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同時測定とは

同時測定とは、複数のLSIチップを1台のテスト・システムで同時にテストし、スループットを上げる手法です。 テスタの台数を増やすかわりに、1台が受け持つ数を増やします。テスタあたりで同時に測るデバイスの個数は同時測定数と呼びます。4個並べれば4倍速くなる、と考えたくなりますが、共有する資源が残るため、個数を増やすほど全体のテスト時間は伸びます。どれだけ得をするかは同時測定効率で決まり、その効率の数字だけを追うと、時間あたりの処理数を見誤ります。

効率80%なら、1個増やすごとにテスト時間が20%ずつ伸びる

Section titled “効率80%なら、1個増やすごとにテスト時間が20%ずつ伸びる”

同時測定効率は、単数での測定時間に比べて、同一デバイスを複数同時に測る場合の測定効率を表す指標で、1 −((測定時間の差 / 同時測定個数の差)/ 単数での測定時間)で与えられます1。効率100%は、個数を増やしても測定時間が変わらない理想の並列です。効率80%では、同時測定個数を1つ増やす毎に、単数での測定時間の20%ずつテスト時間が増加します。

効率と全体のテスト時間
テスト時間(1個のときを1)012341234同時測定個数効率0%効率80%効率100%1.61.41.2
効率80%では1個増やすごとに全体の時間が0.2ずつ伸び、4個で1.6になります。効率0%なら個数に比例して伸び、並べた意味がなくなります。

式に当てはめると、効率80%での全体の時間は1個のときに比べて2個で1.2倍、3個で1.4倍、4個で1.6倍になり、4個のときの1個あたりでは0.4倍です。効率0%は並列がまったく働かない状態で、アドバンテストは、テスト中に並列がまったくなければ、同時測定の全体の実行時間はサイト数に比例して増えるとしています2。数を増やした分がそのまま得になるかは効率しだいで、効率が100%から離れるほど、並べた数と得られる速さの開きが広がります。NIは、同時測定のスループットを大きく左右するのはテストシステムの並列テスト効率(PTE)で、この値はふつうシステムごとに決まっているとしています3。

効率が上がっても、時間あたりの処理数は落ちることがある

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固定の遅れを足すと、効率の数字は上がります。アドバンテストは、単数のテスト時間と同時測定の全体の時間の両方に同じ固定の遅れを足すと、同時測定効率は上がるのに、全体のスループットは下がるとしています2。

固定の遅れと効率
遅れなし1個4個同時効率80%時間あたり2.5個同じ固定の遅れを足す1個4個同時効率90%時間あたり約1.5個テスト本体固定の遅れ
両方に同じ遅れを足すと、効率は80%から90%に上がります。時間あたりに測れる個数は2.5個から約1.5個へ減ります。

1個の測定時間を1とし、効率80%の4個同時(1.6)に、1個の測定時間と同じ長さの固定の遅れを両方へ足す例を式に当てはめると、1個は2、4個同時は2.6になり、効率は90%へ上がります。ところが1個の測定時間あたりに終わる個数は、2.5個から約1.5個へ減ります。テスタの優劣を決めるのは効率の数字ではなく、全体の時間あたりに測り終える個数です。

数を増やすほどテスタのチャンネルが足りなくなり、DFTで負担を移す

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同時測定数が増えるほどテスタのチャンネル数も増加するため、テスタの実現が困難になります1。そのため、BISTやScan回路などのDFTをLSIチップに内蔵して、テスタへの負担を減じる工夫が広く行われています。

テスタ側で全部まかなうか、チップ側に回路を持たせるかは、チップ面積とテスタ費用のどちらを払うかという選択です。並列の数を増やせばテスタ1台あたりの生産量が上がり、テストの費用が下がります。その代わりチャンネル数と治具が膨らみ、テスタの実現そのものが難しくなります。DFTをチップへ内蔵すればテスタ側は軽くなるものの、チップ面積と設計の手間を払います。

汎用メモリで発展し、ウェーハ上では数百個を一度に測ることもある

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同時測定は、テストに時間がかかる汎用メモリの分野で発展しました1。同じ動作を大量に繰り返す品目ほど、並列の利きが大きく出ます。近年は、埋め込みメモリを持つSoCなどでも、テストコスト削減の面から普及が見られます。

一括で測るダイの範囲
ロジック系 2〜32DUTメモリ系 数百DUT一括で測るDUTほかのダイ
ウェーハ上で一括に測るダイの数は、ロジック系では2〜32個が一般的で、メモリ系では数百個に及ぶこともあります。

ウェーハの段階では、マルチプロービングと呼ぶ方法でウェーハ上のDUT(ダイ)の電気的測定を複数DUT一括で行います1。ウェーハプローブテストの一括測定数は、メモリ系デバイスでは数百DUTに及ぶこともあり、ロジック系デバイスでは2〜32DUTが一般的です。

コンカレントテストは、デバイス内の複数回路ブロックを同時並列にテストする手法です。チップを並列にする手と、チップの中を並列にする手は、重ねて使えます。

テストの時間は、工場のTATとX-Factorに乗る

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TATは、工程の一部または全部を流しきるのに要する時間で、入れてから出るまでの総時間です4。X-Factorは、TATまたはサイクルタイムをRPTで割った指数で、テストの正味時間が伸びれば、この分母も伸びます。

OEEは設備の総合効率で、稼動時間の中で設備が製品の生産に利用される時間の比率を高めることを指します。テスタも、この設備稼働の勘定の中にあります。

同時測定とは何ですか?

テストのスループット向上を目的として、複数のLSIチップを1台のテスト・システムで同時にテストすることです。

どの分野で発展しましたか?

テストに時間がかかる汎用メモリの分野です。ウェーハ上の測定では、メモリ系デバイスで数百DUTを一括で測ることもあります。

近年はどこで使われますか?

埋め込みメモリを持つSoCなどでも、テストコスト削減の面から普及が見られます。

同時測定効率とは何ですか?

単数での測定時間に比べて、同一デバイスを複数同時に測る場合の測定効率を表す指標です。1 −((測定時間の差 / 同時測定個数の差)/ 単数での測定時間)で求めます。

効率 100% は何を意味しますか?

個数を増やしても測定時間が変わらないことを意味します。

効率 80% は何を意味しますか?

同時測定個数を1つ増やす毎に、単数での測定時間の20%ずつテスト時間が増加することを意味します。

数を増やす上限は何ですか?

テスタのチャンネル数です。同時測定数が増えるほどテスタのチャンネル数も増加するため、テスタの実現が困難になります。BISTやScan回路をチップに内蔵して、テスタの負担を減らします。

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