SemiMapサイト内検索

材料 / フォトマスク・後工程部材 半導体フォトマスク、ナノインプリント、半導体パッケージ部材

DNP

回路の原版と、パッケージの土台をつくる会社

連結売上高1兆5,125億円のうち
2,518億円がエレクトロニクス部門。 半導体関連はさらにその内数です。

DNP(大日本印刷)は回路の原版である 半導体製造用フォトマスク や後工程向けの TGVガラスコア基板 をつくっています。 2026年3月期のエレクトロニクス部門は売上2,518億円でした。

  • FY2026/03 連結売上高 1兆5,125億円 前期比3.8%増。 営業利益は1,010億円で前期比7.9%増
  • FY2026/03 エレクトロニクス部門 2,518億円 セグメント利益507億円。 部門営業利益率20.1%
  • FY2027/03 第1四半期 エレクトロニクス部門 713億円 2026年4〜6月の売上で前年同期比12.4%増。 営業利益は178億円(28.2%増)

FY2026/03の部門別売上構成比

  • スマートコミュニケーション部門7,503億円
  • ライフ&ヘルスケア部門5,123億円
  • エレクトロニクス部門2,518億円

この会社の要点

向いている入口 研究開発(微細加工・材料)

化学・材料、物理、電子、機械の専攻または実務がある人。

入口を選ぶ
主なリスク FY2026/03の部門営業利益は減益

エレクトロニクス部門の営業利益は507億円で前期比11.6%減でした。 決算短信は、為替の影響と半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資による固定費増加を理由に挙げています。

強みとリスク
出典 出典一覧(13件)

公式 4件 / IR 4件 / 採用 3件 / ニュース 2件

01立ち位置

何の会社として比べるか

DNPは印刷を母体にした会社で、半導体に関わるのは3つの報告セグメントのうちエレクトロニクス部門です。

FY2026/03 実績

全社連結と3部門

2026年3月期 決算短信

FY2026/03 売上高

億円 · 決算短信のセグメント情報
  • 連結全社 1兆5,125億円
  • スマートコミュニケーション部門 7,503億円
  • ライフ&ヘルスケア部門 5,123億円
  • エレクトロニクス部門 2,518億円

FY2026/03 営業利益とセグメント利益

億円 · 決算短信のセグメント情報
  • 連結営業利益 1,010億円
  • エレクトロニクス部門 507億円
  • スマートコミュニケーション部門 400億円
  • ライフ&ヘルスケア部門 372億円

3部門のセグメント利益合計1,279億円から、全社共通の基礎研究などにあたる調整額-269億円を引いた後が連結営業利益1,010億円です。

FY2027/03 会社予想

次の年度に、どの部門を伸ばす計画か

セグメント別業績予想

部門別の売上高予想

億円 · 2026年5月13日公表
  • スマートコミュニケーション部門 7,420億円
  • ライフ&ヘルスケア部門 5,160億円
  • エレクトロニクス部門 2,740億円

3部門のうち、売上の伸び率が5%を超える予想はエレクトロニクス部門です。

部門別の営業利益予想

億円 · 2026年5月13日公表
  • エレクトロニクス部門 540億円
  • スマートコミュニケーション部門 430億円
  • ライフ&ヘルスケア部門 390億円

3部門合計1,360億円から調整額−280億円を引いた1,080億円が連結営業利益予想です。 会社予想の欄で、実績はFY2026/03の1,010億円です。

前工程部材(回路の原版)

半導体製造用フォトマスク

ガラス表面に精密な回路パターンを形成し、半導体ウエハーへ回路を転写する原版です。 統合報告書2025には、外販用フォトマスクでトップレベルのシェア、テクノロジーノード2nmレベルのパターン解像に成功したこと、通過型とEUV用の反射型の2種類が載ります。

  • 半導体製造用フォトマスク
  • EUVマスク(反射型)
  • フォトマスク(通過型)
前工程部材(NILの版)

ナノインプリント用テンプレート

樹脂を塗布した基板にテンプレート(版)を圧着して回路パターンを転写する方式の版です。 DNPは2003年から開発を続け、公式製品ページには露光工程の消費電力を従来手法の約10分の1へ抑えられると記載されています。

  • ナノインプリントリソグラフィ(NIL)
  • ナノインプリントリソグラフィ用テンプレート
後工程部材

半導体パッケージ部材

半導体チップを載せて電気的につなぐ基材のリードフレームを1964年から生産しています。 パッケージ基板のコア材では、有機材の反りと平坦性の課題に向けてTGVガラスコア基板を開発し、放熱部品のベイパーチャンバーも同じ部門に載ります。

