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マイクロプロセッサ(MPU)とは

マイクロプロセッサ(MPU)とは、大型計算機の中央演算処理装置と機能的に等価な単一のLSIチップです。 部屋の設備だった計算の中枢が1枚のチップになり、搭載先と用途が一気に広がりました。周波数を上げ続ける道が熱の壁に当たったあと、速くする道はコアを増やすマルチコアになり、その隣に用途を絞って特化するDSPのような道があります。

部屋の設備だった中央演算処理装置が、1枚のチップに収まった

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マイクロプロセッサは、さまざまな演算と制御を実行する1チップです。この定義は、MPUの機能を指すと同時に、歴史上の出来事を指しています。大型計算機の中央演算処理装置は、かつて複数の基板と部品の集合でした。占める体積も、消費する電力も、価格も、部屋の設備に見合う規模です。それが1枚のLSIチップに収まった置き換えを、マイクロプロセッサという語は言っています。

同じ働きが小さく安く作れるようになると、搭載できる先が増えます。机の上、手のひらの中、家電の内部、自動車の各所へ広がり、計算の中枢が特別な設備であることをやめた時点から、半導体の用途は広がり続けました。

MPUは入出力と演算を持ち、記憶は外のチップに頼る

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見える信号と見えない信号
MPU演算周辺回路ピンに出ない信号ROMRAMメモリバスプローブ
チップに取り込んだ周辺回路の信号の多くはパッケージの中に隠れ、ピンに出ません。それらの信号を追跡できるのは、外付けのROMやRAMとやりとりされるときだけです。

マイクロプロセッサは、計算機の4つの基本要素のうち2つを受け持ちます。大きな計算システムでは、入出力と演算をMPUにまとめ、ROMとRAMは別のデバイスとして用意します1。MPUの典型的な用途はパーソナルコンピュータです。4要素をすべて1チップに入れて単体で動かすのがMCUです。

チップへ取り込む機能が増えると、別の問題が出ます。テキサス・インスツルメンツは、多くの周辺回路がマイクロプロセッサに統合された結果、それらの信号がピンに出なくなった2と指摘しています。信号を追跡できる機会は、外付けのメモリとやりとりされる瞬間に限られます。同社はこの状態を「vanishing visibility」と呼び、システムバスや観測点がデバイスの中に隠れた組み込みシステムは、従来の道具ではデバッグできないとしています。

周波数を上げるより、コアを増やすほうが電力が少なく済む

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マルチコアMPUは、コアと呼ぶ演算ユニットを2つ以上持ち、消費電力を抑えながら高速な演算を可能にするマイクロプロセッサです1。ふつう速くすれば電力は増えるので、速度と省電力が同時に挙がっている点がこの用語の要です。両立するのは、比べる相手が「周波数を上げた1コア」だからです。

周波数と電力
消費電力動作周波数冷却の限界1コアで周波数を上げる
周波数を上げると、消費電力は周波数の増加より急な勾配で増え、発熱が冷却の限界に先に届きます。

動作周波数を上げると、消費電力は周波数の増加より急な勾配で増えます。同時に発熱も増え、冷却の限界が先に来ます。周波数を上げ続ける道は、この壁に当たりました。熱のために周波数を下げる手は新しい構成でも使われ、imecのモデルでは、GPUの上にHBMを積んだ構成の温度を抑えるためにGPUの周波数を半分にしています。

そこで数へ切り替えます。低い周波数のコアを複数並べれば、合計の演算能力を保ったまま、1コアあたりの電力を抑えられます。同じ仕事を、無理な速さで1人にやらせるかわりに、ほどほどの速さで複数人に分ける形です。そのかわり、仕事を分割できることが前提になり、コアを増やして速くなるのは分割できる部分までです。

仕事の分け方
1コア2コア時間分割できない部分分割できる部分
コアを増やして短くなるのは、分割できる部分だけです。分割できない部分の長さは、コアをいくつ並べても変わりません。

DSPは、乗算だけを専用に速くして電力と時間を減らす

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汎用のまま速くする道の隣に、用途を絞って速くする道があります。DSPは、画像や音声信号のデジタル化に使う量子化などのために、高速で大量の乗算を実行できるマイクロプロセッサです3。典型的には高速なデータバスと乗算器を持ちます。

画像や音声の信号の計算は、乗算と加算の繰り返しで構成されます。汎用のプロセッサでも同じ計算を実行しますが、そこだけを専用に速くすれば、同じ量の演算を、より小さい電力と短い時間で終えられます。

この考え方は、ASICが汎用品から余りを削る発想と同じ方向にあります。一方で、いまは多くの先進的なマイクロプロセッサが同じような働きを持つようになり、DSPの従来の定義は当てはまりにくくなっています。何を専用にし、何を汎用のまま残すかの線引きが、チップの性格を決めます。

マイクロプロセッサとは何ですか?

大型計算機の中央演算処理装置と機能的に等価な単一のLSIチップで、さまざまな演算と制御を担います。

なぜ1チップに収まったことが重要なのですか?

それまで部屋を占めていた計算の中枢が、1枚のチップになったためです。同じ働きが小さく安く作れるようになり、机の上や家電の内部まで搭載先が広がって、使い道も一気に増えました。

マルチコアとは何ですか?

コアと呼ぶ演算ユニットを2つ以上持ち、消費電力を抑えながら高速な演算を可能にするマイクロプロセッサです。

なぜコアを増やすと消費電力を抑えられるのですか?

動作周波数を上げるより有利だからです。周波数を上げると消費電力は急に増えるので、同じ演算量なら低い周波数のコアを複数並べたほうが電力が少なく済みます。ただし速くなるのは、仕事を分割できる部分までです。

DSPとは何ですか?

画像や音声信号のデジタル化に使う量子化などのために、高速で大量の乗算を実行できるマイクロプロセッサです。高速なデータバスと乗算器を持つのが典型です。

なぜ乗算に特化するのですか?

画像や音声の信号の計算が乗算と加算の繰り返しで構成されるためです。乗算だけを専用に速くすれば、汎用のプロセッサより小さい電力と短い時間で同じ量の演算を終えられます。

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