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ガードバンドとは

ガードバンドとは、試験で合格とする幅を規格の幅より内側へ狭めたときの差です。 測定には誤差があり、製品は使ううちに変化します。規格をそのまま合否線にすると、出荷後に規格を割る品が出るため、線を内側へ引き直してこの帯で誤差と変化を吸収します。帯の幅を決める主な変数は、許容差に対して測定の不確かさがどれだけ大きいかです。帯を広く取るほど安全になる代わりに、規格を満たす良品も落ちます。

合否線を内側へ詰めると、規格を割る品と一緒に良品も落ちる

Section titled “合否線を内側へ詰めると、規格を割る品と一緒に良品も落ちる”
合否線と測定の不確かさ
規格の下限規格の上限試験の合否線試験の合否線合格不合格ガードバンドガードバンド測定値測定の不確かさ(95%)
帯の中で測った品は、規格内の測定値でも試験の合否線の外なので落とします。その不確かさの幅は規格の上限をまたいでおり、実際の値が規格内の良品も一緒に落ちます。

規格の幅は、製品が満たすべき条件です。試験で通す幅を規格と同じにすると、測定の誤差のぶんだけ取りこぼしと見逃しが出ます。合否の線を内側へ詰めれば、誤差の範囲で規格を割る品を落とせますが、本来は合格の品も一部落ちます。

校正の分野では、ガードバンドを規格の限界から判定の限界までのずらし幅と定義しています1。判定の限界には、規格内と判定する側と規格外と判定する側の2種類があります。測定器の確からしさが足りないとき、帯を引けば、使う側にとっての誤合格(PFA)の危険を減らせます。

ルネサスの最終検査は、電気的特性を全数について確かめます2。全数を見るファイナルテストでは、線の位置が結果を左右します。

帯を引くかどうかは、許容差と測定の不確かさの比で決まる

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TURと帯の要否
両側の規格TUR 4:1以上帯なし両側の規格TUR 4:1未満帯を引く片側の規格常に帯を引く許容差合格とする幅測定の不確かさガードバンド
NIの校正では、両側に規格がある測定点は許容差が不確かさの4倍に届かないときだけ両端を削り、片側だけの規格では比にかかわらず帯を引きます。

NIは、校正の合否判定でTURという比を使います。TURは、要求される許容差を95%信頼区間の測定の不確かさで割った値です1。NIは、上下両側に規格がある測定点ではTURが4:1を下回るときに帯を引き、片側だけの規格では常に帯を引くとしています1。

規格から差し引く量は、測定の不確かさから決めます。NIはこの調整でTURを4:1以上に戻し、使う側のリスクを約2%にするとしており1、帯を適用した測定点は校正証明書の状態欄に(1)と表示します。

帯の形は単位でも変わります。ボルトやアンペアのような線形の単位では、判定の限界は試験の限界をはさんで対称に置かれることが多く、dBのような対数の単位では非対称になることが多い1とされています。

帯の幅は、測定の誤差・工程のばらつき・経年の変化の3つで決まる

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1つ目は測定の誤差です。測定器の確からしさと繰り返しのばらつきが、そのまま帯の下限を作ります。

2つ目は工程のばらつきです。ルネサスは工程能力指数Cp・Cpkと工程性能指数Pp・Ppkを管理して、ばらつきの低減活動を進めています2。主要な工程には管理図を適用し、プロセスのばらつきが適正な範囲に収まることをモニタしています2。

3つ目は経年の変化です。ルネサスは、設定した品質に届かなかった品を検出して除去するためにスクリーニングを実施しています。

系統的な差を合わせこめば、帯はランダムな誤差だけに充てられる

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イオン注入の装置は、機種が異なるとビーム径やビーム密度、スキャン方式などが異なり、完全に合わせこむことが難しくなります3。そのため、イオン種ごと、エネルギー領域ごとにドーズ係数を変えることもあります。合わせこみで残った差は、最後に帯で吸収します。

米国国立標準局(NBS)の技術資料には、規格そのものを書き換えた例があります。1N21WGと1N23WGの規格は改訂され、メーカー間の系統誤差の差を持ち回り測定(ラウンドロビン)で合わせ、帯はランダムな誤差だけを補う4形になりました。どこまでを工程や装置の合わせこみで詰め、どこからを試験の帯で受けるかの分担が、帯の幅を決めます。

帯の幅は歩留まりと取り合い、狭めるにはばらつきを詰める

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帯を広く取れば安全ですが、合格する品が減って歩留まりが落ちます。狭く取れば歩留まりは上がるものの、規格を割る品が市場へ出る危険が増え、測定の誤差と経年の変化を受ける余裕も減ります。

帯は製品の格付けとも取り合います。同じNBSの資料は、帯を入れる余地を作るために雑音指数の限界値を緩めると、上位品の限界値が一般品と同じになってしまう4と指摘しています。帯は合格品の数だけでなく、品位の区分にも効きます。

帯の幅を左右するのはばらつきの実測で、CpとCpkが上がれば同じ安全度で帯を狭められます。その代わり、ばらつきを詰めるSPCの管理には手間と時間がかかります。

ガードバンドとは何ですか?

試験で合格とする幅を、規格の幅より内側へ狭めたときの差です。測定の誤差や製品の変化をこの帯で吸収し、規格を割る品を誤って合格にする危険を減らします。

なぜ内側へ引くのですか?

測定には誤差があり、製品は使ううちに変化するからです。規格ぎりぎりで通すと、測定値は規格内でも実際の値が規格の外にある品や、後から規格を割る品が出ます。

幅は何で決まりますか?

測定の誤差、工程のばらつき、経年の変化です。測定の誤差については、許容差を測定の不確かさで割った比(TUR)が4:1を下回ると帯を引く運用があり、ばらつきが小さいほど帯を狭く取れます。

ばらつきはどう数えますか?

工程能力指数Cp・Cpkと工程性能指数Pp・Ppkで数えます。ルネサスはこれらを管理し、主要な工程に管理図を適用しています。

最終検査はどこまでやりますか?

ルネサスの最終検査は、電気的特性を全数について確かめます。全数を見るので、合否線の位置がそのまま出荷品と不合格品の境目になります。

スクリーニングとは何ですか?

あらかじめ設定した品質に届かなかった品を検出し、除去するために実施する試験です。

装置の差も影響しますか?

します。機種が異なると装置どうしを完全に合わせこむのは難しく、残った差も帯で吸収します。NBSの資料には、メーカー間の系統誤差を持ち回り測定で合わせ、帯はランダムな誤差だけを補うよう規格を改めた例があります。

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