プローブスクラブとは
プローブスクラブ(Probe Scrub)とは、針を端子へ接触させたときに微小に滑らせ、表面の酸化膜などを破って導通を得る操作です。パッドに残る擦れ跡がスクラブマークです。 酸化膜を破れば低い接触抵抗が得られますが、そのぶんパッドを傷つけます。擦れの大きさが、導通の安定とパッドの損傷の両方を決めます。後のワイヤボンディングやバンプ形成を妨げない範囲で、接触の安定性を確保します。
押し込むと針先が滑り、パッド表面の酸化膜を破る
Section titled “押し込むと針先が滑り、パッド表面の酸化膜を破る”Tektronixは、スクラブを針先が最初に触れた点から最大オーバードライブで止まる点まで、ボンディングパッドの上を滑る動き1と定義しています。オーバードライブは、接触したあとの押込みのことです。プローブスクラブの工程では2、プローブを所定の位置へ下ろし、接触後の押込みで針先を滑らせます。安定した電気接触を得てから測定を行い、針を離して次のダイへ進みます。ウェハプローバーは針と端子の位置を合わせて接触の状態をそろえ、ダイの座標と測定結果を対応付けます。
破る相手は、パッド金属の表面にできる酸化膜です。Feinmetallの資料によると、Al系のパッド金属は、純AlでもAl合金でも表面にAl酸化膜を作ります3。合金には、AlのSiへの拡散を防ぐためにSiが通常0.5〜1%、エレクトロマイグレーションを避けるためにCuが最大2%入ります。添加元素の種類が増えるほど、また含有量が多いほど、パッドは硬くなります。
擦れ跡は、パッシベーション開口の内側に収める
Section titled “擦れ跡は、パッシベーション開口の内側に収める”管理するのは、押込み量、針の形、荷重、擦れの方向と長さです。擦れが小さすぎると導通が不安定になり、大きすぎるとパッドから外れたり損傷したりします。長さの測り方は現場によって違い、Tektronixは2通りを挙げています。接触時の針先の中心から最大オーバードライブ時の中心までを測る「スクラブ」と、擦れ跡の全長を測る「トータルスクラブ」です。同社は、一般に要求されるのは、最大オーバードライブで擦れ跡がパッシベーション開口の内側にあることだけで、長さは規定されないとしています1。
プローブメーカーのFeinmetallの資料は、跡の位置と大きさまで管理の対象にしています。同資料が挙げる条件は、テストマークの位置と大きさをx方向とy方向で厳密に決めた範囲に収めることと3、テストマークがパッドの下の構造を決して壊さないことです。擦れ跡は目視で検査し、レーザー走査顕微鏡で寸法を測ります。
針先が平らに摩耗すると、パッド材を掘り起こす
Section titled “針先が平らに摩耗すると、パッド材を掘り起こす”Tektronixは、針先の形が接触の質と、擦れ跡の形と大きさを左右するとしています1。摩耗した針は幅の広い擦れ跡を残し、パッド材を前へ押し出すスノープラウ型の跡を作ります。同社によると、時間とともに平らに摩耗した針先がのみのように働き、パッド材の下へ潜り込んで持ち上げ、前へ押し出すためです。針先の摩耗が不均一なら平坦度の問題を示し、全体が一様にひどく摩耗していれば、そのプローブカードは寿命に達していると同社はしています。針先はプローブ針クリーニングのしすぎでも削れ、位置や形状が変わります。
測定結果は、接触と治具の状態と一緒に残す
Section titled “測定結果は、接触と治具の状態と一緒に残す”測定後は、刺激条件、接触・治具・校正状態、観測値、判定限界、binを一緒に記録します。不合格がDUT固有か、接触や外部経路によるものかは、再測定や既知良品で切り分けます。平均値だけでなく分布、位置、温度、時間依存を残しておけば、製造工程へ原因を戻せます。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”プローブスクラブは何をする工程ですか?
針を端子へ接触させたときに微小に滑らせ、表面の酸化膜などを破って導通を得る操作です。パッドに残る擦れ跡がスクラブマークです。
どの段階で行いますか?
プローブを所定の位置へ下ろし、接触後の押込み(オーバードライブ)で針先を滑らせます。安定した電気接触を得てから測定を行い、離して次のダイへ進みます。
どこを管理しますか?
押込み量、針の形、荷重、擦れの方向と長さを管理します。擦れが小さすぎると導通が不安定になり、大きすぎるとパッドから外れたり損傷したりします。擦れ跡はパッシベーション開口の内側に収め、パッドの下の構造を壊さないことが条件です。
比較・違いを学ぶ
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- 2SEAJ 半導体製造装置用語集seaj.or.jp ・ 2026年10月12日閲覧 ↩
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