エピタキシャル装置は前洗浄と組で販売ASMは先端エピのシェアを25%に
Applied MaterialsとASMは、S/Dエピの装置を、成長前の表面を整える前洗浄と組み合わせて売っている。前洗浄とは、エピの直前にSi表面の自然酸化膜や炭素を除く工程を指す。Applied Materialsは2025年10月、GAAのS/D向けに前洗浄と削りの工程を一体にした反応室を持つCentura Xtera Epi1を出し、先端のロジックとメモリーのメーカーが採用しつつあるとした。ASMはエピ装置Intrepid ESに前洗浄モジュールPreviumを組み込む構成2を用意している。一方、市場の見通しでは、ASMはSiエピ市場が2024年の15億ドルから2030年に25億〜32億ドルへ、年9〜13%で伸びる3と見込む。
前洗浄が要る理由として、ASMは表面の状態がエピの欠陥を決めることを挙げる。同社は、自然酸化膜と炭素の汚れが格子の並びと原子の結合を妨げ、エピ層に結晶欠陥を生む4と説明する。組み込み方には製品ごとの違いがある。Xtera Epiは前洗浄と削りを反応室の構造に持たせ、Intrepid ESとDRAM向けのCentura Prime Epiは、前洗浄の室をエピの反応室と同じプラットフォームに載せる。不良の側から見た表面と溝の形の切り分けはGAAのS/Dエピで抵抗が高いときの切り分けで、工程そのものの役目はソース/ドレインのエピは歪みと電流の通り道を同時に作るで扱った。
ASMの見通しでは、Siエピの市場は装置市場全体より速く伸びる
Section titled “ASMの見通しでは、Siエピの市場は装置市場全体より速く伸びる”ASMは2025年9月の投資家説明会で、同社の定義によるSiエピ市場が2024年の15億ドルから2030年に25億〜32億ドルになる3と示した。年率は9〜13%で、同じ資料が示す前工程装置(WFE)市場の年率6%(2024年の1,100億ドルから2030年の1,550億ドル)を上回る。伸びの要因として、ASMは次の世代のGAAでの新しいエピの用途と、DRAMのセルの6F²から4F²への移行と周辺回路のCMOSでのエピの層の増加を挙げる。
この見通しから計算すると、WFE市場に占めるSiエピの割合は2024年の約1.4%から、2030年には約1.6〜2.1%に上がる。2030年の市場は2024年より10億〜17億ドル大きい。
ASMは先端エピのシェアを4年で倍にし、GAAのチャネル層をすべて取った
Section titled “ASMは先端エピのシェアを4年で倍にし、GAAのチャネル層をすべて取った”同じ説明会で、ASMは先端エピでの自社シェアが2020年の12%から2024年の25%に上がり、GAAのチャネル層をすべて取った3と述べた。チャネル層は、imecの説明でいうチャネルを決めるSiとSiGeのエピの積層5に当たる。この数字から計算すると、ASMの定義による母数のうち、2024年に残る75%がASM以外のシェアになる。
ASMは、3 nmのFinFETから2 nmのGAAへの移行で、ALDとエピを合わせた自社の狙える市場が月産10万枚あたり4億ドル増え、この移行でエピのシェアを上げたとする。2 nmから1.4 nmのGAAへの移行では、ALDとエピを合わせてさらに4億5,000万〜5億ドル増えると見込む。増える層にはALDの層のほか、チャネルのエピ、S/Dとコンタクトのエピ、裏面の低温エピ3が入る。2020〜2024年度の平均で、エピはASMの装置売上の13%を占めた。
Applied Materialsは、前洗浄と削りを反応室に組み込んでGAAのS/Dに出す
Section titled “Applied Materialsは、前洗浄と削りを反応室に組み込んでGAAのS/Dに出す”Applied Materialsは、GAAの深いS/Dの溝を従来のエピで埋めるとvoidや不均一な成長が出るとし1、その対策にCentura Xtera Epiを位置づけた。同社によれば、この装置は前洗浄と削りを一体にした小容積の反応室を持ち、ガスの使用量は従来のエピより50%少ない。成膜と削りを繰り返して溝の開口を調整し、voidなしで埋めたうえで、セル間の均一さを40%以上良くする。
DRAMに向けては、Applied MaterialsはCentura Prime Epiに、エピの反応室4つと前洗浄の反応室2つを1台に載せる構成6を加えた。同社は、HBMの需要がDRAMの周辺回路のトランジスタの性能を押し上げ、歪みの作り込みや、埋め込みのSiGeとSiPのようなエピの材料への要求を高めていると説明する。この構成は、床面積、所有コスト、電力を抑えつつ処理量を上げる設計だという。元のCentura Prime Epiは、先端ロジックとIoT・車載・電源などの用途に向けて売られ続けている。
ASMは、エピ装置に組み合わせる前洗浄を3種類そろえる
Section titled “ASMは、エピ装置に組み合わせる前洗浄を3種類そろえる”ASMの前洗浄モジュールPreviumには3つの種類がある4。量産で実績のあるV3は自然酸化膜の99.9%を除き、NEXTは自然酸化膜と炭素を同時に除いてSiを削ることもできる。VPはプラズマを使わない気相の方式で、高アスペクト比の穴の自然酸化膜を、壊れやすい誘電体膜を残して除く。ASMはVPを先端ロジックとDRAMのエピに欠かせないものとし、酸化膜の除去に業界で一般的に使う温室効果ガスが要らないとしている。
組み合わせる先のIntrepid ESは、ASMの最先端のエピ装置で、1つの搬送プラットフォームに反応室を最大4つ載せられる2。用途には、トランジスタのチャネル層、先端CMOSのS/Dを作る歪みSiの層、3D NANDとDRAMのエピが並ぶ。
前洗浄を真空の中でエピにつなぐと、大気中で待つ時間を省ける
Section titled “前洗浄を真空の中でエピにつなぐと、大気中で待つ時間を省ける”洗浄した表面は、大気中で待つ間に再び汚れる。韓国の世宗大学とWonik IPSが300 mmの装置で行った実験の論文は、表面に残ったフッ素が大気中で待つ間に再酸化を促すとし7、ドライ洗浄は真空の装置内でその場で行えるので、待ち時間の制約に対して有利だとしている。同論文は導入部で先行研究を引き、界面の酸素がエピのSi膜に積層欠陥を生むとも整理している。
GAA移行でエピを含むトランジスタ工程全体の装置市場がどれだけ増えるかは、GAA移行でトランジスタ工程の装置市場は約60億ドルから約70億ドルへで扱った。金属とSiの界面でも、前洗浄と成膜を真空でつなぐ装置が出ている。その動きはコンタクト抵抗と真空一貫処理で扱った。
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- 1Applied Materials:GAAのS/D向けCentura Xtera Epi(2025年10月)ir.appliedmaterials.com ab
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- 4ASM:前洗浄モジュールPreviumの3種類(製品ページ)asm.com ab
- 5imec:ナノシートのチャネルを決めるSi/SiGeの積層(ナノシート解説)imec-int.com ↩
- 6Applied Materials:Centura Prime EpiのDRAM向け構成(製品ページ)appliedmaterials.com ↩
- 7Materials:低温RPCVDでのSi系エピの前洗浄と待ち時間、世宗大学とWonik IPS(2021年7月)pmc.ncbi.nlm.nih.gov ↩