  • リードフレーム
  • TGVガラスコア基板
  • ベイパーチャンバー
エレクトロニクス部門の非半導体領域

ディスプレイ・光学部材

エレクトロニクス部門には半導体関連とデジタルインターフェース関連が入ります。 決算短信の部門商材には、ディスプレイ用光学フィルム、有機ELディスプレイ用メタルマスク、液晶ディスプレイ用大型フォトマスク、ハードディスクドライブ用サスペンションが載ります。

  • ディスプレイ用光学フィルム
  • 有機ELディスプレイ用メタルマスク
  • 液晶ディスプレイ用大型フォトマスク
  • ハードディスクドライブ用サスペンション

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

FY2026/03のエレクトロニクス部門は売上2,518億円、セグメント利益507億円です。 売上構成比は16.6%、3部門のセグメント利益合計1,279億円に対する利益構成比は39.6%。

FY2026/03 連結売上高

1兆5,125億円

前期比3.8%増。 営業利益1,010億円(7.9%増)、経常利益1,192億円(2.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,039億円(6.1%減)です。

FY2026/03 エレクトロニクス部門

売上2,518億円 / セグメント利益507億円

売上は前期比1.6%増、セグメント利益は11.6%減。 3部門のセグメント利益合計1,279億円のうち39.6%にあたります。

FY2027/03 エレクトロニクス部門の会社予想

売上2,740億円 / 営業利益540億円

会社は前期比で売上8.8%増、営業利益6.5%増を見込んでいます。 全社は売上1兆5,300億円、営業利益1,080億円の予想で、第1四半期決算でもこの予想を維持しています。

2026〜2028年度 中期経営計画

2028年度 営業利益1,300億円 / ROE 9.0%

2026年4月に開始した3か年計画の最終年度の計画値です。 半導体関連とデジタルインターフェース関連は、ともに注力事業として掲載されています。

2026〜2028年度 半導体関連の設備投資計画

300億円

統合報告書2025の記載で、EUV用フォトマスクの量産化、ナノインプリントの事業化、先端〜ボリュームゾーンの生産体制強化が投資対象です。

エレクトロニクス部門の売上とセグメント利益(前期比較)

億円
  • FY2025/03 売上高 2,477億円
  • FY2026/03 売上高 2,518億円 前期比1.6%増
  • FY2025/03 セグメント利益 573億円
  • FY2026/03 セグメント利益 507億円 前期比11.6%減

増収のまま減益です。 決算短信は、為替の影響と半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資による固定費増加を理由に挙げています。

FY2026/03 部門別の営業利益率

連結全社は決算短信の記載値
  • エレクトロニクス部門 20.1%
  • ライフ&ヘルスケア部門 7.3%
  • 連結全社 6.7%
  • スマートコミュニケーション部門 5.3%

部門値は各部門のセグメント利益÷売上高の計算値です。 連結全社6.7%です。

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

外販用フォトマスクのシェアと部門の利益率が強みで、その裏側に半導体関連を部門の内数とする開示区分と、フォトマスク投資による固定費増が同じ決算に載ります。

強み

  • 外販用フォトマスクでのシェア

    公式の事業ストーリーには、半導体関連事業の基幹製品であるフォトマスクでトップレベルのシェアを獲得していると記載されています。

    半導体関連の事業ストーリー(フォトマスク)
  • 売上構成比16.6%に対する利益貢献

    FY2026/03のエレクトロニクス部門は売上2,518億円で全社の16.6%、セグメント利益507億円は3部門合計1,279億円の39.6%にあたります。

    2026年3月期 決算短信(2026年5月13日)
  • 最先端領域への到達点

    統合報告書2025には、テクノロジーノード2nmレベルのパターン解像に成功したこと、EUV用マスクを2027年に本格量産開始する計画、ナノインプリントを2027年に量産開始する計画が載ります。

    統合報告書2025 注力事業 半導体関連
  • 後工程部材への拡張

    TGVガラスコア基板のパイロットラインを久喜工場(埼玉県)に新設し、2025年12月から順次稼働。 パネルサイズ510×515mmで、充填タイプとコンフォーマルタイプの2種類を製造します。

    TGVガラスコア基板パイロットライン新設(2025年12月16日)

リスク・検討点

  • FY2026/03の部門営業利益は減益

    エレクトロニクス部門の営業利益は507億円で前期比11.6%減でした。 決算短信は、為替の影響と半導体製造用フォトマスクの設備投資・開発投資による固定費増加を理由に挙げています。

