ガラスコア基板のパネル、規格は2寸法大判の600 mm角もSEMIとLPKFが対応
ガラスコア基板用のパネルとして、AGC、日本電気硝子(NEG)、大日本印刷(DNP)は510 mm×515 mm前後の寸法を掲げる。ここでいうパネルとは、多数のパッケージ基板をまとめて加工する角形の大きなガラス板を指す。穴あけ装置のLPKFは515×510 mmのパネル全面での位置精度を示し、600×600 mmまでの対応もうたう。一方、規格のSEMI 3D23は、510×515 mmと600×600 mmの2つの寸法でガラスキャリアを規定している。
時期は種類の違う計画として公表されている。米国商務省のページは、SKC子会社Absolicsについて、顧客への初出荷を2025年、生産能力の立ち上がりを2027年と見込む。NEGはCO2レーザー対応品の量産開始を2028年までに、Samsung電機は合弁会社での量産開始を2027年より後に置く。DNPは2027年度の売上目標を示す。Lauらの論文によれば、TSMCのCoPoSは310 mm角のガラスパネルで2028年後半に出荷する計画だ。
SEMIの規格は、510×515 mmと600×600 mmの2つの寸法を定める
Section titled “SEMIの規格は、510×515 mmと600×600 mmの2つの寸法を定める”SEMI 3D20は1、パネルレベルパッケージ(PLP)向けにパネルの外形、厚さ、反り、質量を定める規格だ。SEMIは、パネルの寸法や厚さがばらばらに検討され、装置と工程を種類ごとに作り分ける必要が生じて、技術の導入が遅れていると説明している。同じ枠組みのSEMI 3D23は2、3D20が定める510 mm×515 mmと600 mm×600 mmの2つの寸法でガラスキャリアを規定する。3D23の初版は2021年7月だ。
AGC・NEG・DNPは510×515 mm前後を掲げ、LPKFは600×600 mmまで扱う
Section titled “AGC・NEG・DNPは510×515 mm前後を掲げ、LPKFは600×600 mmまで扱う”| 会社 | 立場 | 掲げるパネル | 公表元 |
|---|---|---|---|
| AGC | ガラスとTGV加工 | 510×515 mmなど(ウェーハはφ150・200・300 mm) | TGV製品の仕様3 |
| NEG | ガラス、ガラスセラミック、TGV加工 | 515×510 mmのサンプル | 2025年5月の発表4 |
| DNP | ガラスコア基板 | 510×515 mmへ展開 | 2023年3月の発表5 |
| LPKF | TGVの加工装置 | 515×510 mm全面で位置精度±1 µm、パネルは最大600×600 mmに対応 | LIDEの仕様6、ガラスコア向けページ7 |
NEGが2025年5月に始めたサンプル提供は、515×510 mmの基板に自社でTGVを開けたものと、穴のない母材ガラスの2種類だ。NEGは、CO2レーザー方式をプリント基板用のレーザー加工機が使え、工程が少なく高速な方式と位置づけている。DNPは、銅で穴を埋める充填型に加え、側壁だけに金属を付けるコンフォーマル型を510×515 mmへ広げるとした。
公表された時期は、生産能力、量産開始、売上目標、出荷と種類が違う
Section titled “公表された時期は、生産能力、量産開始、売上目標、出荷と種類が違う”| 会社 | 公表した計画 | 時期 | 公表元 |
|---|---|---|---|
| Absolics | 顧客への初出荷 | 2025年 | 米国商務省(NIST) |
| Absolics | 生産能力の立ち上がり | 2027年 | 米国商務省(NIST) |
| Samsung電機 | 合弁会社での量産開始 | 2027年より後 | Samsung電機 |
| NEG | CO2レーザー対応品の量産開始 | 2028年まで | NEG |
| DNP | ガラスコア基板の売上50億円 | 2027年度 | DNP |
| TSMC | CoPoSの出荷(310×310 mmのガラスパネル) | 2028年後半 | Lauらの論文 |
米国商務省(NIST)のCHIPS法のページによれば、商務省はAbsolicsに、ジョージア州コビントンの12万平方フィートの施設建設と基板技術の開発に向けて最大7,500万ドルを直接支援する8。想定する設備投資は3億4,300万ドルで、顧客への初出荷は2025年、生産能力の立ち上がりは2027年と見込む。商務省は別に、同じ工場を中心にガラスコアの材料、装置、設計の供給網を作るSMART Packagingプログラムへ1億ドル9を出す。NISTはこの工場を少量生産の施設と呼んでいる。
Samsung電機は2025年11月、住友化学グループとガラスコアの合弁会社を作る覚書を結んだ10と発表した。試作は世宗の試作ラインで進め、量産は2027年より後に合弁会社で始める計画だ。本社と最初の生産拠点は、東友ファインケムの平沢事業所に置く。
NEGは、2024年に発表したCO2レーザー対応の無機コア基板について、2028年までの量産開始を目標にする4。DNPは2023年3月の発表で、ガラスコア基板で2027年度に50億円の売上を目指すとした5。
Lauらの論文によれば、TSMCのCoPoSは310 mm角のガラスパネルを使う
Section titled “Lauらの論文によれば、TSMCのCoPoSは310 mm角のガラスパネルを使う”Lauらの2025年の論文は序文で、TSMCが2025年4月の北米技術シンポジウムで、CoWoSの一部を置き換えるCoPoS(chip-on-panel-on-substrate)を発表したと紹介している。同じ論文によれば、出荷は2028年後半、ガラスパネルは310 mm×310 mm11の計画だ。コア基板で各社が掲げる510×515 mm前後と、CoPoSの310 mm角は別の寸法だ。パッケージの構造の違いは先端パッケージの解説で扱っている。
AGCの技術者は、2025年11月の時点でガラスは商用化前だったと書く
Section titled “AGCの技術者は、2025年11月の時点でガラスは商用化前だったと書く”AGCの技術者が書いたIEEE EPS技術委員会の資料は12、2025年11月の時点で、ガラスは次世代のパッケージ基板として有望だが、商用化されておらず開発が要ると書いている。同じ資料は、パネルが大きくなるほど傷を含む確率と自重による反りが増え、薄い大判パネルは扱うだけでも割れやすいと書く。
割れの起点と対策はガラスコアの割れの記事で、ガラスのCTEとはんだのひずみの関係はガラスコア基板の解説で扱った。有機基板との違いは有機パッケージ基板とABFにまとめている。
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- 1SEMI:3D20 PLP用パネルの外形・厚さ・反り・質量の規格store-us.semi.org ↩
- 2SEMI:3D23 PLP用ガラスキャリアの規格(2021年7月初版)store-us.semi.org ↩
- 3AGC:TGVガラス基板の仕様agc.com ↩
- 4
- 5
- 6LPKF:LIDEの位置精度と加工仕様lide.lpkf.com ↩
- 7LPKF:ガラスコア基板向けの加工と対応パネル寸法lide.lpkf.com ↩
- 8NIST CHIPS:Absolicsのコビントン工場への支援と時期nist.gov ↩
- 9
- 10Samsung電機:住友化学グループとのガラスコア合弁の覚書(2025年11月)m.samsungsem.com ↩
- 11
- 12