。窒素の中より乾燥空気の中でベークしたほうが、配位子の切断が約40〜50%多かった。ベーク中の湿度は配位子の切断に影響しなかったが、湿度が高いほどSn–O–Snの結合が増えた。著者らは、乾燥空気に含まれる約21%の酸素がこの差を生んだ可能性が高いとみている。そのため、このモデルMORでは、ベーク中の気体の種類が湿度とは別の条件として効くことになる。

imecの2026年2月の発表は、別の実験で、ベーク中の酸素濃度と感度の関係を数字で示した。酸素を大気の21%から50%に上げると、モデルのMORと市販のMORの両方で感度が15〜20%上がった。imecはこの結果を、EUVの露光量を減らす手段として示し、露光工程の処理能力と安定性の向上につながるとしている。Dorneyらの化学の測定とこの感度の結果を、同じ酸素の効果として並べるのはこの記事の読みだ。そのため、MORの感度を比べるときは、ベーク中の酸素濃度をそろえることになる。

この測定には、雰囲気を制御できる専用の装置が使われた。imecのBEFORCEは、EUV露光、ベーク、赤外分光(FTIR)、脱ガスの測定を1台にまとめ、ウェーハを真空や乾燥窒素の中で運ぶ。Pollentierらの2024年の発表によると、この装置の中での測定は、待ち時間と周りの環境で値が揺らぐ外部のFTIRより大幅に安定していた5。そのため、MORの反応を比べる測定は、雰囲気を制御した装置の中で行うほうが値がそろう。

金属酸化物レジストの工程を露光、露光後の待ち時間、露光後ベーク、現像の4段に並べ、各段でCDや感度を動かす条件を示した図。露光ではスズと配位子の結合が切れて反応点ができる。待ち時間では湿度と汚染物質の濃度でCDが変わる。ベークでは酸素で配位子の切断が増え、酸素を21%から50%に上げると感度が15〜20%上がった。現像では、ホールの中の残渣を除くと、コンタクトの欠落が出ないCDの幅が広がった。
MORで報告された、露光から現像までの4段それぞれでCDや感度を動かす条件。待ち時間とベークでは、周りの空気の湿度、汚染物質、酸素が条件になる。

現像の条件でも、MORの不良の出ない幅は動く

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TELの研究者らは2023年、ピッチ36 nmのコンタクトホールで2種類のMORに自社の現像法ESPERTを試し、ホールの中の残渣を取り除くことで、コンタクトの欠落が出ない余裕を広げた6。数字とその読み方はフォトレジスト材料とパターン品質に、ADIとAEIで比べる理由はレジスト変更でCDが動いたときのADIとAEIの切り分けにまとめている。

High-NA EUVでどのパターンにMORとCARが使われているかはHigh-NA EUVレジスト比較で、装置で膜を作るドライレジストの採用と供給はドライレジストの供給網で、メーカーの動きはフォトレジストのメーカーと世界シェアで扱っている。

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