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ATE(自動テスト装置)とは

ATE(Automatic Test Equipment、自動テスト装置)とは、テストプログラムに従って被測定物へ信号を与え、返ってきた応答を測って良否判定を下す装置です。 テスタとも呼ばれます。テストにかかる費用は1個あたりのテスト時間と装置の単価でほぼ決まるため、ATEは測定の精度と速度に加えて、同時測定数をどこまで増やせるかが比べどころになります。その同時測定数を先に止めるのは、テスタ本体よりも、被測定物を載せる治具の広さです。

自動の実体は、端子ごとに独立した測定回路を積んだテストヘッド

Section titled “自動の実体は、端子ごとに独立した測定回路を積んだテストヘッド”
ATEの構成
被測定物DUTボード信号応答テストヘッドテストプログラム良否判定直流・電源デジタル高周波
テストプログラムがテストヘッドを動かし、ヘッドに挿した直流・電源、デジタル、高周波のカードが被測定物へ信号を送り、応答を測って良否判定を出します。挿すカードの組み合わせで、測る層の重心が移ります。

ATEが自動と呼ばれるのは、良否判定までを一続きで行うためです。人が測定器を操作して1項目ずつ測る速さは、量産の数量に対して桁で劣ります。与える信号の順序、測る対象、判定基準をあらかじめプログラムとして記述し、装置がそれを実行します。アドバンテストは、V93000のテストプログラム開発環境で、テストフローからオペレーティング・シーケンス、個々の測定まで、対話的にデバッグできるとしています1。

測る内容は3つの層になります。電源電流や端子の電圧といった直流特性、入出力の速度やタイミングといった交流特性、設計どおりの論理動作をするかという機能です。製品の種類によって、どの層に重心が来るかが変わります。アドバンテストは、集積化が進むほどI/O構造が複雑になり、アナログ、ミクスド・シグナル、デジタルの機能を備えたATEの資源を同じチャンネルにつなぐ必要があるとしています1。

装置の中身は、この3層に対応した測定器の集合です。V93000は1、直流と電源側にDC Scale XPS256(ミリアンペアから数千アンペアまで出力)とDC Scale XPS128+HV(電圧レンジ-10Vから+24V)、デジタル側にPin Scale 5000とLink Scale、高周波側にWave Scale RF20exを持ちます。筐体へ挿すカードを替えることで、測る層の重心が移ります。アドバンテストは、V93000のすべてのカードはすべてのテストヘッドに適合し、テスタの大きさによらず各カードに同じ電源、冷却装置、コンピュータ・インタフェースが用意され、テストプログラムだけでなくDUTボードも交換できるとしています1。

アドバンテストは、V93000が4世代にわたるパーピン・テスト・プロセッサと水冷アーキテクチャで実装密度と測定の再現性を得たとしています。端子ごとに回路を持てば、端子数ぶんだけ回路が増えます。ATEの単価が高いのは、この掛け算がそのまま原価に乗るためです。

同時測定数は、テスタより先に治具の広さで頭打ちになる

Section titled “同時測定数は、テスタより先に治具の広さで頭打ちになる”

1回のテストで同時に測れる個数を増やせば、1個あたりの時間が下がります。一度に測定できるデバイスの個数は、プローブカードやDUTボードにデバイスを載せる場所の広さで決まります1。同時測定数の上限を握っているのは、テスタ本体より先に治具側です。アドバンテストはDUTボードのサイズを切り替えられるDUT Scale Duoを業界初のデバイスインタフェースとしています。これによりDUTボードとプローブカードの使用可能スペースが50%以上広がり、ウェーハプローブとファイナルテストのセットアップが3倍以上の高さの部材へ対応します。

ウェーハ側の上限も同じ形です。日本マイクロニクスのプローブカード2はパッドピッチを50μm以下から150μm以上までの7区分で展開し、狭いピッチのカードほど1枚に載る針の密度が上がります。東京エレクトロンのCellciaは3、300mmウェーハを一括コンタクトでテストする技術が一部のメモリテストで確立したプラットフォームで、セル数は12または25です。同時測定数の話は、ウェハプローバー側の剛性と荷重の話と同じ紙の上にあります。

