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バーンインスクリーニングとは

バーンインスクリーニングとは、出荷前に温度や電圧のストレスをかけ、潜在的な欠陥を持つ個体を故障させて取り除く工程です。 出荷後の初期故障率を下げます。ストレスは潜在的な不良を表に出すだけで、取り除くのはその後の試験です。

初期故障の約1年、m<1の区間を出荷前に済ませる

Section titled “初期故障の約1年、m<1の区間を出荷前に済ませる”
ワイブルの形状と出荷点
工場内出荷m<1m≒1m>1約1年故障率使用時間偶発故障摩耗故障初期故障
初期故障期はm<1で、一般に約1年とされる期間に故障率が下がります。スクリーニングはその最初の部分を工場で通過させますが、残った軽微な欠陥による減少は出荷後も続きます。

製造された直後の初期故障率は高く、その後は減っていきます。初期故障は選別工程で取り除けなかった潜在故障を含み、使用開始後の温度や電圧などのストレスにより短時間で顕在化します1。その期間は一般に約1年とされ、ワイブル分布の形状パラメータはm<1になります。半導体メーカはこの期間の故障率を下げるために、ストレステストやバーンインを工程へ導入しています。

欠陥を持った製品を除去すれば、故障に至る可能性の低い製品だけが残り、高品質の製品を市場へ出せます。ただし選別は完全ではありません。ルネサスは、初期故障をスクリーニングで除いても軽微な欠陥を持つものが残るため、厳密には偶発故障領域も減少型の初期故障領域の延長と考えられるとしています。

ルネサスはさらに、バーンインなどのスクリーニング条件(ウェーハレベルとパッケージレベル)と、そこで出た不良の個数から、市場での製品信頼性をワイブル分布で予測しています。スクリーニングで落ちた個数は、捨てた数であると同時に、市場の故障率を見積もるデータです。

ストレスで壊すか、ストレスなしで選び出すか

Section titled “ストレスで壊すか、ストレスなしで選び出すか”

ルネサスは、スクリーニングには、潜在的不良以外の良品を劣化・損傷させずに適切なストレスを意図的に加え、潜在不良を顕在化させてから試験で除く方法と、ストレスを加えずに欠陥を持つ製品を選別除去する方法があるとしています1。NASAも、スクリーニング試験は特定の欠陥を持つ部品には破壊的で、良品には非破壊になるように設計するとしています2。

代表的なスクリーニングは、非ストレス法、熱的ストレス法、機械的ストレス法、電気的ストレス法の4つに分類されます。非ストレス法には封止前後の外観検査とX線透視検査、熱的ストレス法には温度サイクル・熱衝撃・低温試験、機械的ストレス法には落下衝撃・定加速度・PINDが入ります。バーンインと高電圧印加は電気的ストレス法にあたり、バーンインでは微少異物・汚染・薄膜中の欠陥など、ダイ内部の欠陥の除去が期待できます。

CMOSのイオン汚染は、バーンインで回路の中へ追い込まれて表に出る

Section titled “CMOSのイオン汚染は、バーンインで回路の中へ追い込まれて表に出る”
イオン汚染の顕在化
バーンイン前回路領域シリコン++++バーンイン中回路領域シリコン++++ダイ表面のイオン汚染回路の中へ入り電気的故障温度電圧
CMOSはダイ表面のイオン汚染による電気的故障を起こしやすく、バーンインは汚染を回路領域へ追い込んで、基板へ実装する前に故障させます。

NASAは、CMOSのような集積回路がダイ表面のイオン汚染による電気的な性能不良を非常に起こしやすいとしています。バーンインはこの汚染をダイの中の回路動作を妨げる領域へ追い込み、部品を基板へ実装する前に電気的故障を起こさせるように設計されています。

NASAが挙げる故障例の1件はマイクロ回路の配線金属の欠陥で、もう1件はCMOSのダイ上の汚染です。落ちた個体の故障解析は、欠陥の中身まで教えます。マイクロ回路のスクリーニング試験で不合格率が85%になった例では、後の故障解析で、誤った部品が使われていたとわかりました。

効き目は、バーンインの後の試験で決まる

Section titled “効き目は、バーンインの後の試験で決まる”

