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High-NAのコスト優位は3回露光の層から|IBMのデータをSemiAnalysisが分析

High-NA EUVとは、投影光学系の開口数を0.33から0.55へ上げたEUV露光で、多重露光が要る細かい層を1回で描ける。調査会社SemiAnalysisによると、IBMがSPIE 2025で示したデータでは、High-NAの1回の露光は0.33NAの1回の約2.5倍のコストがかかる1。SemiAnalysisは、この数字はHigh-NAの1回あたりの利点が0.33NAの3枚のマスクを1回にまとめるまで効かないことを強く示唆すると書く。この数字から計算すると、High-NAの採算は、何回分の露光を1回にまとめられるかで変わる。

この「3枚」は、Intelの工程に基づく。SemiAnalysisは、IntelがSPIE 2025で示した3回露光の配線工程を例にとり、3回露光はIntelに固有の工程だ1と注記している。High-NAが量産で直面する課題の全体は、High-NA EUVの残る課題は焦点深度・確率的欠陥・継ぎ目にまとめている。

IBMのデータでは、High-NAの1回の露光は0.33NAの約2.5倍のコストがかかる

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High-NA機は装置が高い。SemiAnalysisは、EXE:5000の価格を4億ドル近くで、0.33NA機の2倍近い1と見積もる。処理枚数は、ASMLの製品ページで0.33NAのNXE:3800Eが毎時220枚以上(30 mJ/cm²)2、EXE:5000が毎時110枚以上(50 mJ/cm²)だ3。露光量をそろえた比較はHigh-NA機の毎時110枚は50 mJでの値で計算している。

1回あたりの露光のコストについては、IBMのデータでHigh-NAが0.33NAの約2.5倍1になるとSemiAnalysisは伝える。この2.5倍だけで露光のコストを数えると、0.33NAで2回露光する層は2、3回露光する層は3になる。High-NAの1回の2.5は、その間に入る(図1)。

露光だけのコストを0.33NAの1回を1として数えた棒グラフ。0.33NAは1回で1、2回で2、3回で3、4回で4。High-NAの1回は2.5で、2回と3回の間に入る。
IBMのデータの約2.5倍をもとに露光のコストだけを計算すると、High-NAの1回は0.33NAの2回より高く、3回より安い。0.33NAの2〜4回の棒は1回の倍数として計算した。

多重露光では、露光のほかにエッチングや成膜の工程も増える。IBMは、自己整合型の多重露光(SALELE)の工程数がHigh-NAの1回露光のおよそ2倍1になると示し、4枚のマスクを使うSALELEのコストはHigh-NAの1回の1.7〜2.1倍になるとした。

露光量を下げられれば、High-NAのコストはさらに下がる。imecは、ピッチ29 nmの穴とピラーで、0.55NAの像のコントラストが高いぶん狙いの寸法に要る露光量を約60%減らせた4と報告している。

imecが挙げる、0.33NAで3枚以上のマスクが要る層

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マスクの枚数については、imecが実験に基づいて具体的な層を挙げている。A14・A10世代のロジックで最も厳しい配線層M0とM2は、ピッチ20 nm以下の線、線の先端どうしの間隔15 nm以下、中心間30 nm以下のビアを求める。これを0.33NAでは3〜4枚のマスクで描き、0.55NAなら1回の露光で描ける4。DRAMでも、32 nm世代(D1d)と28 nm世代(D0a)でビット線周辺と蓄積ノードの着地パッドの層に、0.33NAでは少なくとも3枚、0.55NAでは1枚のマスクを使う。この枚数はimecの観測値で、上のコストの数字はIBMの別のデータだ。

SemiAnalysisによると、IntelはSPIE 2025で、0.33NAの3回露光と40を超える工程をHigh-NAの1回露光に置き換えた金属配線1の結果を示した。層あたりの処理枚数で比べた計算はHigh-NA機の毎時110枚は50 mJでの値にある。

1回にまとめると、別の工程が要ることもある。SemiAnalysisによると、IBMは、High-NAの1回露光では金属配線の先端どうしの間隔を目標どおりに作りにくく、Applied MaterialsのSculptaのような方向性エッチングで補う1必要があるとした。imecは、光源・マスク・レジストと方向性エッチングを合わせて最適化し、13 nmの先端間隔で寸法のばらつき(LCDU)を目標の3 nm未満にできた4。0.33NAのSALELEは、専用のカット用マスクで先端間隔を決める。

imecの試算では、LELEのビア工程をHigh-NAの1回にすると排出が約30%減る

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imecは2024年2月、0.33NAのLELEのビア工程1つをHigh-NAの1回露光に置き換えると排出が約30%減る5と試算した。High-NA機はステージと光源のドライブレーザーで電力を多く使うが、工程が減る効果がそれを上回るとimecはみる。この試算は両方とも毎時220枚を前提にしており6、ASMLが示すEXE:5000の仕様値は50 mJ/cm²で毎時110枚以上だ。

imecは同じ発表で、EUV露光機の処理枚数が20%落ちると、先端ロジックのウェーハ1枚の電力由来の排出(スコープ2)が6%以上増えるとも試算した。

排出の約30%はLELEのビア工程1つを置き換えた値で、前の節のコストの比較は別の出典と別の条件に基づく。

TSMCはA14までHigh-NAを使わなくても済むと述べ、Intelは14Aで使う計画を示した

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各社の判断は分かれている。eeNews Europeによると、TSMCは2025年4月の北米技術シンポジウムで、2028年に量産するA14世代を発表した。事業開発担当のKevin Zhang上級副社長は、2 nmからA14まで、High-NAを使わずに工程数を同程度に保てる7と述べたと報じられている。同誌は、裏面電源を入れるA14Pや高性能版のA14XがHigh-NAの候補になりうるとみる。

Intelは2024年4月、0.33NAと0.55NAを併用し、Intel 18Aで製品の実証を始め、Intel 14Aの量産へ続ける8と発表した。一方でSemiAnalysisによると、Intelは14Aは0.33NAだけでも可能1だとも述べている。

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