並列化の利得は、待ち時間のオーバーヘッドで削られる

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同時測定数と1個あたりの時間
1個あたりの時間同時測定数治具の広さの上限テスタのch上限実際理想オーバーヘッド
同時測定数を増やすと1個あたりの時間は下がりますが、実際の線はオーバーヘッドの分だけ理想の1/Nより上に残ります。同時測定数そのものは、テスタのチャンネル数より手前で治具の広さに止められます。

同時測定数を2倍にしたときにテスト時間が半分まで縮むかは別の話で、同時測定するDUTが増えるほどオーバーヘッドが発生し、一般にテスト時間は長くなる傾向にあります4。アドバンテストは、T2000がこのオーバーヘッドを排したマルチサイト試験でテスト時間を削るとしています。

オーバーヘッドの出どころは、端子ごとの回路が共有する部分です。1サイトぶんの測定結果を読み取るあいだ他のサイトが待つ、電源が同時に立ち上がるときの突入電流を散らすために時間をずらす、といった待ちが積もります。同社は、T2000が最大8,192chのデジタルチャンネルを搭載すると従来比2倍以上の多数個同時測定になり、構成は最大52スロットの液冷システムまで伸びるとしています。DPS192Aモジュールは96chの電源を高密度実装で載せます。

並列化は、被測定物の個数だけでなくテスト項目にもかけられます。コンカレントテストについて、同社は、T2000では複数のテスト項目の順次実行と並列実行をシームレスに切り替えられるため、以前より容易に実現できるようになったとしています4。

装置1台の上に載る人の数も、同じ並列化の話です。T2000のマルチサイトCPUアーキテクチャでは、最大8名が1台へ同時にログインし、各々が独立してデバッグを進められます。テストプログラムの開発期間がサイクルタイムの一部になる量産立ち上げでは、この並列化も装置稼働率と同じ重さで数えられます。

メモリ向けは同時測定数を、SoC向けは測定器の種類を積む

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メモリ向けとSoC向けのDUTボード
メモリ向けSoC向け被測定物直流・電源デジタル高周波アナログ
メモリ向けは同じ形の被測定物をボードいっぱいに並べて個数で稼ぎ、SoC向けは1個ごとに直流、デジタル、高周波、アナログの測定器をつないで項目の種類で応えます。

アドバンテストはSoCテストシステムV93000 EXA Scaleと、メモリテストシステムT58355およびT5801を別のラインにしています。TeradyneもSoC向けUltraFLEXplusとメモリ向けMagnumを分けています6。SoCは搭載する機能が多く、測る項目の種類が増えます。メモリは項目の種類よりも、同時に測れる個数と動作速度への追従が費用を左右します。要求の重心が別なので、装置の構成も別々になります。

T5835は7、最大5.4Gbpsの試験速度と768個のデバイスの同時測定、従来製品比2倍以上のテストスピードを持ち、対象はNANDフラッシュからDDR5を含むDDR-DRAM、LPDDR-DRAMまでで、パッケージ試験だけでなく高速ウェーハ試験までを範囲とします。768個を同時に測れば、理想では1個あたりの時間が768分の1になります。実際には、T2000で触れたオーバーヘッドがこの理想から差し引かれます。アドバンテストは、T5835でタイミングトレーニング機能、さまざまなデータパターンによる高速評価、不良解析機能を従来機より大容量・高速にしたとし7、演算用CPUの追加などで機能・速度・容量を伸ばせるスケーラブル構造7を採ったとしています。

SoC側で並ぶのは、同時測定数よりも測定器の種類です。V93000のパワーとアナログ向けにはAVI64、FVI16、PowerMUXがあり、フローティング設計によってハイ側とロー側の両方の試験を可能にしています1。DC Scale XHC32は超多ピンデジタルとDPSの構成を可能にし、DUTと針やソケットの損傷を防ぐ保護機能を強めたとされています。PMICやADCのように直流の確度が製品仕様そのものになる品種では、この保護機能と出力確度が歩留まりの測り値を左右します。

