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コータデベロッパ、EUV塗布欠陥50%以上減|TEL試算、LITHIUS Pro DICEで

EUVのパターン形成で生まれる欠陥は、露光機の中だけで生まれるわけではない。露光の前にレジストを塗る段では薬液に混じった粒子・ゲル・泡が、露光の後の現像では穴の中に残るレジストの残渣が、それぞれ欠陥になる。東京エレクトロン(TEL)は2025年12月に発表した塗布・現像装置LITHIUS Pro DICEで、レジスト塗布の不具合に由来するウェーハ欠陥と関連コストを、従来機より50%以上減らせる1と推定している。この推定は、欠陥の性能と薬液の消費量を従来機と比べたものだ。

塗布と現像を受け持つのが、コータ・デベロッパ(トラック)だ。露光の前にウェーハへフォトレジストを塗り、露光の後に現像・洗浄・乾燥までを行う装置で、露光機と連結して使う。LITHIUS Pro DICEは300 mmウェーハ用で、TELはHigh-NA EUVからDUVまでの工程に使える機種2と位置づけ、インラインの処理能力を前機種LITHIUS Pro Zの毎時300枚から440枚に上げた。

トラックは露光の前と後にあり、欠陥は塗布と現像の段で入る

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リソグラフィは、レジストを塗り、露光でパターンを写し、現像で不要な部分を除く工程だ。TELは、この塗布・露光・現像が一連の装置でインラインに行われることが多く、高い信頼性と精密な制御が要る3と説明する。トラックは露光機の前と後の2か所に入るので、現像後検査で見つかる欠陥には、塗布と現像で生まれたものも混ざる。この混ざり方と検査の分け方はHigh-NA EUVの量産ボトルネックで扱っている。

図1欠陥はトラックのどの段で入るか
塗布(トラック) 露光 現像(トラック) 粒子 泡(空洞) ゲル ウェーハ上のレジスト膜 穴の中の残渣 穴の欠落 コンタクトホールの断面 赤い印は欠陥(塗布はPall、現像はTELの論文の説明による)
塗布では薬液に混じった粒子・泡・ゲルが、現像ではコンタクトホールの中に残るレジストが欠陥になる。

塗布では、薬液に混じった粒子・ゲル・泡が欠陥になる

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レジストは、装置の配管とフィルターを通ってウェーハの上へ吐出される。フィルターを販売するPallは、自社のリソグラフィ用フィルターが薬液から粒子、ゲルによる橋渡し欠陥、微小な泡による空洞欠陥、金属汚染4を除くと説明する。同社の説明では、吐出の直前に置くフィルターが微小な泡とゲルを除き、塗膜の欠陥を減らす。

TELがLITHIUS Pro DICEの欠陥対策として挙げるのは、装置の中に置いた多数のセンサーによる異常の検知だ3。異常を見つけると自動で警告を出すか装置を止め、異常のない時間帯もデータを集め続ける。

High-NAでは20 nm未満の薄い膜が要り、薄いほど線の縁が粗くなる

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塗った膜の厚みも、パターンの出来を左右する。imecは、High-NA EUVで幅8 nmの線を作るには、高さと幅の比を2:1に保つために20 nmより薄いレジスト膜が要り、厚い膜では比が上がって線が倒れやすくなる5と述べる。同じ記事によれば、0.33NAのEUV露光機で化学増幅型レジストを試した結果、膜を薄くすると線の縁の粗さ(LER/LWR)が増える傾向5が出た。厚い側と薄い側の両方に不具合があるので、この記事では、膜厚をウェーハ全面で狙いの値にそろえることが塗布の段の課題になると見る。

図2膜厚とパターンの出来
膜厚が薄い 膜厚が目標どおり 膜厚が厚い 目標の膜厚(破線) レジスト ウェーハ 線の縁の粗さが 幅8 nmの線で 高さと幅の比が上がり 増える 比2:1を保つ 線が倒れやすい
imecの説明では、High-NAで膜を厚くすると線が倒れやすく、薄くすると線の縁の粗さが増える。赤い括弧は目標の膜厚との差を示す。

現像では、穴の中に残るレジストが穴の欠落を生む

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TELの研究者らは2023年の論文で、EUVのコンタクトホールでは従来の簡単な現像では穴の中が抜けきらず、狙いの寸法の近くで穴が欠落する欠陥がよく起きる6と書いた。同じ論文は、0.33NAのEUV露光機でピッチ36 nmのホールを金属酸化物レジストに作り、自社の現像法ESPERTで穴の中の残渣を除いた。基準のレジストでは、露光量の余裕が16.0%から49.1%に、不良の出ない寸法の幅が2 nmから6 nmに広がった。

この論文の条件、つまり1種類の基準の金属酸化物レジストとピッチ36 nmのホールでは、現像法を替えると露光量の余裕が約3倍、不良の出ない寸法の幅が3倍になった。金属酸化物レジストの環境条件は金属酸化物レジストの湿度とベークの記事に、レジストの評価指標はフォトレジスト材料とパターン品質にまとめている。

DICEの50%は、塗布起因の欠陥と薬液の消費を従来機と比べたTELの試算

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TELの発表では、50%以上という数字は従来機と欠陥の性能と薬液の消費量を比べたTELの推定だ1。同じ発表で、生産性と環境性能は従来機より25%以上高いとしており、こちらは処理能力、設置面積、排気量の比較にもとづく。TELは、処理能力を上げると1つの不具合の影響も大きくなるので、前述のセンサーによる監視を備えた3と説明する。製品の品質と歩留まりに直接効く薬液の供給系も大きく改良し、環境負荷を下げて環境性能を25%高めたという。立ち上げ時の手作業も自動化し、エンジニアの作業効率を上げた。

TELはこの機種でロジック、DRAM、NANDの生産を対象にする。High-NA向けのトラックでTELがどれだけ優位にあり、SCREENなどの競合がどこまで来ているかは、High-NA共同ラボのトラックとSCREEN・芯源微を比べた記事で調べた。装置のセンサーやデータを扱う仕事が求人にどう書かれているかは、トラック装置のエンジニアの仕事にまとめた。

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