EES(装置エンジニアリングシステム)とは
EES とは、装置エンジニアリングの業務を支えるために、装置のデータを集めて使える形にする仕組みです。 装置の側と工場の側が、役割を分けて受け持ちます。
秒ごとの波形は量が膨れ、装置ごとに形もまちまちなため、そのままでは工場の中を渡りきれません。EES は代表値へ畳んでから配ります。
装置の中身は装置メーカ、工場の流れはデバイスメーカが受け持つ
Section titled “装置の中身は装置メーカ、工場の流れはデバイスメーカが受け持つ”EES は装置エンジニアリング業務を支援するためのシステムで、デバイスメーカ及び装置サプライヤが一体となって情報の提供・管理を行います1。デバイスメーカ側が用意する F-EES(Factory EES)と、装置メーカやサプライヤが用意する L-EES(Local EES)に分類されます1。
装置の中で何が起きているかは装置メーカが詳しく、工場全体をどう流すかはデバイスメーカが詳しいという役割分担です。その境目に、データの受け渡しの取り決めが要ります。
波形を代表値へ畳むと工場全体で比べられるが、細かい形は手元を離れる
Section titled “波形を代表値へ畳むと工場全体で比べられるが、細かい形は手元を離れる”工場内の複数台数と種類の装置が生む時系列センサデータは、F-EES により平均値や標準偏差などへ代表値化されて収集されます2。データは解析用データベース上で一元管理され、現場エンジニアは製品一つひとつに紐付いたデータを容易に取得できます。
代表値へ畳むと、工場全体で比べられる大きさになります。その代わり、秒単位の細かい形は手元から離れます。何を代表値に選ぶかが、後から追える範囲を左右します。
集めた先で、FDC・VM・APCが監視と予測と制御を回す
Section titled “集めた先で、FDC・VM・APCが監視と予測と制御を回す”製品の品質と歩留を継続的かつ安定的に確保するには、装置・プロセス・製品の出来栄え状態をリアルタイムに監視・制御する仕組みが必要です2。それを実現する技術がFDC・VM・APCで、装置データと紐付いたデータセットで解析やモデリングを行います。VM や APC は、このデータセットでリアルタイムの出来栄え監視とプロセスパラメータの制御を実現しています。
AEC は、APC・SPC・FDC 等の技術を利用した先進的な装置制御の総称です1。EES は、その前段でデータを整える土台にあたります。
受け渡しの型が揃っているほど、装置を入れ替えても仕組みが残る
Section titled “受け渡しの型が揃っているほど、装置を入れ替えても仕組みが残る”SECS は SEMI Equipment Communications Standard1 の略で、SECS-I、SECS-II、HSMS 等の規定があります。
TDI(Tool Data Integration)は、日本国内のデバイスメーカを中心に規定している装置データインターフェースです1。装置側が装置データを一時保存するための DB を持ち、上位システムがその DB にアクセスして必要なデータを収集するコンセプトです。
RaP は、装置共通化と APC を容易に適用するためのレシピの構造で、SEMI 標準の E139 などで規定されています1。型が揃っているほど、装置を入れ替えても仕組みが生き延びます。
畳む、残す、型に合わせる、のどれにも代償がある
Section titled “畳む、残す、型に合わせる、のどれにも代償がある”代表値へ畳めば工場全体で集めて比べられますが、秒単位の波形だけに出る異常は、後から追う手立てを失います。生データを残せば追跡できる一方、保存と転送の費用が装置台数ぶん積み上がります。標準の型に合わせれば装置を入れ替えても仕組みが残るものの、装置固有の情報が型からこぼれることがあります。装置メーカ側に解析を持てば中身に強い診断が成り立ちますが、工場全体を横断して見渡す目は薄くなります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”EES とは何ですか?
装置エンジニアリング業務を支援するためのシステムです。
どう分けていますか?
デバイスメーカ側が用意する F-EES と、装置メーカやサプライヤが用意する L-EES に分類されます。
なぜ二つに分けるのですか?
装置の中身に詳しいのは装置メーカ、工場全体の流れに詳しいのはデバイスメーカだからです。持ち場が異なります。
どんなデータを集めますか?
複数台数と種類の装置が生む時系列センサデータです。F-EES がこれを平均値や標準偏差などへ代表値化して収集します。
代表値にする理由は何ですか?
秒ごとの波形のままでは量が膨れ、装置ごとに形もまちまちなためです。畳んではじめて工場全体で比べられます。
集めた先で何をしますか?
そのデータセットを使い、VM や APC でリアルタイムの出来栄え監視とプロセスパラメータの制御を実現します。
現場はどう使うのですか?
データは解析用データベース上で一元管理され、現場エンジニアは製品一つひとつに紐付いたデータを容易に取得できます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- FDCとは── 集めたデータの使い先
- APCとは── 制御まで回す側
- バーチャルメトロロジとは── 予測まで回す側
- EFEMとは── 装置の前段のモジュール
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