    2026年3月期 決算短信(2026年5月13日)
  • 全社は印刷・情報が主体

    FY2026/03の売上構成比はスマートコミュニケーション部門49.6%、ライフ&ヘルスケア部門33.9%、エレクトロニクス部門16.6%です。 半導体専業の会社との比較には、エレクトロニクス部門の数値が合います。

    事業領域(セグメント別売上高)

04待遇

給与、初任給、休日、手当

新卒初任給(2026年度)

円 · 月額 · 新卒採用 採用情報
  • 修士了 30.2万円
  • 大卒・高専(専攻科)卒 28.2万円
  • 高専(本科)卒 25.6万円

いずれもキャリア自律支援金1万円を含む金額として掲載されています。

昇給・賞与
昇給は年1回(4月)、賞与は年2回(6月・12月)です。
勤務時間
フレックス勤務制(コアタイムなし)と記載されています。 職場により異なる場合ありの但し書きが付きます。
休日休暇
完全週休2日制(土・日)、祝祭日、社休日(5月1日・6月16日)、夏期休暇、年末年始休暇ほかで、2025年度の年間休日は128日です。 有給休暇は入社初年12日、勤続満4年以上で最高20日です。
諸手当
所定外勤務手当、公的資格手当、次世代育成・介護支援手当が掲載されています。 交通費は全額支給です。
キャリア採用の待遇
給与は当社規程により決定、賞与は年2回(6月・12月)、昇給は年1回(4月)、2026年度の休日数は128日と記載されています。 募集職種と勤務地は キャリア採用の募集職種一覧 に載ります。

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

技術系総合職の勤務地は東京、福島、茨城、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、岡山、広島、福岡ほかです。 半導体とディスプレイの製造拠点は、決算短信とニュースリリースに工場名で載ります。

主な勤務地・拠点

本社
東京都新宿区市谷加賀町一丁目1番1号大日本印刷株式会社
久喜工場
埼玉県久喜市TGVガラスコア基板のパイロットライン(2025年12月から順次稼働)
黒崎工場
福岡県有機ELディスプレイ製造用メタルマスク(第8世代サイズ対応ライン)
三原工場
広島県ディスプレイ用光学フィルム(2,500mm広幅対応コーティング装置)
技術系総合職の勤務地
東京、福島、茨城、埼玉、千葉、神奈川、京都、大阪、岡山、広島、福岡ほか
公式採用の勤務地欄

新卒・キャリアの募集区分

  • 技術系総合職オープンコース
  • 技術系地域限定総合職コース(九州・中四国)
  • 研究開発
  • 製品・プロセス開発
  • システム開発
  • 事務系総合職(営業・企画・コーポレートスタッフ)
  • デザイン系総合職(ディレクター職)
  • キャリア採用(研究開発・生産技術・品質・営業・DX)

技術系総合職の採用学部学科は不問と記載され、対象専攻には機械、電子、電気、情報、経営工学、数学、化学・材料、化学工学、物理、生物が載ります。

応募の入口

  1. 新卒採用はEntry / My Page(マイページ)へ登録する
  2. マイページ掲載の募集要項から、コース区分と勤務地を書き出す
  3. キャリア採用は募集職種一覧から職種を選び、会員登録と応募書類をアップロードする
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

2026年4月から3か年の中期経営計画が始まり、2028年度の営業利益1,300億円が計画値として公表されました。 エレクトロニクス部門は半導体関連とデジタルインターフェース関連の両方が注力事業です。

公式に公表された目標値と、直近実績の位置

  • 連結営業利益 2028年度計画 1,300億円 縦線はFY2026/03実績の1,010億円。 1,010÷1,300の計算
  • エレクトロニクス部門 売上高 FY2027/03会社予想 2,740億円 縦線はFY2026/03実績の2,518億円。 2,518÷2,740の計算
  • 半導体関連の設備投資 2026〜2028年度 300億円 縦線は2023〜2025年度の200億円。 統合報告書2025の記載
  • 2028年度 ROE 9.0%
  • 半導体関連は注力事業
  • EUV用マスク 2027年本格量産開始
  • TGVガラスコア基板 2030年度の量産化を想定

