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APOSはテストカード単位で電源を制御|V93000の選択カードを自動で切替

AdvantestのAPOSが電源を切る単位は、テスタ全体ではなくテストカードだ。公式発表によれば1、APOSは実際のテスタの使用状況に基づいて、選択したテストカードを自動で有効化・無効化する。テストカードとは、V93000のテストヘッドに載せて、デジタル信号、電源、RF、アナログなどを測る機能の基板を指す。同社は、スループットと測定精度を保ったまま電気代を下げられると説明し、製品ページは2、工場のガイダンスに合わせてハードウェアへの影響を避けると書く。

Advantestが2013年に出願し、2019年に米国で成立した特許は3、テスタの資源を止めるときの制約を書いている。この特許はAPOSとは別の文書で、両者を結びつける資料はない。特許は、電源を落としたテスタのサブユニット(tester subunits)が、戻したときに精度の仕様を外れることを問題に挙げ、止めても校正なしで仕様内に戻るものは無効化し、戻らないものは電力を絞ったまま仕様内に保つ方式を書いている。

V93000は、測定の機能をカードで組み合わせるテスタだ

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V93000は、Advantestの主力のSoCテスタだ。2020年に出たEXA Scale世代では、1枚256チャネルのデジタルカードPin Scale 5000と電源カードXPS2564をテストヘッドに載せ、大きさの違うテストヘッドで、デジタル、RF、アナログ、電源の機能を1台に混ぜて試験できる。2024年に出た電源カードDC Scale XHC32は、Advantestの発表によれば32チャネルで、1枚あたり最大640 A5を流せる。製品ページによれば6、すべてのカードがすべてのテストヘッドに適合する。

カードを組み合わせる設計なので、どのカードが働くかは、デバイスとテストの場面で変わる。テスタはウェーハ段の試験でも、パッケージにした後の最終テストでも使う。チップレットでは、組立の途中で部分実装品を何度も測る流れもある。本記事では、ある場面で使わないカードが電源の入ったまま待機している状態を、APOSが減らす不要な電力消費と読む。

APOSは、選択したカードを使用状況に応じて自動で切り替える

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APOSの制御は、カードの選択、自動の切り替え、表示の3つで説明されている。公式発表によれば1、APOSは選択したテストカードを実際のテスタの使用状況に応じて自動で有効化・無効化する。APOS Client Displayは、電力の使用状況と、カードの種類、稼働状態、使用数をリアルタイムで表示する。APOSのダッシュボードは、Testcell Central System(TCS)のウェブダッシュボードと連携し、テストフロア全体の省電力データを一元管理して、履歴をレポートとさらなる最適化に使う。

製品ページは、APOSをV93000の電源が入っている間の電力管理を最適化するソフトと説明する。対象はファウンドリとOSATだ。APOSの節電がAdvantest自身の排出の数字とどうつながるかは、APOSとAdvantestのScope 3で扱った。

Advantestの2013年の特許は、止めたサブユニットが仕様内に戻るかで止め方を分ける

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ここからは、APOSとは別の文書である特許の内容だ。Advantestの2013年の特許は3、まず従来のやり方を書いている。テストフロアでの機能と精度の安定は、テスタのすべての資源と付帯設備を常に動かしておくことで保ってきた。その結果、テスタの電気代と、熱を運び出すための冷却と空調の電力が増え続けた、と特許は書く。

特許が対象にするテスタのサブユニットは、カード、チャネルボード、デバイス用の電源といったテスタの資源と、冷却ポンプのような付帯設備だ。特許の制御部は、テストプログラムの中で各サブユニットが使われる状況から需要を自動で読み取り、需要のないサブユニットを低い活動状態に置く。テストプログラムに省電力の命令を書き足す必要はなく、既存のテストプログラムもそのまま使える、と特許は書く。利用者が手動で指示する道も残している。

Advantestの2013年の特許が書く、待機中のテスタのサブユニットの扱いの分岐図。次の測定で使うなら通電を保ち、テストプログラムを先読みして使う前に仕様内へ戻す。使わないなら、止めても校正なしで仕様内に戻るかで分け、戻るなら無効化して電流を流さず、戻らないなら電力を絞って仕様内に留める。
Advantestの2013年の特許では、使わないサブユニットのうち、止めても校正なしで仕様内に戻るものだけを無効化し、戻らないものは低電力のまま仕様内に保つ。APOSの発表とは別の文書の内容だ。

低い活動状態には2種類ある。1つは電源を切って電流を流さない状態で、もう1つは電力を絞って動かし続ける状態だ。特許によれば、電源を落としたサブユニットは、戻したときに精度の仕様を外れることがある。そこで制御部は、止めても仕様を外れないサブユニットと、外れても校正なしで自動で仕様内に戻るサブユニットだけを無効化する。メーカーによる校正なしには戻れないサブユニットは、電力を絞ったまま仕様内に保つ。

戻すときにも時間の制約がある。特許の制御部は、必要なサブユニットがすべて仕様内に戻ったと知らせるまで、テストプログラムの開始を待たせる。待ち時間を避けるために、テストプログラムを先読みし、仕様内に戻るまで時間のかかるサブユニットを、使う前に早めに有効化する。冷却ポンプは、動いているサブユニットの数に応じて冷却の強さを連続して変える。

特許の方式を物差しにすると、確かめる点は待機の枚数、戻るまでの時間、セルごとの電力の3つになる

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本記事の整理では、特許の方式を物差しにすると、カード単位の電源制御で確かめる点は3つになる。テストの場面ごとにどの種類のカードが何枚待機しているか、止めたカードが測定に使うまでに仕様内へ戻るか、テストセルごとの電力の違いだ。APOS Client Displayはカードの種類、稼働状態、使用数を表示し、TCSのダッシュボードは省電力データの履歴を残す。テストフロア全体で節電量を見積もる方法は、APOSの節電量の見積もり方にまとめた。

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