TSMC N2の粗利押し下げはN3と同じ幅18A歩留まりの業界水準は2027年とIntel
TSMCは、N2の立ち上げで2026年下期(半期)の粗利率が3〜4ポイント下がると見込む。N2は、チャネルの全周をゲートで囲むGAA(gate-all-around)という構造を同社で初めて使う世代だ。FinFETの最終世代N3では、2023年10〜12月期(四半期)に同じ3〜4ポイント、2024年通年にも3〜4ポイントを見込んでいた。決算説明会の見込みの数値を比べると、GAAへ移ったN2の押し下げ幅は、N3と同じ範囲にある。押し下げ幅は工程の原価だけでなく、新しいノードの売上比率や価格でも動く。
Intelは、GAAのRibbonFETと裏面電源のPowerViaを同時に入れたIntel 18Aについて、歩留まりの見通しという別の指標を示している。CFOは2025年10月、歩留まりは供給には足りるが利益を出す水準にはまだ届かないと述べ、利益を出せる水準へはおそらく2026年末、業界で通用する水準へは2027年に届くと見る。GAAの構造の利点と工程の負担はGAAでFinFETより良くなる点と重くなる点にまとめている。
TSMCのN2の押し下げ見込みは、N3と同じ2〜4ポイントの範囲にある
Section titled “TSMCのN2の押し下げ見込みは、N3と同じ2〜4ポイントの範囲にある”TSMCは決算説明会で、新しいノードの立ち上げが粗利率を何ポイント押し下げるかを示す。TrendForce掲載の書き起こしによれば、N3では2023年7月の説明会でCFOのWendell Huangが7〜9月期に2〜3ポイント、10〜12月期に3〜4ポイント1の押し下げを見込んだ。MarketBeat掲載の書き起こしによれば、2024年1月には2024年通年で3〜4ポイント2と述べた。
N2では、MarketBeat掲載の書き起こしによれば、2026年4月の説明会でHuangが2026年下期から押し下げが始まり、通年で2〜3ポイント3と見込んだ。7月には、急速な立ち上げで2026年下期に3〜4ポイント4下がるとした。同じ説明会で、N2は4〜6月期のウェーハ売上の3%を占めた。
両ノードとも、TSMCは量産の初期から「良好な歩留まり」と説明している。CEOのC.C. Weiは2023年7月にN3は良好な歩留まりで量産中1と述べ、2026年4月にはN2は2025年10〜12月期に良好な歩留まりで大量生産に入った3と述べた。
IntelのCFOは、18Aの歩留まりが業界水準に届くのを2027年と見る
Section titled “IntelのCFOは、18Aの歩留まりが業界水準に届くのを2027年と見る”IntelのIntel 18Aは、GAAのRibbonFETと、電源配線をウェーハの裏へ移すPowerViaを同じ世代で導入した。2つの違いは裏面電源の3方式で扱っている。
MarketBeat掲載の書き起こしによれば、CFOのDavid Zinsnerは2025年10月の決算説明会で、18Aの歩留まりは供給を満たすには足りるが、適切な利益を出す水準にはない5と述べた。利益を出せる水準にはおそらく2026年末までに届き、業界で通用する歩留まりには2027年に届くと思う、という見通しだ。立ち上げの費用は、多くの新しい工程を短期間に詰め込んだため数十億ドル規模になっていると説明した。費用の要因として挙げたのは、GAAを含めて18Aに入れた新しい工程の多さである。
2026年1月の説明会では、CEOのLip-Bu Tanが歩留まりは月に7〜8%ずつ改善しているが、まだ業界トップの水準には届いていない6と述べた。Zinsnerは同じ説明会で、18Aで作るPanther Lakeの原価は全社平均より高く、構成比が上がるほど粗利率を押し下げると説明した。Intel Foundryの2025年10〜12月期の営業損失は25億ドルで、前期より1億8,800万ドル悪化した。Zinsnerはその要因を18Aの初期の立ち上げに帰した。
Samsungの2 nmの歩留まりは、朝鮮日報の推定で55〜60%
Section titled “Samsungの2 nmの歩留まりは、朝鮮日報の推定で55〜60%”SamsungはGAAを2022年6月の3 nm世代で量産に入れた7。後継の2 nm世代について、TrendForceは2025年11月、朝鮮日報の報道として歩留まりが55〜60%と推定される8と伝えた。
TSMCとIntelは、GAA世代の立ち上げの負担を粗利率と歩留まりの見通しで示す
Section titled “TSMCとIntelは、GAA世代の立ち上げの負担を粗利率と歩留まりの見通しで示す”TSMCは粗利率の押し下げ幅、Intelは歩留まりが利益水準に届く時期という、別々の指標で立ち上げ期の負担を説明している。TSMCの数値はN3と同じ範囲にあり、IntelはGAAと裏面電源を含む多くの新しい工程を同時に入れた18Aで、2026〜2027年に歩留まりが整うと見込む。装置側の増分はGAA移行で増える装置需要、歩留まりの考え方は歩留まりと欠陥管理、各社のGAA世代の位置づけはGAAのロードマップと次の構造候補にある。
8件を表示
- 1TSMC:N3の粗利率押し下げと歩留まり(2023年7月決算説明会、TrendForce書き起こし)trendforce.com ab
- 2TSMC:N3による2024年の粗利率押し下げ(2024年1月決算説明会、MarketBeat書き起こし)marketbeat.com ↩
- 3TSMC:N2の量産開始と2026年の粗利率押し下げ(2026年4月決算説明会、MarketBeat書き起こし)marketbeat.com ab
- 4TSMC:N2による2026年下期の粗利率押し下げ(2026年7月決算説明会、MarketBeat書き起こし)marketbeat.com ↩
- 5Intel:18Aの歩留まりと立ち上げ費用(2025年10月決算説明会、MarketBeat書き起こし)marketbeat.com ↩
- 6Intel:18Aの歩留まり改善とFoundryの損失(2026年1月決算説明会、MarketBeat書き起こし)marketbeat.com ↩
- 7Samsung:GAAを使う3 nmプロセスの量産開始(2022年6月)semiconductor.samsung.com ↩
- 8TrendForce:朝鮮日報が伝えるSamsung 2 nmの歩留まり推定(2025年11月)trendforce.com ↩