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EUVレジストはパターンで使い分け|imec実証でMORとCARの境は20 nm前後

High-NA EUVのレジストは、imecが2026年9月までに発表した実証を並べると、パターンとピッチごとに使われた材料が分かれる。最も細い配線では金属酸化物レジスト(MOR)がピッチ16 nmの解像とピッチ20 nmの電気的歩留まりを示し、ポジ型の化学増幅レジスト(CAR)はコンタクトとビアの本命候補で、配線でもピッチ22 nmまで形を作った。実証値を並べると、MORとCARの境はピッチ20 nm前後に見える。

レジストとは、光が当たった部分だけ現像で溶けるか残るかが変わる感光膜を指す。High-NAではこの膜を薄くしなければならず、それが難しさを生む。imecは、ピッチ16 nmの線を作るには膜を20 nmより薄くする必要があり、薄いCARでは線の縁と幅のばらつき(LER/LWR)が増える1と説明する。同じ記事でimecは、MORのほうが細い線と薄い膜でパターンを下の層へ写しやすいという初期の実験結果を示した。

High-NAでは、レジスト膜を20 nmより薄くする必要がある

Section titled “High-NAでは、レジスト膜を20 nmより薄くする必要がある”

High-NA EUVは、ピッチ16 nmの線と隙間を1回の露光で作ることを目標にする。線の幅は8 nmになる。imecによれば、線の高さと幅の比を倒れにくい2対1に保つには、レジスト膜を20 nmより薄くしなければならない1。

膜を薄くする理由はもう一つある。焦点が合う深さ(焦点深度)は開口数の2乗に反比例して浅くなり、imecのシミュレーションでは0.33 NAの装置より2〜3分の1に減る1。厚い膜では、膜の上と下で同時に焦点を合わせられない。

0.33 NA EUV High-NA EUV 焦点深度 厚いレジスト膜 下層膜と基板 焦点深度は2〜3分の1 20 nmより薄い膜 下層膜と基板 薄い膜で同時に満たす項目 露光量 LER/LWR 確率的な欠陥 焦点が合う範囲 レジスト膜 材料に求める項目
High-NAではレジスト膜が20 nmより薄くなり、焦点深度は0.33 NAの2〜3分の1に浅くなる。薄い膜で、露光量、LER/LWR、確率的な欠陥を同時に満たす材料が要る。

imecが0.33 NAの装置で試した範囲でも、CARの膜を薄くするとLER/LWRが増えた。光子の数のばらつきが欠陥を生む仕組みはEUVリソグラフィにまとめている。

最も細い配線の実証は、金属酸化物レジストで出ている

Section titled “最も細い配線の実証は、金属酸化物レジストで出ている”

imecは2024年の時点で、金属の線と隙間のパターンではMORが引き続き先頭にある2と述べた。同じ発表では、下層膜、現像、マスクの吸収体と極性を最適化して、ばらつきと確率的な不良を増やさずに露光量を20%以上減らしている。

その後のピッチ20 nm以下の成果も、MORで出ている。

  • ピッチ16 nmの線と隙間を1回の露光で解像し、ピッチ24 nmのピラーもMORで作った3(2024年)。imecは、量産に使える構造で歩留まりが出る限界はピッチ16 nmより広くなると見ている
  • ピッチ20 nmの金属配線で、ネガ型のMORを使い、電気的な歩留まり90%超を得た4(2025年2月)
  • ピッチ20 nmの線を途中で切る部分の間隔(tip-to-tip)を13 nmにし、局所的な寸法ばらつき(LCDU)3 nmを測った5(2025年9月)

歩留まり90%超の試験では、蛇行配線と櫛形配線の導通を測り、断線とブリッジという確率的な欠陥の少なさを確かめている。MORの供給元はHigh-NA EUVを支えるASML以外の製品で、材料が替わると測る項目がどう替わるかはフォトレジスト材料とパターン品質で比べている。

