ウェーハあたりコストとは
ウェーハあたりコストとは、ウェーハ1枚を量産で流したときの製造費用です。 1個あたりの費用は、これを1枚から取れるチップの数と歩留まりで割って求めます。
ノードを進めればチップは小さくなり、1枚から取れる数が増えます。ところが1枚の値段も同時に上がるため、差し引きがどちらへ転ぶかは品種ごとに変わります。
ノードが進むほど、1枚の値段が上がる
Section titled “ノードが進むほど、1枚の値段が上がる”量産ウェーハ価格の目安は、28nmで数千米ドル台後半、7nmで1万米ドル前後、5nmで約1.6万米ドル、3nmで約1.8万米ドル、2nm見込みで約3万米ドルです1。90〜65nmの参考値は数千米ドルで、世代が進むほど1枚を流す費用そのものが上がります。
設計費とマスク費は品種ごとに一度かかり、数量で薄まる
Section titled “設計費とマスク費は品種ごとに一度かかり、数量で薄まる”3nmの設計コストは約5.9〜6.5億米ドル1、マスクセット価格は3,000〜5,000万米ドルです。7nmでは設計コストが2億〜2.2億米ドル、マスクセット価格が1,000万米ドルです。
設計費とマスク費は品種ごとに一度かかり、ウェーハ価格は流す枚数に比例します。そのため数量が増えるほど、設計費とマスク費は1個あたりで薄まります。
微細なほど歩留まりが上がりにくく、1枚の価値が目減りする
Section titled “微細なほど歩留まりが上がりにくく、1枚の価値が目減りする”より微細な製造技術ほど、製造時の歩留まりを高めるのは難しくなります1。無闇に回路の1チップ化を推し進めれば、難易度の高い製造技術で大面積のチップを低歩留まりで製造することになり、結果的に製造コストが増大します。
同じ1万米ドルのウェーハでも、良品が半分なら1個あたりの費用は2倍です。枚数の費用と良品率は、いつも掛け算で働きます。
後工程でも、1枚から何個取れるかで費用が決まる
Section titled “後工程でも、1枚から何個取れるかで費用が決まる”300mm径の円形ウェーハから四角形のコア基板を切り出しても、切り出し枚数が少なく、必然的に製造コストが高くなります2。6,640mm²のコア基板は、300mmウェーハから4個、600mm角のガラス基板から40個取れます。
前工程は1枚いくら、後工程は1枚から何個という、同じ形の勘定です。費用を語るときは、両方の段を数えます。
先端ノードは3つの費用がまとめて上がり、チップレットはつなぐ費用を足す
Section titled “先端ノードは3つの費用がまとめて上がり、チップレットはつなぐ費用を足す”先端ノードへ進むと、1枚の価格と設計費、マスク費がまとめて上がります。成熟ノードに留まれば費用は軽いものの、面積と消費電力で不利になります。チップレットで分ければ最先端を使う範囲を絞れますが、つなぐ設計と実装の費用が新たに乗ります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ウェーハあたりコストとは何ですか?
ウェーハ1枚を量産で流したときの製造費用です。1個あたりの費用は、これを1枚から取れるチップの数と歩留まりで割って求めます。
実際の値はどのくらいですか?
量産ウェーハ価格の目安は、7nmで1万米ドル前後、5nmで約1.6万米ドル、3nmで約1.8万米ドル、2nm見込みで約3万米ドルです。
設計の費用はどのくらいですか?
設計コストは3nmで約5.9〜6.5億米ドル、2nm見込みで6億米ドル以上です。
マスクの費用は?
マスクセット価格は3nmで3,000〜5,000万米ドル、7nmで1,000万米ドルです。
なぜ 3 つを分けて数えるのですか?
設計費とマスク費は品種ごとに一度かかり、ウェーハ価格は流す枚数に比例するからです。数量によって重みが動きます。
下げる手はありますか?
チップレットです。最先端プロセスが不要な部分を最適なプロセス向けに設計し、合理的なコストで製造できます。
後工程の側でも響きますか?
響きます。6,640mm²のコア基板は、300mmウェーハから4個、600mm角のガラス基板から40個取れます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- 歩留まりとは── 1 個あたりへ換算する係数
- チップレットとは── 最先端の使用範囲を絞る手
- パネルレベルパッケージングとは── 後工程側の取り数
- ガラス基板とは── 取り数を増やす材料