いずれも2026年5月13日公表の中期経営計画と統合報告書2025・2026の計画値です。 実績はFY2026/03の欄に載ります。

これからの材料

フォトマスクの投資と量産計画
半導体製造用フォトマスクは、2026-2028年度の中期経営計画で300億円規模の生産拡大投資が計画され、EUVリソグラフィに対応したフォトマスクの製造も推進するとされています。 2026年3月期 決算短信 の「今後の見通し」に記載があります。
公的事業と研究機関との連携
NEDOの「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」に再委託先として参画し、2027年度の量産開始に向けて生産技術を確立する計画です。 DNPはimecと協力し、1nm世代も見据えたフォトマスク製造技術の開発を続けています。

2026〜2028年度の中期経営計画

2026年4月に始まった3か年計画で、最終年度の2028年度に営業利益1,300億円、ROE9.0%を計画しています。 エレクトロニクス部門は半導体関連とデジタルインターフェース関連の両方が注力事業です。 FY2026/03の実績は営業利益1,010億円です。

フォトマスクへの300億円規模の設備投資

統合報告書2025は2026〜2028年度の設備投資計画を300億円とし、最先端領域のEUV用フォトマスク量産化とナノインプリントの事業化、先端〜ボリュームゾーンの生産体制強化を投資対象に挙げています。 2025年の公表時点の計画です。2023〜2025年度は200億円の実行計画でした。

回路線幅10nmのNIL用テンプレート

2025年12月9日に、1.4nm世代相当のロジック半導体に対応する回路線幅10nmのナノインプリント用テンプレートを開発したと公表しました。 DNPは顧客との検証を始めており、2027年の量産開始を目指しています。 採用は半導体メーカーの検証結果しだいです。2030年度にNIL事業で40億円の売上増という数値も目標値です。

TGVガラスコア基板の量産化

久喜工場(埼玉県)のパイロットラインが2025年12月から順次稼働し、2026年初頭にサンプルの提供を始めました。 DNPは2030年度の量産化を想定した投資を計画しています。 DNPは半導体メーカーの採用判断を2027年末〜2028年前半、量産開始を2030年度から順次と見込んでいます。2025年12月の発表では2028年度の量産開始を掲げていました。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

全社は印刷と情報が主体で、半導体に関わるのはエレクトロニクス部門です。 前工程の原版、後工程のパッケージ部材、ディスプレイ部材から担当したい領域を1つ選び、そこから応募コースを1つに絞ります。

技術

研究開発(微細加工・材料)

中長期を対象に、新製品、新技術、新規事業の創出へ携わる入口です。 フォトマスクとナノインプリントの原版技術がここに載ります。

公式採用情報
プロセス・生産

製品・プロセス開発 / 生産技術

製品の開発と、機能やプロセス技術の改良・改善、運用に携わる入口です。 各部門と連携して顧客のニーズに応えます。

公式採用情報
制御・情報

システム開発 / データ活用

企業や生活者とのコミュニケーションを通してシステムやサービスを提供する入口です。 LSI設計もエレクトロニクス部門の商材に載ります。

  • Software
  • Data Analysis
  • LSI Design
  • Automation
公式採用情報

応募前の3手

  1. フォトマスク / NILテンプレート / TGVガラスコア基板・リードフレーム / ディスプレイ部材から担当したい製品を1つ選ぶ
  2. 研究・実務の測定値を1つ用意し、線幅、欠陥、平坦性、歩留まりのどれと結ぶかを選ぶ
  3. 採用情報のコース区分(技術系総合職オープン / 九州・中四国の地域限定)と勤務地を公式ページから書き出す
公式採用へ

面接で使う技術語

  • Photomask
  • EUV Lithography
  • Nanoimprint
  • Defect Control
  • Pattern Fidelity
  • Etching
  • Precision Coating
  • TGV
  • Yield
  • Process Integration

他社との違いを一言で

  • 外販フォトマスク / 印刷由来の部材

    TOPPANホールディングス

    外販フォトマスクで直接競合します。

  • 外販フォトマスク

    Photronics

    フォトマスク専業の競合です。決算短信では、Photronics DNP Mask Corporationと同Xiamenがエレクトロニクス部門の持分法適用関連会社として記載され、合弁の関係も併存します。

  • 半導体パッケージ基板

    新光電気工業

    決算短信ではエレクトロニクス部門の持分法適用関連会社として記載され、公式の事業ストーリーにも2025年の出資が載ります。

  • パッケージ基板 / 後工程部材

    イビデン

    FC-BGAなどのパッケージ基板で重なります。DNPはコア材のTGVガラスコア基板とリードフレームが起点で、基板の完成品メーカーとは工程範囲が別です。

参照資料一覧へ

出典13件

ほか5件

他の半導体企業と比べる