システムLSI(SoC)とは
システムLSI(SoC)とは、複数の個別ICの機能とIP(知的財産)コアを1つのチップへ統合し1、それだけで1つのシステムとして働くようにしたLSIです。 機器に要るプロセッサ、メモリ、通信、信号演算といった機能は、かつて別々のICでした。基板の上に何個も並べ、配線で結んで1つのシステムにしていた構成を、システムLSIは1枚のダイへ畳み込みます。
1チップにまとめると、チップの外を通る長い経路が消える
Section titled “1チップにまとめると、チップの外を通る長い経路が消える”チップの外へ信号を送るには、パッケージの端子を通り、基板の配線を渡ります。この経路は長く、駆動するのに電力が要ります。同じダイの中で完結すれば、どちらも不要になります。
段階的な統合の例がMCUで、データ入出力、データ演算、プログラム記憶(ROM)、データ記憶(RAM)という4つの基本計算要素を1チップへ統合します2。システムLSIは、この考え方をさらに広い範囲へ適用したものです。
開発は「作る」から「選んで組む」へ移る
Section titled “開発は「作る」から「選んで組む」へ移る”1つのチップに載る機能が増えるほど、すべてを一から設計する時間はなくなります。そこで、プロセッサ、メモリ制御、標準的な通信のように、自社で作り直しても差がつきにくい汎用性の高いブロックは、設計済みのIPコアとして調達します。自社で設計するのは独自性が要る部分だけで、開発の形は「全部作る」から「既製品を選んで組み、差がつく所だけ作る」へ移行します。
1チップ化で、面積と製造世代の負担が1か所に集まる
Section titled “1チップ化で、面積と製造世代の負担が1か所に集まる”載せる機能が増えればダイは大きくなり、面積が大きいほど欠陥を抱える確率が上がります。1か所の欠陥がチップ全体を落とすため、大きなSoCほど歩留まりの管理に必要な工程が増えます。
同じダイの上にある以上、プロセッサも入出力も同じ製造世代で作られます。最先端の世代が必要なのはプロセッサだけであっても、全体がその世代の費用を負います。
この2つの負担を避ける方向が、チップを分けたまま近くに配置する道です。MCMや先進パッケージングは、そちらの系譜にあたります。
この用語に対応する装置と製造メーカー
Section titled “この用語に対応する装置と製造メーカー”装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 2社/2family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-23
- アドバンテスト
- テラダイン
出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。
関連するデータ・ツール
Section titled “関連するデータ・ツール”- システムアーキテクチャの工程ページ── 工程分類と、この工程の公開求人
- 設計の工程ページ── 設計側の工程
- 装置カタログDB ── 公式製品ページ単位のメーカーと製品family
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”システムLSIとは何ですか?
複数の個別ICの機能とIP(知的財産)コアを1つのチップへ統合し、完全なシステムとして機能させるLSIです。
IPコアとは何ですか?
設計済みの回路ブロックです。プロセッサ、メモリ制御、通信、信号演算といった機能があらかじめ設計されており、それを組み合わせてチップを構成します。
なぜIPコアを使うのですか?
すべてを一から設計する時間が限られているためです。汎用性の高い部分は既製のIPコアを調達し、自社の独自性が要る部分だけを設計するので、開発の形が「作る」から「選んで組む」へ移行します。
MCUとはどう違いますか?
統合の度合いです。MCUはデータ入出力、データ演算、プログラム記憶(ROM)、データ記憶(RAM)という4つの基本計算要素を1チップに統合し、システムLSIはさらに広い範囲を1チップへ載せます。
1チップにまとめる利点は何ですか?
ブロック間の距離が縮むことです。チップの外へ信号を出せば、配線の長さも消費電力も増えます。同じダイの中で完結すれば、これらが不要になります。
面積や歩留まりに上限はありますか?
面積と歩留まりです。載せる機能が増えるほどダイは大きくなり、1か所の欠陥がチップ全体を落とす確率も上がります。すべてを同じ製造世代で作る必要もあります。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- MCM(マルチチップモジュール)とは── チップを分けたまま近くに配置する側
2件を表示
- 1東京エレクトロン:用語集 System LSItel.com ↩
- 2