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High-NA EUVの供給元はブロックごとに別|塗布現像はTELがほぼ100%と自社ブログ

High-NA EUVとは、投影光学系の開口数(NA)を0.55に上げたEUV露光機を指す。その量産に要る製品は、ASMLの露光機だけではない。塗布現像装置、レジスト、マスク基板、ペリクル、マスク検査が、それぞれ別の会社から来る。このうちEUV用の塗布現像装置について、東京エレクトロン(TEL)は自社のブログで、High-NAを含むEUV用でほぼ100%のシェアを持つ1と説明している。この数字の根拠と第三者の集計は、High-NA向けトラックのシェアで検証した。

一方、レジストは方式ごとに供給元が分かれる。液を塗る従来型、JSR傘下のInpriaが開発した金属酸化物レジスト、Lam Researchが装置で膜を付けるドライレジストの3つだ。公開資料を並べると、High-NAの採用が増えたときに売上がどこへ流れるかは、ブロックごとに違ってくる。

供給元は、リソグラフィの4ブロックごとに分かれる

Section titled “供給元は、リソグラフィの4ブロックごとに分かれる”

imecが示したHigh-NAの電気的な歩留まり90%超は、レジストからマスク、エッチングまでを合わせ込んだ結果で、その中身はHigh-NA EUVで減ったのは1層の露光回数と工程数で扱った。以下では、リソグラフィを露光とリソグラフィの入門と同じ4ブロック(膜の準備、露光と像形成、現像、計測と補正)に分け、公開資料で確認できた供給元を並べる。

リソグラフィの4ブロックと、公開資料で確認できたHigh-NA EUVの供給元の例。膜の準備は東京エレクトロンの塗布装置と、東京応化工業・JSR傘下のInpria・Lam Researchのレジスト。露光はASMLの露光機とZEISSの光学系、AGCのマスク基板、三井化学のペリクル。現像は東京エレクトロンの現像装置とLam Researchのドライ現像。計測はレーザーテックのマスク検査とASMLの光学式計測。
公開資料で確認できた、4ブロックごとの供給元の例。各ブロックには、この図に載せていない供給元もある。

塗布と現像の装置は、TELが自社でEUV用のほぼ全量と説明する

Section titled “塗布と現像の装置は、TELが自社でEUV用のほぼ全量と説明する”

TELは同じブログで、塗布現像装置全体で世界シェア90%、High-NAを含むEUV用でほぼ100%1を持つと説明する。TELの説明どおりなら、High-NA機の前後につながる塗布現像装置は、ほぼTEL製になる。塗布の欠陥を減らす新機種の機能はTEL LITHIUS Pro DICEの解説に、塗布と計測が線幅に効く仕組みは露光とリソグラフィの入門にまとめている。

レジストは、液状・金属酸化物・ドライの3方式が競う

Section titled “レジストは、液状・金属酸化物・ドライの3方式が競う”

公開資料で確認できた範囲では、レジストは方式ごとに供給元が分かれる。EUV用レジスト全体では、東京応化工業が、富士キメラ総研の調査を基にした2025年の出荷数量ベースで、EUV用の世界シェア29.3%、首位2と統合レポートで示した。各社のシェアはフォトレジストのメーカーと世界シェアで扱っている。

金属酸化物レジストは、JSRが2021年に買収した米Inpriaの技術だ。JSRは2024年8月の発表で、金属酸化物レジストの商業化を世界規模で進め、韓国の大手顧客が採用を検討している3と説明し、最終工程を担う韓国の新工場を2026年に稼働させる予定とした。imecがピッチ20 nmで歩留まり90%超を示したときのレジストも、金属酸化物のネガ型だった。

ドライレジストは、装置の工程として売られる。Lam Researchのドライレジストは、真空中の気相成長でウェーハに膜を付ける。成膜と現像には、High-NA露光の前後でLamの一連の装置を使う4。imecは2025年1月、Lamのドライレジストを2 nm以下のロジック配線のピッチ28 nmの直接露光用に認定した5。この工程はimecでは0.33 NA機と組み合わせ、High-NA機にも広げられるという。3方式をパターンごとにどう使い分けるかは、High-NA EUVレジスト比較で比べている。

マスクの側では、AGCが基板を、三井化学がペリクルを、レーザーテックが検査装置を手がける

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EUVマスクの基板(ブランクス)について、AGCは、2024年にEUVマスクブランクスの売上400億円を達成し、2025年の目標に1年早く届いた6と報告した。

ペリクルは、マスクを異物から守る薄い膜だ。三井化学はASMLのライセンスを受けてEUVペリクルの事業を営み、同社の説明では2021年に岩国大竹工場でEUVペリクルの商業生産を始めた7。2024年5月には、High-NAと600 W以上の高出力の露光に向けて、カーボンナノチューブ(CNT)を膜に使い、EUVの透過率92%以上と1 kWを超える出力への耐光性を両立させたペリクル7の量産設備を同工場に建てると発表した。計画した能力は年5,000枚、完工は2025年12月の予定だった。ペリクルが処理能力と欠陥に与える影響は、High-NA EUVのマスク・ペリクル・stitchingで扱っている。

マスクの欠陥検査では、露光と同じ13.5 nmの光を使う検査装置をレーザーテックが作る。同社は2019年に世界初のEUV光によるパターン付きマスク検査装置ACTIS A1508を出し、2025年10月には工場での受け入れ検査と定期検査向けの高速機ACTIS A200HiTを出した。この装置の検出方式はLasertec ACTIS A200HiTの解説にある。

露光機の中でも、光学系はZEISSが作る

Section titled “露光機の中でも、光学系はZEISSが作る”

露光機そのものも、ASML1社の部品ではできていない。High-NAの投影光学系はASMLの戦略的パートナーであるZEISSが作る。ZEISSによれば、High-NAの投影光学系は4万点を超える部品からなり、重さは約12トンで9、照明系は6トンを超える。光学系の体積と重さは、現行のEUV用の約7倍になる。ASMLは、EXE:5200Bの投影光学系をZEISSと共同で開発し、収差を減らして結像と重ね合わせの性能を高めた10と説明する。

公開資料から見ると、供給元の集中度はブロックごとに違う

Section titled “公開資料から見ると、供給元の集中度はブロックごとに違う”

ここまでの公開資料を並べると、集中度はブロックごとに違う。塗布現像装置はTELの説明どおりならEUV用のほぼ全量がTEL製で、High-NA機の台数が増えれば、その分だけTELの装置が要る。マスク検査では、EUV光を使う方式をレーザーテックが最初に製品化した。レジストは3方式が並び、どの層にどの方式が採用されるかで売上の行き先が変わる。

High-NAの採用の進み方を表す数字は、ASMLの出荷台数のほかに、TELの塗布現像装置の売上、JSRとLamのレジストの量産採用、三井化学のCNTペリクルの量産開始だ。量産で何が詰まるかはHigh-NA EUVの量産ボトルネックで扱っている。

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