ウェーハプローブテストとは
ウェーハプローブテスト(Wafer Probe Test)とは、個片化する前のウェーハ上で、各ダイの端子へプローブを接触させて電気特性を調べる工程です。測定結果をウェーハマップへ対応付け、組み立てるダイを選びます。
細かく測るほど後工程へ不良を流しにくくなりますが、測定時間と針の摩耗が増えます。どこまで測るかは、不良チップに後工程でかかる加工費と、テストにかける時間との引き換えです。
不良チップに後工程の加工費をかけないため、個片化の前に測る
Section titled “不良チップに後工程の加工費をかけないため、個片化の前に測る”プローブテストは、配線と成膜を終えたウェーハを電気的に検査して良否を判定する工程です1。後工程で不良チップにかける無駄な加工費を減らすと同時に、前工程へ特性をフィードバックする役割も担います。結果はウェーハマップ上のダイ座標へ対応付け、組み立てに回す良品ダイを選びます。
Advantestは、ダイを積むと良品と不良品が混ざる危険が増え、多くの良品ダイや基板、インターポーザを捨てることになると指摘しています。高価な積層へ載せるダイでは、必要なテスト範囲と時間を合わせて決めます。何を入力し何を観測するかも選択肢です。入力に対する応答を期待値と比べる点は共通ですが、ファンクションテスト、構造の試験、システムの試験では、与える入力と観測する範囲が異なります。
針をパッドへ押し込み、先端を滑らせて接触をつくる
Section titled “針をパッドへ押し込み、先端を滑らせて接触をつくる”プローブカードは1、ウェーハ上のLSIのボンディングパッドに接続して電気信号を入出力し、機能を検査するための試験治具です。ウェハプローバーで基板と端子の位置を合わせ、針を接触させます。ウェーハを固定するチャックは真空吸着でウェーハを保持し、微細なニードルを当てるので高い平面度が求められます。
接触は2つの動きでつくります。1つはオーバードライブで、ウェーハをプローブカードに押し当て、針先がボンディングパッドに最初に触れた位置からさらに押し込んで圧接します。もう1つはスクラブ(ワイプ)で、押し当てたときに針先がパッド上を滑ってこすれる動きです。金属表面の汚染膜を押しのけ、新しい金属面どうしを接触させるために使います。
針とウェーハの接触抵抗を改善するため、プローバに載せたクリーニングユニットやクリーニングウェーハでプローブカードの針先を研磨します。これがプローブ針クリーニングです。
1回の接触で測るダイは、ロジックで2〜32、メモリでは数百に及ぶこともある
Section titled “1回の接触で測るダイは、ロジックで2〜32、メモリでは数百に及ぶこともある”テスタが信号を与えて応答を測り終えると、接触を離して次のダイへ移ります。複数のダイを一括で測る同時測定では、メモリ系では数百DUTを一括で測ることもあり、ロジック系では2〜32DUTの一括測定が一般的です1。MPIは、プローバ制御ソフトSENTIOでステップ・アンド・リピートをプログラムし、自動で高スループットの測定を行えるとしています2。
300 mmウェーハを1回のタッチダウンで測る方式が、1タッチダウン(1TD)です。FormFactorの講演資料は、1TDの問題は独特で、従来のプローブカード構造と業界の慣行を大きくするだけでは足りないとしています3。段取りとスループットの問題を解くには、プローブカード、プローバ、テスタの各社が協力するシステム全体の取り組みが要るという立場です。カードの調整にはプローバから引き抜くことが多い一方、測定はプローバの中で行うという食い違いも挙げています。
温度はチャックの表面温度で管理し、高電力はシールドした測定系で測る
Section titled “温度はチャックの表面温度で管理し、高電力はシールドした測定系で測る”管理するのは、位置、接触、温度、テスト条件と結果の座標です。温度試験では、ウェーハチャックの設定温度と、校正した測定器で測ったチャック表面温度との差1をチャックの温度精度として扱います。
高電圧・大電流をウェーハのまま測るプローバもあります。MPIは、高電力プローブシステムが最大3 kV(トライアキシャル)・10 kV(同軸)、600 A(パルス)の測定に対応し、ノイズの低いシールド環境を保つとしています2。同社のTS2000-HPとTS3000-HPは、-60℃から300℃の温度範囲を持つとしています。
不合格は、ダイの不良か接触の失敗かを切り分けて記録する
Section titled “不合格は、ダイの不良か接触の失敗かを切り分けて記録する”接触不良による失敗と、ダイ本体の不良を区別し、パッド損傷や再測定の影響を確認します。不合格がDUT固有か、接触や外部経路によるものかは、再測定や既知良品で切り分けます。
測定後は、刺激条件、接触・治具・校正状態、観測値、判定限界、binを一緒に記録します。平均値だけでなく分布、位置、温度、時間依存を残し、製造工程へ原因を戻せる状態にします。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ウェーハプローブテストは何をする工程ですか?
個片化する前のウェーハ上で、各ダイの端子へプローブを接触させて電気特性を調べる工程です。測定結果をウェーハマップへ対応付け、組み立てるダイを選びます。後工程で不良チップにかかる加工費を減らし、前工程へ特性を返す役割もあります。
どの段階で行いますか?
配線と成膜を終え、個片化する前のウェーハで行います。プローバで基板と端子の位置を合わせて針を接触させ、テスタが信号を与えて応答を測り、接触を離して次のダイへ移ります。同時に測るダイの数は、メモリでは数百に及ぶこともあり、ロジックでは2〜32が一般的です。
どこを管理しますか?
位置、接触、温度、テスト条件と結果の座標を管理します。接触不良による失敗と、ダイ本体の不良を区別し、パッド損傷や再測定の影響を確認します。温度はチャックの設定温度と実際の表面温度の差まで管理します。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”3件を表示
- 1SEAJ 半導体製造装置用語集seaj.or.jp ・ 2026年10月12日閲覧 abcd
- 2MPI:高電力プローブシステム 製品ページmpi-corporation.com ab
- 3FormFactor:Wijeyesekera 氏講演資料「300 mmウェーハの1タッチダウン・プロービング」formfactor.com ↩