テストハンドリングとは
テストハンドリング(Test Device Handling)とは、ウェーハまたは個片・パッケージデバイスを測定位置へ運び、位置・温度・接触を整え、測定結果へ対応する位置情報またはbinへ引き渡す操作です。テスタが電気信号を測り、プローバやハンドラが試験対象の取り扱いを担います。
テストにかかる時間は、測定の時間と取り扱いの時間の合計です。高速搬送はテストの待ち時間を減らしますが、製品の損傷や温度不足を招くおそれがあります。ハンドリングの設計は、搬送の速さと、良品を傷めず正しく分類することの引き換えで決まります。
テスタが測り、プローバとハンドラが運んで選ぶ
Section titled “テスタが測り、プローバとハンドラが運んで選ぶ”ハンドリングは、ウェーハまたはデバイスを電気試験へ運ぶ取り扱いを指します1。電気信号を測るのはATEで、試験対象を扱うのはウェーハならウェハプローバー、個片・パッケージ品ならテストハンドラです。
アドバンテストは、テストハンドラを後工程試験を自動化する装置とし、デバイスの搬送、試験時の温度印加、テスト結果に基づく選別を担うとしています2。同社のハンドラは、デバイス搬送と温度環境をテストシステムへ組み込みます。テスタの電気測定と、ハンドラの供給・温調・接触・分類は、別々に管理します。
ウェーハは結果をダイ座標へ、個片品はbinへ返す
Section titled “ウェーハは結果をダイ座標へ、個片品はbinへ返す”ウェーハでは、プローバがカセットからチャックへ運び、ノッチやマークで位置を合わせてプローブカードへ接触させます。測定結果はダイ座標へ戻します。座標ごとの合否を残したデータがウェーハマップです。
個片・パッケージ品では、ハンドラが供給、温調、ソケット接触、測定、bin分類を順につなぎます。チップレットでは組み立て途中の部分実装品も試験の単位になり、基板上にダイを載せる方式では最終テスト用のハンドラで扱います。
リードフレームのストリップのまま試験するハンドラもあります。Cohuは、SH-5300が100 mm × 300 mmの高密度リードフレームを扱えるとしています3。入出力は、SOやTSSOPのストリップを積み重ねるマガジンと、積み重ねられないBGAや壊れやすいデバイスのストリップ向けのスロット付きカセットから選べます。
運び方には、自重で送る方式と水平に運ぶ方式がある
Section titled “運び方には、自重で送る方式と水平に運ぶ方式がある”搬送方式には、自重落下と水平搬送があります。自重落下(Gravity Fall)は、被測定デバイスの自重を利用して搬送する方式で、自重落下ハンドラとも呼びます1。水平搬送(Pick and Place)は、被測定デバイスを水平方向に強制搬送する方式です。前者は重さに任せて動かし、後者は装置の機構が動かします。
温度をそろえてから測らないと、測定条件を満たさない
Section titled “温度をそろえてから測らないと、測定条件を満たさない”搬送が速くても温度がそろわなければ、測定条件を満たしません。Cohuは、SH-5300のトライテンプ(tri-temp)版について、温度範囲を-55℃から+160℃、温度精度を±2℃とし、低温側はオプションのチラーで動かすとしています3。熱は伝導で伝え、同社は温度待ち(ソーク)の時間の制約がほぼないとしています。同じ機種には、室温だけで試験する低コスト版もあります。
Chroma ATEのテストハンドラ3110は、標準の温度範囲が-40℃から150℃で、オプションで-55℃または-70℃から150℃4まで広がります。
速さを上げるほど、接触と取り違えを防ぐ仕組みが要る
Section titled “速さを上げるほど、接触と取り違えを防ぐ仕組みが要る”ハンドラの速さは処理能力(Throughput)で表し、連続稼働中に被測定デバイスを単位時間内に処理できる能力1を指します。管理するのは、製品の向き、位置、接触荷重、温度、分類先と識別です。接触不良は誤判定を増やします。CohuはSH-5300の画像による位置合わせの精度を±25 µmとしています。
搬送後は、対象物のID、向き、位置、支持状態、行先、搬送時間を確認します。速さだけを上げると衝撃、詰まり、温度不足、誤投入が増えるため、受渡しインターロックとトレーサビリティを保ちます。停止時に対象物がどこにあるかを復元できる記録が必要です。
追跡はデバイス1個の単位まで及びます。Cohuは、SH-5300が個別デバイスのトレーサビリティ(IDT)に対応し、IDTは車載、モビリティ、産業向けの大半で欠かせない要件だとしています。SH-5300では、組み立てで全数に良品の印を付け、テストで不良になったものには、ハンドラのテストチャックに載ったまま内蔵のレーザーマーカーで印を付けます。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”テストハンドリングは何をする工程ですか?
ウェーハまたは個片・パッケージデバイスを測定位置へ運び、位置・温度・接触を整え、測定結果へ対応する位置情報またはbinへ引き渡す操作です。テスタが電気信号を測り、プローバやハンドラが試験対象の取り扱いを担います。
どの段階で行いますか?
ウェーハではカセットからチャックへ運んで位置合わせし、プローブ接触後の結果をダイ座標へ戻します。個片・パッケージ品では供給、温調、ソケット接触、測定後のbin分類を順につなぎ、リードフレームのストリップのまま試験するハンドラもあります。
どこを管理しますか?
製品の向き、位置、接触荷重、温度、分類先と識別を管理します。搬送が速くても温度がそろわなければ測定条件を満たさず、接触不良は誤判定を増やします。停止時に対象物の位置を復元できる記録と、個々のデバイスを追跡できる仕組みも要ります。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”-
ピックアンドプレース── 測定位置への搬送方式
-
グラビティ方式── 測定位置への搬送方式
-
ATE ── 関連する工程・材料の説明
-
ウェハプローバー── 関連する工程・材料の説明
4件を表示
- 1SEAJ 半導体製造装置用語集seaj.or.jp ・ 2026年10月12日閲覧 abc
- 2
- 3Cohu:SH-5300 ストリップテストハンドラ 製品ページcohu.com ab
- 4Chroma ATE:ハイブリッド単一サイト テストハンドラ 3110 製品ページchromaate.com ↩