FDAは、バーンインで欠陥のあるデバイスを落とす方法の効き目は、その後に行う試験の効き目を超えないとしています3。試験は網羅的に行い、メーカーの仕様にあるすべての電気的パラメータを測ります。

測定は、バーンイン温度のまま、定格動作温度の限界で、あるいは槽から出して室温で行えます。室温まで冷ましてから測る場合は、冷却中もバイアス電圧をかけておくべきだとFDAはしています。欠陥のある回路が、冷えるあいだに正常に動く状態へ戻るのを防ぐためです。測定は0時間と規定の終点で行い、必要なら途中でも測ります。一度不合格になり故障と確認された個体は、合格を目指して再試験しないこととしています。

ロットの合否は、許容不良率PDAで決める

Section titled “ロットの合否は、許容不良率PDAで決める”
ロットの判定
0時間で測定バーンイン終点で測定ロットの合否判定ロット100個PDA 5%許される不良
バーンインの前後で同じ項目を測り、不良の割合を許容不良率PDAと比べます。典型値5%を100個のロットに当てはめると、許される不良は5個までです。

NASAは、スクリーニング中の不良判定基準として、許容不良率PDA(Percent Defectives Allowable)と許容できるパラメータのずれを定めるべきだとし、PDAの典型値を5%としています2。100個のロットに当てはめると、許される不良は5個までです。個体ごとの合否に加えて、ロットとして不良がどれだけ出たかも判定の対象になります。

強さは、品質とコストの兼ね合いで決める

Section titled “強さは、品質とコストの兼ね合いで決める”

スクリーニング自体が品質とコストの兼ね合いになるため、条件は製品の用途と要求品質を考えて設定するのが望ましいとされます1。顧客の品質要求と用途を基に初期故障率の目標をppmやFITで設定し、その値を超える場合にスクリーニングを行います。

良品へ悪影響が及ぶのを避けるよう、充分な配慮も必要です。ストレスを強くすれば弱い個体を確実に落とせますが、良品の寿命も削り、歩留まりが下がります。弱くすれば良品は守れるものの、潜在的な欠陥が市場へ出ます。時間を延ばせば効果は上がり、設備の稼働と費用が増えます。

本質的な対策は、製造段階で欠陥率を下げること

Section titled “本質的な対策は、製造段階で欠陥率を下げること”

スクリーニングは、出来上がった製品に対する事後対策です。取り除いた分だけ、作った製品を捨てています。本質的な対策は、製造段階で欠陥率を下げることと、欠陥に影響しにくいレイアウト設計で、それが歩留まりの向上につながります。スクリーニングへの投資は、欠陥率そのものを下げる前工程の改善とは別枠です。

検査を通った製品が早期に壊れるのは、選別工程で取り除けなかった潜在的な欠陥が残るからです。材料と構造が異なるGaN HEMTのような素子では、標準の試験に加えて専用の認定工程が要ります4。スクリーニングの条件も、素子ごとに組み直しになります。

バーンインスクリーニングとは何ですか?

出荷前に温度や電圧のストレスをかけ、潜在的な欠陥を持つ個体を故障させて取り除く工程です。良品は劣化・損傷させず、欠陥を持つ個体だけを壊すように設計します。

なぜ必要ですか?

製造された直後の初期故障率は高く、その後は減っていくからです。弱い個体を先に落とすと、出荷後の故障率が下がります。

初期故障の期間はどのくらいですか?

一般に約1年とされ、この期間ではワイブル分布の形状パラメータがm<1になります。

どんな種類がありますか?

非ストレス法・熱的ストレス法・機械的ストレス法・電気的ストレス法の4つです。バーンインは電気的ストレス法にあたります。

何が取り除けますか?

微少異物・汚染・薄膜中の欠陥など、ダイ内部の欠陥の除去が期待できます。CMOSではダイ表面のイオン汚染を回路領域へ追い込み、実装前に故障させます。

強くかければよいのですか?

良品へ悪影響が及ぶのを避けるよう、充分な配慮が必要です。良品まで劣化させると、工程の効果が相殺されます。

本質的な対策は何ですか?

スクリーニングは事後対策です。製造段階で欠陥率を下げることと、欠陥に影響しにくいレイアウト設計が本質的な対策です。

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