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High-NAのスループット差は半分より小さい|露光量50 mJにそろえた換算

ASMLの製品ページでは、0.33 NAのNXE:3800Eは30 mJ/cm²で毎時220枚以上、0.55 NAのEXE:5000は50 mJ/cm²で毎時110枚以上を処理する。2つの数字は前提の露光量が違い、そのまま並べても半分という比にはならない。処理時間を露光量に比例する分とよらない分に分けてNXE:3800Eを50 mJ/cm²に換算すると、毎時132〜220枚の間に入る。この計算では、EXE:5000の110枚はその5割から8割強で、差は半分より小さい。後継のEXE:5200Bは50 mJ/cm²で毎時175枚以上1を掲げ、同じ計算で約8割から13割強になる。

スループットとは、露光機が1時間に処理できるウェーハの枚数を指す。露光量の違いがここに効くのは、露光している時間が露光量に比例するからだ。ASMLは、露光量を減らせば1層の露光にかかる時間が縮み、工場の処理枚数が増える2と書く。一方で、EUVでは露光量を下げると光子の数のばらつきが大きくなるので、露光量はスループットだけでは決められない。製品ページの30と50は、処理枚数を示すときの前提の条件だ。

ASMLの公表値は、露光量30と50の組で示されている

Section titled “ASMLの公表値は、露光量30と50の組で示されている”

ASMLは製品ページで、スループットを露光量と組にして載せている。3機種の数字は次のとおりだ。

装置開口数解像度前提の露光量毎時の処理枚数
NXE:3800E30.3313 nm30 mJ/cm²220枚以上
EXE:500020.558 nm50 mJ/cm²110枚以上
EXE:5200B10.558 nm50 mJ/cm²175枚以上

同じ50 mJ/cm²どうしなら、EXE:5000からEXE:5200Bで処理枚数は約1.6倍になった。ASMLはこの向上を、ウェーハ面での光の出力を上げた光源でウェーハを速く露光できるようになった1ためと説明している。光源の出力がウェーハ面でどれだけ減るかは、反射率70%なら、EUVの光はマスクと鏡の7回の反射で9割以上を失うで計算している。

ASMLは製品ページとは別に、2024年1月の記事でEXE:5000は毎時185枚超を印刷でき、2025年に220枚へ上げる計画がある4と書いている。同じ装置について製品ページが示す110枚は、50 mJ/cm²という露光量の条件をつけた値だ。

50 mJに換算すると、NXE:3800Eは毎時132〜220枚の間に入る

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ウェーハ1枚の処理時間は、露光量に比例する露光の時間と、露光量によらない時間に分けられる。後者は、ウェーハの交換、位置合わせ、ショットの間の移動だ。この分け方で、NXE:3800Eを30 mJ/cm²から50 mJ/cm²に直すと、次の範囲になる。

  • 処理時間がすべて露光量に比例するなら、220 × 30 / 50 = 毎時132枚
  • 露光量によらない時間だけなら、毎時220枚のまま

この分け方では、実際の値はこの間にある。この範囲を基準にすると、50 mJ/cm²のEXE:5000の110枚は0.33 NA機の50〜83%、EXE:5200Bの175枚は約80〜133%(下限は175/220で79.5%)と計算できる(図1)。ASMLの数字はいずれも「以上」で示した最小値なので、これらの比も最小値どうしの比だ。このモデルでEXE:5000が半分ちょうどになるのは、ウェーハの交換や移動に時間がまったくかからない場合だけだ。そのため、この計算からは、同じ露光量での差は半分より小さいと判断できる。

毎時の処理枚数を横軸にとった図。NXE:3800Eは30 mJ/cm²で220枚以上。同じNXE:3800Eを50 mJ/cm²に換算した計算範囲は132枚から220枚の帯。50 mJ/cm²でのEXE:5000は110枚以上、EXE:5200Bは175枚以上。
NXE:3800Eを50 mJ/cm²に換算した計算では毎時132〜220枚の範囲に入る。同じ露光量で比べると、EXE:5000の110枚以上はその半分より上、EXE:5200Bの175枚以上は約8割より上に来る。

露光野が半分なので、ショットの数は2倍になる

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High-NA機には、露光量とは別に処理枚数を下げる要因がある。ASMLによると、EXEの露光野はNXEの半分で、ウェーハ1枚を露光するのに2倍のショットが要る4。縦横で倍率の違うアナモルフィックな鏡を使うためだ。ショットが増えれば、露光量によらない移動の時間も増える。

ASMLはこれをステージの速さで埋めている。同じ記事によると、EXEのウェーハステージは8 Gで加速し、NXEの2倍になる。レチクルステージは32 Gで、NXEの4倍だ。EXE:5000の製品ページも2、半分の露光野に合わせて新しく速いウェーハステージとレチクルステージを入れたと説明している。High-NA機ではショットが2倍になる分、露光量によらない移動の時間を速いステージで縮める必要がある。前の節の換算は、NXE:3800Eの数字だけを使っている。

半分の露光野は、処理枚数だけでなく設計にも条件を加える。大きなチップは2回のショットをつなぐスティッチングが必要になる。その条件はHigh-NA EUVのマスク・ペリクル・スティッチングで扱っている。

1層を何回で露光するかまで数えると、High-NA機が速くなる層がある

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装置の処理枚数は、ウェーハを1回露光する速さだ。0.33 NA機で多重露光が要る層をHigh-NA機が1回で描くなら、層あたりの速さで比べる必要がある。ASMLはEXE:5000の利点として、多重パターニングの代わりに1回の露光で済ませ、量産の工程を単純にできる2ことを挙げる。

Intelはその例を示した。TrendForceが伝えたReutersの報道によれば、Intelは2025年2月、High-NA機が露光3回と約40工程を、露光1回と1桁の工程数に減らした5と述べた。同じ報道では、2台のHigh-NA機が1四半期に3万枚のウェーハを処理した。ここからは、機種と露光量に仮定を置いた計算だ。仮に3回の露光をすべてNXE:3800Eの30 mJ/cm²・毎時220枚で行うと、1層あたりは毎時約73枚になる。同じ層をEXE:5200Bが50 mJ/cm²・毎時175枚の1回で描くとすれば、層あたりの処理枚数は約2.4倍だ。

High-NAの量産で処理枚数以外に効く条件は、High-NA EUVの量産ボトルネックにまとめている。

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