Teradyneは、UltraFLEXplus向けに、128のソース・キャプチャ・リファレンスチャンネルで最大16ビット分解能の内蔵コンバータを試験する測定器や6、デバイスのトリム向けに±50µVの電圧測定確度6を挙げています。高速インタフェースでは、112 Gb/sのNRZと224 Gb/s(112 Gbaud)のPAM4までのデータレート6を扱い、DSOとBERTを組んだ構成でPHYの量産試験と特性評価を行うとしています6。アイの高さや幅、TDECQといった測定にも対応するとしています。

同時測定数・項目数・確度・温度は、どれも時間と取り合う

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同時測定数を上げると1個あたりのテスト時間と費用が下がりますが、プローブカードとDUTボードの面積と配線層が増え、治具費用と製作期間が伸びます。オーバーヘッドも同時に増えるため、利得は倍率より小さく出ます。下げると治具は安く早く作れる一方、1個あたりの時間が伸びます。

テスト項目数を上げると、後段や市場へ抜ける不良(本来の不良を良品として流すこと)が減ります。代わりにテスト時間が伸び、1個あたりの費用が上がります。下げると費用は下がる一方、バーンインやファイナルテスト、そして市場側へ不良が持ち越されます。

測定の確度レンジを狭く取ると微小な差を拾えますが、測定器のセトリング(値が落ち着くまでの待ち)が長くなり、項目あたりの時間が伸びます。広く取ると時間は縮む一方、良品と不良の境目にある個体の振り分けが粗くなり、ビンソートの分布が甘くなります。

温度コーナーの数を増やすと、高温側と低温側でだけ出る不良を工場で落とせます。代わりに同じ品種を何度も流すため、装置の占有時間が倍で乗ります。減らすと占有時間は縮む一方、温度に依存する不良が車載グレードの要求水準に対して持ち越されます。

この用語に対応する装置と製造メーカー

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ATEとは何ですか?

ATE(Automatic Test Equipment、自動テスト装置)は、テストプログラムに従って被測定物へ信号を与え、返ってきた応答を測って良否判定を下す装置です。テスタとも呼ばれます。

ATEは何を測りますか?

電源電流や端子の電圧といった直流特性、入出力の速度やタイミングといった交流特性、設計どおりの論理動作をするかという機能です。製品の種類によって、どれに重心が来るかが変わります。

同時測定数とは何ですか?

1回のテストで同時に測れる被測定物の個数です。この数が増えるほど1個あたりのテスト時間と費用が下がり、テストコストを下げる主要な手段のひとつになります。

テストプログラムとは何ですか?

どの信号をどの順で与え、どの応答をどの判定基準と比べるかを記述したものです。同じATEでもプログラムが変われば測る内容が変わり、その作成と最適化がテストエンジニアの中心的な仕事です。V93000の開発環境は、テストフローから個々の測定までを対話的にデバッグできるとされています。

SoC向けとメモリ向けで何が違いますか?

要求の重心が別です。アドバンテストもSoCテストシステムV93000 EXA Scaleとメモリテストシステムを別のラインにしています。SoCは測る項目の種類が多く、メモリは同時に測れる個数と速度が費用を左右します。

同時測定数の上限は何で決まりますか?

一度に測定できるデバイスの個数は、プローブカードやDUTボードにデバイスを載せる場所の広さで決まります。アドバンテストのDUT Scale Duoは、この使用可能スペースを50%以上広げ、3倍以上の高さの部材へ対応します。

同時測定数を2倍にすると時間は半分になりますか?

そこには差し引きがあります。同時測定するDUTが増えるほどオーバーヘッドが発生し、一般にテスト時間は長くなる傾向にあります。アドバンテストはT2000で、このオーバーヘッドを排したマルチサイト試験によりテスト時間を削るとしています。

ATEのメーカーはどこですか?

アドバンテストとTeradyneが代表です。装置カタログDBでは、テストに一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。

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