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露光フィールド半減で大型ダイは2枚継ぎ|継いだ線はimec実験で基準と同等

High-NA EUVで大きなチップを作ると、0.33 NA機にはなかった露光の継ぎ目がダイの中に入る。High-NA機が1回に露光できる範囲はウェーハ上で最大26×16.5 mmで1、0.33 NA機の半分しかない。これを超えるダイは、2枚のマスクで半分ずつ露光し、その像をつなぐ。stitchingは、このつなぎ方と継ぎ目を指す。imecが0.33 NA機で継いだ実験では、継いだ線は基準の線と同等の結像性能を示した。ただし継ぎ目では、CDのばらつきの増え方が重ね合わせのばらつきと、局所のばらつきの傾向が露光量への感度と相関した。継ぎ目がダイのどこを通るかは、ダイの寸法とブロックの配置で決まる。

継ぎ目を避ける道もある。IntelとASMLは2026年9月、顧客は6インチマスクの中に収まるようにレイアウトするか、Intel Foundryのstitchingを使うことでHigh-NAを使える2と発表した。一方、継ぎ目そのものをなくす12インチマスクは、TSMCとASMLが2031年までに試作ラインを立ち上げる3目標を掲げた段階にある。それまでの大型ダイは、6インチマスクの中に収めるか、継ぐかになる。

露光野が半分になるのは、マスクの大きさを変えずに片方向の縮小率を8倍にしたから

Section titled “露光野が半分になるのは、マスクの大きさを変えずに片方向の縮小率を8倍にしたから”

High-NA EUVは、開口数(NA)を0.33から0.55へ上げた露光方式だ。ASMLは、NAを上げるために鏡を大きくするとマスクへ入る光の角度が大きくなり、マスクが光を反射しなくなる4と説明する。これを避けるため、EXE機は縮小率を一方向に4倍、もう一方向に8倍とするアナモルフィック光学系を採った。

8倍の方向では、同じ6インチマスクから写せる範囲が半分になる。ASMLによれば、EXE機の露光野はNXE機の半分で、ウェーハ1枚を露光するショット数は2倍になる4。imecも、方向で縮小率が違うレンズと、変わらないマスクブランクの大きさの組み合わせが、露光野を半分にする5と書く。ショット数が増えた分の処理能力はHigh-NA機の処理枚数の比較で計算している。

半分という数字は、大型ダイの設計にそのまま効く。High-NAの露光野26×16.5 mmは429 mm²だ。ASMLの「半分」から逆算すると、0.33 NA機の露光野は26×33 mm(858 mm²)になる。NVIDIAは、Blackwell世代の全製品が露光野の上限まで大きくした2つのダイを毎秒10 TBの接続でつないでいる6と説明する。この大きさのダイをHigh-NAで作るなら、1つのダイの中に継ぎ目が入る。

継いだ線は基準と同等に写り、残る差は重ね合わせと露光量に相関する

Section titled “継いだ線は基準と同等に写り、残る差は重ね合わせと露光量に相関する”

ダイの中で継ぐ方法を、imecはパターンの一部を1枚目のマスクで、続きを2枚目のマスクで露光する7と説明する。2024年には、解像限界の寸法で像をつなぐat-resolution stitchingによって、露光野が小さくなることに伴う設計変更を減らせる8と発表した。

図1半分の露光野と継ぎ目
0.33 NA機(NXE) 1回の露光野 大きなダイ ダイが1回に収まる 露光野が半分 High-NA機(EXE) 左の露光 右の露光 ダイが継ぎ目をまたぐ 継ぎ目(stitching) 継ぎ目のCDには、左右の露光の 重ね合わせと露光量のずれが出る
露光野が半分になると、0.33 NA機では1回に収まっていた大きなダイが、High-NA機では左右2回の露光の継ぎ目をまたぐ。imecの0.33 NA機での実験では、継ぎ目のCDのばらつきが重ね合わせと露光量への感度と相関した。

継ぎ目で何が起きるかは、0.33 NA機での実験から分かってきた。imecの研究者は、ピッチ28 nmの縦の線とスペースをNXE:3400で継ぎ、頑健につなげる条件を実験で確かめた1。吸収体には、従来のTa系と、反射率の高いlow-n吸収体の両方を試した。low-n吸収体では、反射率の高さを解像しない細かい格子で抑えている。さらに、吸収体からマスク周縁の黒い枠(black border)へ移る部分が像に与える影響も数値で示した。

