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エージング考慮設計とは

エージング考慮設計とは、使っているうちに性能が落ちる分を、出荷時の余裕として先に見込んでおく設計です。 出荷時に規格を満たしたうえで、末期の特性でも規格を確かめます。

劣化は年単位で進むため、設計の段階では加速試験の換算で見積もります。余裕を厚くすれば末期まで規格に収まり、そのぶん出荷時の性能を抑えることになります。

向き合うのは、バスタブカーブの最後の摩耗故障

Section titled “向き合うのは、バスタブカーブの最後の摩耗故障”
故障率の推移
初期・偶発・摩耗の 3 つの期間出荷直後中期末期低中高使用の時間故障率初期故障偶発故障摩耗故障この形をバスタブカーブと呼びます
半導体デバイスの故障率はバスタブカーブを描き、初期故障・偶発故障・摩耗故障の3つの期間をたどります。

半導体デバイスの故障率の推移はバスタブカーブを描き、初期故障・偶発故障・摩耗故障の3つの期間をたどります1。初期故障は作りの欠陥によるもので、スクリーニングで取り除く対象です。偶発故障は、故障率が低い水準で続く期間です。

摩耗故障は、経年で材料や界面が変わって起きる故障で、NBTIがその代表例です。エージング考慮設計が向き合うのは、この最後の期間です。

出荷時の余裕は、想定年数と温度から逆算する

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余裕の取り方
出荷時の余裕を、末期まで残します余裕を省いた設計劣化すると規格を割ります余裕を見込んだ設計劣化した後も規格の中です余裕の量は、想定する年数と温度から逆算します125℃ の 1,000 時間が 40℃ の約 64 年出荷時の性能劣化のための余裕規格の下限
Ea を 0.80 eV と仮定すると、125℃ の 1,000 時間は実使用 40℃ の 560,000 時間、約 64 年に相当します。

劣化のぶんを出荷時の余裕として積んでおけば、末期でも規格の中に収まります。余裕の量は、想定する年数と温度から逆算します。

活性化エネルギー Ea を 0.80 eV と仮定した例では、125℃ の試験は実使用 40℃ に対して約 560 倍の加速性を持ち、1,000 時間が 560,000 時間、約 64 年に相当します1。試験条件下の故障率 5.1×10⁻⁶ (1/h) を加速係数で除せば、約 9 FITが得られます。この想定年数と故障率が、余裕の根拠です。

温度を上げすぎると、実使用と別の故障が起きる

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温度加速性は Ea で表され、値は故障メカニズムごとに異なります1。Ea が大きければ温度加速性は大きく、小さければ小さくなり、Ea は複数の温度条件を振って初めて求まります。

加速試験の温度を上げれば結果は早く出ますが、限界を超えるような過度の温度では実使用と別の故障を誘発することがあり、注意を要します。加速には上限があります。

新構造で確かめる項目が増え、設計ツールは工数を削りにかかる

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3nm までの FinFET から 2nm 以降の GAA、裏面電源構造など新構造の登場で、確かめる項目が増えました2。Siemens は、EDA ツールへ AI を組み込むことで VLSI 設計工数を約半減できるとしています。

劣化した後の特性で確かめ直せば、確かめる回数はそのぶん増えます。工数を減らす道具が、この設計を現実的にします。

余裕の厚さ、想定年数、試験温度はどれも何かと引き換え

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余裕を厚く積めば末期まで規格の中に収まる一方、出荷時の性能を抑えることになり、競争力を削ります。想定年数を短く取れば余裕は薄くて済むものの、長く使う用途では別の設計が要ります。加速試験の温度を上げれば早く結果が出ますが、実使用と別の故障を誘発する温度域に入ります。

エージング考慮設計とは何ですか?

使っているうちに性能が落ちる分を、出荷時の余裕として先に見込んでおく設計です。

なぜ必要なのですか?

出荷時にぎりぎりで通っていると、劣化が進んだ時点で規格を割るからです。

故障率はどう推移しますか?

バスタブカーブを描き、初期故障・偶発故障・摩耗故障の3つの期間をたどります。

何年を想定しますか?

用途によります。125℃ の 1,000 時間試験が、実使用 40℃ の 560,000 時間、約 64 年に相当する例があります。

どう換算するのですか?

温度加速性を活性化エネルギー Ea で表します。Ea を 0.80 eV と仮定すると、125℃ の試験は 40℃ の実使用に対して約 560 倍の加速係数になります。

故障率の値はどう出しますか?

試験条件下の故障率 5.1×10⁻⁶ (1/h) を加速係数で除すと、約 9 FIT になります。

設計の側では何をしますか?

劣化した後の特性で確かめます。確かめる回数が増えるぶん、Siemens は AI を組み込んだ EDA ツールで VLSI 設計工数を約半減できるとしています。

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