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過剰検出とは

過剰検出とは、テスト条件が厳しすぎるために、本来良品のデバイスを不良品として弾いてしまうことです。 弾いた分は、歩留まりからそのまま消えます。厳しく測れば品質は上がる、と考えたくなりますが、良品の測定値にもばらつきがあるので、線を厳しくした分だけ良品が巻き込まれます。過剰検出は失敗であると同時に、不良を拾うために払う代価でもあります。選別の良し悪しは、同じ量の過剰検出で何割の不良を捕まえられるかで決まります。

線を厳しくするほど、良品の分布の裾が巻き込まれる

Section titled “線を厳しくするほど、良品の分布の裾が巻き込まれる”
二つの間違い
元の線厳しくした線良品の分布不良品の分布過剰検出見逃し良い悪い測った値
合否の線を良品側へ動かすと、線を越えた良品の裾が過剰検出になります。線の内側に残る不良品の裾は見逃しです。

過剰検出は、デバイス・テストにおいてテスト条件の過度の厳しさにより、本来良品のデバイスを不良品とすることです1。良品の測定値は1点に集まらず、プロセスのばらつきや測定の誤差で、ある幅をもった分布になります。合否の線をその分布の裾へ近づけていくと、越えた分の良品が不良品の側へ回り、厳しさの代金がそのまま歩留まりから引かれます。

過剰検出と見逃しは、線を動かすと押し合う

Section titled “過剰検出と見逃しは、線を動かすと押し合う”

過剰検出は良品を不良品として弾く間違いで、失うのは歩留まりです。その場で数えられます。見逃しは不良品を良品として通す間違いで、失うのは市場での信頼です。届くのは出荷した後で、最終テストに合格した品でも実機の動作で不良が出ます。

線を厳しくすれば見逃しは減りますが、良品を弾く分が増えて歩留まりを削ります。緩めれば歩留まりは守れるものの、市場へ不良が届く危険が上がります。どちらを重く取るかは、製品が向かう用途で移ります。

市場で壊れそうなチップを前もって外す選別では、この押し合いを数字で扱います。PDF Solutionsの論文は、不良と予測したのに実際は良品だったダイの割合を偽陽性率(FPR)と定義し2、ある不良捕捉率を得るために犠牲にする過剰検出の量として読めるとしています。問われるのは、払った過剰検出と引き換えに何を得たかです。

選別の良し悪しは、同じ過剰検出で何割の不良を捕まえるかで決まる

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同じ論文は、MV-1、MV-4、Modeled Yieldという手法を比べ、危険と判定した部分(過剰検出の側)の大きさに対して、いずれも市場返品をより多く捕まえられたとしています2。このデータではModeled Yieldが最もよく、ウェーハテストの歩留まりが市場返品のよい予測材料になると論文は示唆しています。

選別のモデルを変える手もあります。PDF Solutionsは、自社のStudioAIで目的に合わせて学習させた機械学習モデルはより選択的で、過剰検出を下げられるとしています3。ウェーハテストの段階で最終テストに落ちる品を見つける例では、過剰検出を1%に保ったまま、不良の捕捉率を4%から78%へ上げられるとしています。

ばらつきを詰めれば、両方が減る

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工程能力指数の幾何
規格幅6シグマ平均から近い限界3シグマ平均値規格下限規格上限
Cpは規格幅を6シグマで割り、Cpkは平均値から近い方の規格限界までを3シグマで割ります。分布が細いほど、規格の線まで余裕が残ります。

工程能力指数は、Cp=(規格上限−規格下限)/6シグマC_\mathrm{p} =(\text{規格上限} - \text{規格下限})/ 6\text{シグマ}、Cpk=(平均に近い規格限界−平均値)/3シグマC_\mathrm{pk} =(\text{平均に近い規格限界} - \text{平均値})/ 3\text{シグマ}4で与えられます。分母のシグマが小さくなるほど、同じ規格幅に対する余裕が増えます。良品の分布が細れば、線を厳しくしても裾が線まで届かずに済みます。ばらつきの推移はSPCで見張ります。

ルネサスは、最終検査で電気的特性の検査を全数について行い、スクリーニングのデータを品質改善に役立てています4。弾いた理由を工程へ返す道が開いていると、過剰検出そのものが減っていきます。ばらつきを詰める道は最も深く届きますが、工程を作り直す負担を伴います。

測り方の分解能を上げると、線を引き直せる

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分解能と分布の重なり
分解能が低い合否の線分解能を上げた後合否の線良品不良品
分解能が低いと良品と不良品の分布が重なり、どこに線を引いても両方の間違いが残ります。分解能を上げて分布が離れれば、線をその間に引けます。

測定の誤差が大きいと、良品と不良品の分布が重なります。重なった領域では、どこに線を引いても両方の間違いが残ったままです。測り方の分解能を上げれば両方を減らせる一方、測定の時間と設備の費用が積み上がります。

IDDQ-Ratio方式は、分散図からサンプル間のプロセス変動を検出する方式です1。共通のばらつきを落とせば、見分けの余裕が戻ります。パラメトリックテストは、電圧・電流・時間など具体的な値を測るテストです1。合否の一言より、値そのものを持っておくほうが後から線を引き直せます。

過剰検出とは何ですか?

デバイス・テストにおいて、テスト条件の過度の厳しさにより、本来良品のデバイスを不良品とすることです。

なぜ起きるのですか?

良品の測定値にもばらつきがあるためです。合否の線を厳しくすると、良品の分布の裾がその線を越えます。

見逃しとの関係は何ですか?

押し合いです。線を厳しくすれば過剰検出が増え、緩めれば見逃しが増えます。

何を失いますか?

歩留まりです。作ったチップのうち、出荷できる数が減ります。

両方を同時に減らせますか?

線の位置を動かす手はここまでです。測り方の分解能を上げるか、ばらつきそのものを詰める必要があります。選別のモデルを変えて、同じ過剰検出のまま捕まえる不良を増やす方法もあります。

ばらつきはどう測りますか?

工程能力指数のCpとCpkで測ります。Cpは規格幅を6シグマで、Cpkは平均値から近い方の規格限界までの距離を3シグマで割った値です。

テストは全数で行うのですか?

ルネサスの最終検査では、電気的特性の検査を全数について行っています。

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