2025年の評価では、継いだ線のCDを1枚のマスクで写した線と比べた。imecは、継いだ線が基準の線と同等の結像性能を示した9と報告している。ただし継ぎ目の位置には固有の傾向が残った。ウェーハ全体のCDばらつき(GCDU)が増える分は重ね合わせのばらつきと相関し、局所のCDばらつき(LCDU)の傾向は露光量への感度で説明できた。

継ぎ目の補正は、マスクを作る前のOPC(光近接効果補正)に入る。imecと共同研究者は、2回の露光の空間像の重なり、継ぎ目をはさむパターン間の近接効果、吸収体からの反射をOPCのモデルに入れ、High-NA機のウェーハデータでモデルの精度を評価した10。そのモデルを使った計算では、どこでレイアウトを2枚のマスクへ切り分けるかを工夫した「smart cut」で、継ぎ目でのエッジ位置の誤差が抑えられた。性能は1回露光のOPCと同等で、露光量の余裕だけがわずかに小さくなった。

大型ダイの道は3つあり、当面は収めるか継ぐかになる

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IntelとASMLの2026年9月の発表から、大型ダイの選択肢は3つに整理できる。1つ目は、ダイやブロックを半分の露光野に収まるようにレイアウトすること。2つ目は、継ぎ目を前提にすることで、Intel Foundryはstitchingの技術とPDKを顧客に提供する2。同社は、High-NAを18Aの一部の層で、Core Ultra Series 3の一部製品の量産に使っている。処理したウェーハは、装置の認定試験と研究開発を含めて累計100万枚を超えたとしている。

3つ目は、マスクを大きくして継ぎ目をなくすことだ。TSMCとASMLは同じ月、12インチマスクへの移行で装置の生産性を上げ、stitchingの制約をなくす3取り組みを始めた。TSMCは2030年からHigh-NAを先端ノードの量産に使い、12インチマスクの試作ラインを2031年まで、12インチ対応の露光装置の量産投入を2033年までに目指す。Intelも6x12インチマスクへの移行を3年以上推進してきた2。Intelは、ASML、マスクメーカー、搬送装置、EDA、材料、半導体メーカーの各社と協力し、そのための規格、インフラ、技術を進めてきたとしている。それまでの大型ダイは、1つ目か2つ目の道をとる。

High-NA全体の量産課題はHigh-NAの量産ボトルネックにまとめた。

マスク側には、継ぎ目のほかに極性と異物の条件が残る

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High-NAでは、マスクへ斜めに入る光の影響も強まる。imecは、斜めに入って多層膜で反射した光が厚いマスクの立体形状に敏感になり、位相がゆがんで像が崩れる7と説明する。これがマスク3D効果で、imecはTaBNに代わる吸収体として、RuTaやPtMoのようなlow-n材料と、PtTeやNiのような吸収の強い材料を調べている。

マスクの極性も、層ごとに決める条件になる。imecは2024年、コンタクトホールで金属酸化物レジストとブライトフィールドのマスクを組み合わせると、CARとダークフィールドのマスクより露光量が6%減り、LCDUが30%改善した8と発表した。それでもコンタクトとビアの本命はダークフィールドに置いた。その理由と2026年までの比較はHigh-NAのコンタクトとマスクの極性で追う。

図2マスク断面とペリクルの位置
EUVの入射光 反射光(ウェーハへ) ペリクル(マスク表面から数mm上) ペリクル上の異物 焦点外で転写されにくい 吸収体 マスク表面の異物 ウェーハに印刷される 多層膜(反射型マスクの鏡) ペリクルはEUVを吸収するので、処理能力が下がり、 光源の出力が上がるほど膜の温度が上がる
ペリクルはマスク表面から数mm離れているので、膜の上の異物は焦点外になり、ウェーハへ転写されにくい。同じ異物がマスク表面に付けば、ウェーハに印刷される。

異物への備えがペリクルだ。ペリクルはマスク表面から数mm上に張る薄膜で、imecは膜に落ちた異物は焦点から遠く、印刷されない7と説明する。一方、ASMLの技術者は、マスク面は像を結ぶ面にあるので、そこを遮るものはそのままウェーハに写る11と書く。ペリクルの役割は、異物をこの面から離すことにある。保管中にマスクに付くカーボンは、これとは別の仕組みでウェーハ上のCDを変える7。ペリクルとマスク検査の分担はEUVペリクルとマスクの汚れで扱う。ペリクルが光を吸う分の損失はEUVの鏡と光の損失で計算している。

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