コンタクトとビアでは、ポジ型CARとダークフィールドマスクが本命候補だ

Section titled “コンタクトとビアでは、ポジ型CARとダークフィールドマスクが本命候補だ”

imecは2024年に、ポジ型CARとダークフィールドのマスクの組み合わせをHigh-NAのコンタクトとビアの本命候補とした2。MORとブライトフィールドのマスクで作ったコンタクトホールは、同じ膜構成でパターン転写した後のCARとダークフィールドより露光量で6%少なく、LCDUで30%良かったが、ブライトフィールドのマスクの品質と欠陥に課題が残った。詳しくはHigh-NAのコンタクトとマスクの極性で扱う。

imecが示したHigh-NAの初期の解像例でも、ピッチ24 nmのコンタクトホールはCARで作られている3。

CARは、配線でもピッチ22 nmまで形を作った

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imecは2026年9月、High-NAの1回露光で、CARを使ってピッチ22 nmの線と、中心間隔28 nmのビアを作った6と発表した。ピッチ22 nmで示したのは蛇行配線と櫛形配線のパターンの形の良さで、電気試験の結果はピッチ28 nmの配線で出ている。imecは、ピッチ28 nmをCARで可能と考えられていた限界を超えた結果と位置づける。

imecはこの結果を、A14/A10世代のロジックの重要層のうち、金属2層、ビア層、拡散層と第1金属をつなぐMD層でCARを使う根拠と位置づける。imecのロードマップでは、High-NAの導入はA14/A10世代と見込まれている。電気的な歩留まりで比べると、MORはピッチ20 nmで90%超を示し、CARはピッチ28 nmで初期の結果を出した段階にある。CARは数十年の量産実績を持ち、imecは製造での安定性を利点に挙げる6。

ドライレジストは0.33 NAの装置でimecの認定を得て、MTRは開発目標の段階にある

Section titled “ドライレジストは0.33 NAの装置でimecの認定を得て、MTRは開発目標の段階にある”
方式発表された到達点発表元段階
MOR(金属酸化物)High-NAでピッチ16 nmの解像、ピッチ20 nmで電気的歩留まり90%超imecimecで実証
CAR(化学増幅)High-NAでピッチ22 nmの線、中心間隔28 nmのビア、コンタクトとビアの本命候補imecHigh-NAはimecで実証
ドライレジスト0.33 NAの装置でピッチ28 nmの配線の直接露光をimecが認定、High-NAへ拡張可能Lam Researchメモリー大手1社が最先端DRAMの量産装置に選定7(Lam発表)
MTR解像度、LER/LWR、感度などの改善を開発目標に掲げる。0.33 NAとHigh-NAの両方を想定東京応化工業・Irresistible Materials共同開発と商業化の準備

ドライレジストは、真空中で気体の原料からウェーハに膜を付け、現像も乾式で行う8。Lam Researchは2025年1月、ドライレジストがimecでピッチ28 nmの配線の直接露光用に認定された9と発表した。imecではこの工程を0.33 NAの装置と組み合わせており、LamはHigh-NAにも広げられると説明する。原料の使用量は従来の液体の工程の5〜10分の1になると、Lamは主張する。装置と材料をLamが一体で供給するこの方式と既存のレジストメーカーの関係は、ドライレジストの供給網で掘り下げる。

MTR(マルチトリガーレジスト)は、英Irresistible Materialsが開発する低分子のレジストだ。東京応化工業は2026年2月に同社へ出資し、MTRをCARとMORを補う方式と位置づけ、0.33 NAとHigh-NAの両方に向けて共同開発と商業化を進める10と発表した。両社はPFASも金属も使わない配合を開発の中心目標に置いている。PFAS規制がレジストの選び方にどう関わるかは、EUVレジストとPFAS規制で扱う。

MOR imec発表 ピッチ16 nmの線を解像(2024年) ピッチ20 nmの配線で歩留まり90%超(2025年2月) ピッチ20 nm、tip-to-tip 13 nm(2025年9月) CAR imec発表 コンタクトとビアの本命候補(2024年2月) ピッチ22 nmの線、28 nm間隔のビア(2026年9月) ドライレジスト Lam発表 0.33 NAの装置でピッチ28 nmの配線を imecが認定(2025年1月) MTR 東京応化工業・IM CARとMORを補う方式として 共同開発(2026年2月) 発表された実証や認定 開発目標の段階
imecの実証では、ピッチ20 nm以下の配線はMOR、コンタクトとビアと22 nmの配線はCARで結果が出ている。ドライレジストの認定は0.33 NAの装置での結果で、MTRは開発の段階にある。

レジストの比較値は、マスクの吸収体と極性、ステッチングの条件でも動く。マスク側の条件はHigh-NA EUVのマスク・ペリクル・stitchingで比べている。

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