High-NAのコンタクト、imecはCARを本命にMORとブライトフィールドは露光量6%減
High-NA EUVでコンタクトホールを作る実験では、性能の数字はレジストとマスクを両方替えた組み合わせが上回った。imecは2024年、金属酸化物レジスト(MOR)とブライトフィールドのマスクの組み合わせで作ったコンタクトホールが、ポジ型の化学増幅レジスト(CAR)とダークフィールドのマスクの組み合わせに比べ、同じ膜構成でのパターン転写後に露光量で6%少なく、局所CD均一性(LCDU)で30%良かった1と発表した。しかし同じ発表で、imecはコンタクトとビアの本命にポジ型CARとダークフィールドを残した。ブライトフィールドのマスクには、マスクの品質と欠陥という課題が残るからだ。
この判断は、EUVのマスクがこれまでたどってきた道と重なる。ASMLの技術者は2020年、EUVでダークフィールドのマスクが好まれてきた理由に、ポジ型レジストが主流だったことと、多層膜の欠陥の影響を比較的受けにくいこと2を挙げた。同じ論文は、0.33 NAのNXE:3400での理論と実験から、ブライトフィールドには像のコントラストを上げる余地がある一方で、焦点深度が浅いことも示している。
マスクの極性は、レジストの極性から決まる
Section titled “マスクの極性は、レジストの極性から決まる”マスクの極性とは、マスクの面の大半が光を反射するか吸収するかの違いを指す。EUVのマスクは、光を反射する多層膜の上に、光を吸う吸収体を載せて作る。面の大半を吸収体が覆うのがダークフィールド、大半で多層膜が見えるのがブライトフィールドだ。
コンタクトホールで、どちらの極性を使うかはレジストで決まる。ポジ型のCARは光が当たった所が溶けるので、穴の位置だけ光を返すダークフィールドと組む。MORは、ASMLの論文もネガ型の工程として挙げる2レジストで、光が当たらない所が溶ける。穴の位置を暗くする必要があるので、穴の位置にだけ吸収体を載せたブライトフィールドと組む。
ブライトフィールドとMORの組み合わせは、露光量とLCDUで勝った
Section titled “ブライトフィールドとMORの組み合わせは、露光量とLCDUで勝った”imecの2024年の結果は、同じ膜構成でパターンを転写した後に比べたものだ。imecはこの結果を「予想外」と表現している。MORは線とスペースでも先行しており、imecは下地膜、現像、吸収体、マスクのバイアスと極性を選ぶことで、線とスペースの露光量を、荒れや確率的な欠陥を増やさずに20%以上下げた1。レジストの材料ごとの比較はHigh-NA EUVレジスト比較にまとめている。
露光量が少ないほど、1枚の露光にかかる時間は短くなる。露光量と処理枚数の関係はHigh-NA機の処理枚数の比較で計算している。LCDUは、近くに並ぶ穴どうしの大きさのばらつきを表す。比べた2つの組み合わせはレジストとマスクの極性が両方違うので、6%と30%は組み合わせとしての差になる。
マスクの品質と欠陥が残るため、imecはCARとダークフィールドを本命に置いた
Section titled “マスクの品質と欠陥が残るため、imecはCARとダークフィールドを本命に置いた”imecは、ブライトフィールドのマスクについてマスクの品質と欠陥性が残る懸念で、MORをコンタクトの選択肢にするには慎重な調査が要る1と書いた。それまでは、ポジ型CARとダークフィールドが本命になるという。
ASMLが挙げたダークフィールドの利点を裏返すと、面の大半で多層膜が見えるブライトフィールドは、多層膜の欠陥の影響を受けやすいと考えられる。多層膜の欠陥は、マスクの検査でも見つけにくい。KLAとimecは2017年、多層膜の反射率の変化や位相欠陥は、印刷に影響しても、電子線や193 nmのマスク検査では見えないことがある3と書いた。露光と同じ13.5 nmの光で見る検査はLasertecのACTIS A200HiTで扱っている。
大型ダイとマスクの関係はHigh-NAで大型ダイが継ぎ目をまたぐ問題で扱っている。
ASMLの0.33 NAの結果では、ブライトフィールドは像の傾きで勝り、焦点深度で劣る
Section titled “ASMLの0.33 NAの結果では、ブライトフィールドは像の傾きで勝り、焦点深度で劣る”ASMLの2020年の理論では、ブライトフィールドの光学像は孤立したパターンほど像の傾き(NILS)が大きくなるが、焦点深度は浅くなる2。ASMLはこれを、0.33 NAのNXE:3400でのウェーハ露光とZeissのAIMS EUVによる空間像の測定で確かめた。High-NAでは、焦点深度がもともと狭い。imecは、0.55 NAの焦点深度が0.33 NAより2〜3倍小さくなる4と見込み、これがレジスト膜を薄くする理由の1つだと書く。そのため、ブライトフィールドの焦点深度がHigh-NAでどうなるかは、High-NA機での比較で確かめる項目になる。
比較は2026年も続いている。IBMは2026年のSPIEで、ピッチ36、32、28 nmのコンタクトホールをHigh-NAで作り、従来のTaBNとlow-nの位相シフト吸収体を使ったマスクで、ダークフィールドとブライトフィールドの両方を評価した5。レジストはCARを、MORを基準として比べている。焦点深度に対するレジストの厚さの影響と、エッチングのバイアスで穴が埋まる欠陥と隣とつながる欠陥をどう釣り合わせるかも調べた。
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- 4imec:High-NA時代の焦点深度と薄いレジスト(2024年7月)imec-int.com ↩
- 5IBM:High-NAでのコンタクトホールの限界、マスク極性と吸収体の比較(2026年)research.ibm.com ↩