SLT(システムレベルテスト)とは
SLT(システムレベルテスト)(System Level Test)とは、実際のシステムに近い基板とソフトウェアでデバイスを動かし、動作を検査する工程です。端子へ個別のテスト信号を与えるATEの検査と、観測する動作が異なります。 SLTが要るのは、ATEの試験だけでは市場不良率を十分に下げられない製品です。実使用に近い条件を検査できる代わりに、内部の故障位置を特定する観測性と処理時間に制約があります。ATEでの検出と相互に補い、同じ項目を無目的に繰り返さないように試験を設計します。
ATEで下げきれない市場不良に対して、3番目のテスト工程として足す
Section titled “ATEで下げきれない市場不良に対して、3番目のテスト工程として足す”SEAJの用語集は1、SLTを、ATEを用いたテストでは十分に低い市場不良率が得られない場合に、実際の使用を想定したシステム環境を組み、そこにDUT(被試験デバイス)を置いて実行する機能テストと定義しています。Teradyneは、SLTをウェーハテストとパッケージテストに続く3番目のテスト工程とし2、ほかの方法では難しいソフトウェアの試験とIPブロック間の接続の検証ができるとしています。ATEがウェーハ段とパッケージ段で行う構造テストと機能テストを補う、というのが同社の位置付けです。
ATEのスキャンテストを抜けてSLTだけが拾う不良は、故障モデルにない遅延や電源の不安定、テスト生成の穴、システム内のやり取りの3種類に整理されています。3つ目は、スキャンテストのような従来の手法では定義上狙えません。
実機と同じモードで動かし、ブロックどうしのやり取りを試す
Section titled “実機と同じモードで動かし、ブロックどうしのやり取りを試す”デバイスを実装に近いテスト基板へ接続し、起動や負荷処理などのソフトウェアを走らせます。周辺部品との動作と長い状態遷移を確認します。Teradyneは、デバイスをミッションモードで動かすことで、故障が潜む複雑なやり取りを試せるとしています2。同社は、I/Oのプロトコルスタック、IPブロック間のインタフェース、クロック・電源・熱・ハードウェアとソフトウェアの各ドメイン間のやり取りを試すうえで、SLTのほうが効果的で安価だとも主張しています。同社によると、SLTは車載のADASやインフォテインメント、AIやクラウドの基盤向けにも採用されています。
量産装置は、数百個を同時に回して処理量を稼ぐ
Section titled “量産装置は、数百個を同時に回して処理量を稼ぐ”アドバンテストの7038は、最大720個のDUTを同時に試験し、10分前後の試験時間で最大毎時5,000個の処理量3を出せるとしています。高速のピック&プレースハンドラがテストインタフェース基板へデバイスを載せ降ろしし、エレベータがその基板をテストラックへ出し入れする全自動のテストセルです。同社は、7038がシステムレベルの特性評価・検証・認定、SLT、バーンイン、返品不良の解析まで行えるとしています。
TeradyneのTitanは4、同じ小さな設置面積で320サイトか424サイトの構成を選べ、工場の床面積あたり多くのデバイスを試験できるとしています。同社は、従来のバッチ式システムに比べて30%のスループット優位があり、多品種でのテストコストを下げるとしています。量産前の段階向けには20サイトの開発用ステーションがあり、DUT基板の設計検証やテストプログラムの開発・検証、基板の不具合調査に使えます。
アドバンテストの7038は、温度をパッケージごとに制御する
Section titled “アドバンテストの7038は、温度をパッケージごとに制御する”試験中のデバイスは自身でも発熱します。アドバンテストの7038は、テストチャンバー内の一様な温度制御に頼らず、パッケージに直接当てたアクティブ・サーマル・インターポーザ(ATI)3で温度を制御します。ATIにはサイトごとの空冷または液冷を組み合わせ、PID制御のループで動かします。同社は、この温度制御の構成が、コールドスタートからミッションモード、高温試験まで進むあいだのデバイス自身の発熱と協調して働くとしています。
観測性の制約は、ATEとの分担とログで補う
Section titled “観測性の制約は、ATEとの分担とログで補う”基板、ソフトウェア、温度、電源と試験時間を管理します。SLTでは内部の故障位置を特定しにくいので、テスト装置側の障害とデバイスの不良を区別し、失敗した処理とログを対応付けます。電源と温度をそろえ、起動から負荷実行までの応答を追えば、失敗した処理とログから試験系とデバイスの問題を切り分けられます。
測定後は、刺激条件、接触・治具・校正状態、観測値、判定限界、binを一緒に記録します。不合格がDUT固有か、接触や外部経路によるものかは、再測定や既知良品で切り分けます。平均値だけでなく分布、位置、温度、時間依存を残しておけば、製造工程へ原因を戻せます。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”SLT(システムレベルテスト)は何をする工程ですか?
実際のシステムに近い基板とソフトウェアでデバイスを動かし、動作を検査する工程です。端子へ個別のテスト信号を与えるATEの検査と、観測する動作が異なり、ATEの試験だけでは市場不良率を十分に下げられない場合に使います。
どの段階で行いますか?
デバイスを実装に近いテスト基板へ接続し、起動や負荷処理などのソフトウェアを走らせます。周辺部品との動作と長い状態遷移を確認します。Teradyneは、ウェーハテストとパッケージテストに続く3番目のテスト工程と位置付けています。
どこを管理しますか?
基板、ソフトウェア、温度、電源と試験時間を管理します。テスト装置側の障害とデバイスの不良を区別し、失敗した処理とログを対応付けます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”4件を表示
- 1SEAJ 半導体製造装置用語集seaj.or.jp ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
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- 3アドバンテスト:7038(システムレベルテストシステム)advantest.com ab
- 4Teradyne:Titanteradyne.com ↩