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プロセスノードとは

プロセスノードとは、製造プロセスの世代を示す名前です。 3nmや2nmといった数字は、いまではチップ上の特定の寸法から離れ、世代の識別子として使われています。世代の効果は各社が自社の前の世代と比べた割合で示すので、ノード名を並べても他社との比較にはなりません。比べる材料は、公開された電力・性能・面積の実数と、その基準になった世代の組です。

立体構造になって、代表になる1つの長さが選べなくなった

Section titled “立体構造になって、代表になる1つの長さが選べなくなった”

かつてノード名は、ゲート長やハーフピッチといった実際の寸法と対応していました。世代が進むたびに寸法が一定の比率で縮み、名前もそれに従いました。平面のトランジスタでは、ゲートの長さという1つの寸法が世代を代表できました。

対応が崩れたのは、構造が平面から立体へ移った時期です。FinFETは縦に立ったシリコンのフィンを中心に持ち、ナノシート型の1GAAは細いシリコンのリボンを積み重ねた形で、チャネルが基板から浮いています。高さを取るか、幅を取るか、間隔を取るかで代表になる数字が別々に出るため、「その世代を代表する1つの長さ」を選ぶこと自体が難しくなりました。名前は残ったまま、指し示すものが寸法から世代へ移りました。

代表になる長さ
プレーナFinFETGAAゲート長幅高さ幅間隔チャネル(Si)ゲート基板
平面のトランジスタではゲート長が世代を代表しました。FinFETではフィンの高さと幅、GAAではシートの幅と間隔が別々の寸法になり、1つの長さで世代を名指せなくなりました。

効果は自社の前世代比で示され、基準は会社ごとに別

Section titled “効果は自社の前世代比で示され、基準は会社ごとに別”

寸法で世代を語れなくなった以上、示せるのは結果です。Samsungは、GAAアーキテクチャを適用した3nmプロセスノード2の第1世代が5nmと比べて消費電力を最大45%削減、性能を23%向上、面積を16%削減し、第2世代では最大50%削減・30%向上・35%削減になるとしています。仕組みについてSamsungは、供給電圧を下げて電力効率を上げ、駆動電流を増やして性能を上げるとしています2。

TSMCはN2を、自社の最先端だったN3と比べて示しています。速度を最大15%上げるか、電力効率を最大30%高められ、密度は15%上がる1という数字です。15%と30%は、速度を上げる場合と電力効率を高める場合のそれぞれの上限です。

自社の前世代が基準
Samsung 3nm(5nm比)TSMC N2(N3比)電力45%50%性能23%30%面積16%35%速度または15%電力効率30%密度15%第1世代第2世代
Samsungの3nmは5nm、TSMCのN2はN3を基準にした最大の改善幅で、TSMCの速度と電力効率はどちらか一方を取る値です。棒の起点はどちらも自社の前の世代で、起点そのものが会社ごとに違います。

基準は常に自社の前の世代です。他社の数字と比べるには、それぞれの基準世代までそろえる作業が要ります。ノード名だけの比較が成り立つ条件は、名前が寸法と対応していることと、性能の記述が絶対値であることの2つです。実際には、名前は寸法から離れ、性能の記述は相対値です。比べるときに取るのは、公開された電力・性能・面積の数字と、その基準になった世代の組です。

1世代ぶんの伸びは一定でなく、SRAM密度はN3で6%、N2で11%

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世代の名前が1つ進んでも、得られる伸びは毎回同じではありません。TSMCのN2のSRAM密度は1平方ミリメートルあたり38メガビットで、N3から11%の向上です1。そのN3は、自身の前の世代に対して6%しか伸びませんでした。名前の刻みは1段ずつでも、11%と6%を比べると、中身の伸びは2倍近く違います。ノード名から性能の差を読もうとすると、この違いを取りこぼします。

GAAでは同じチップにシート幅の違うトランジスタが並ぶ

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ナノシート型の構造は、電流の流れをよく制御できるうえ、シートを広くしたり狭くしたりして多様なデバイスを作れます1。TSMCはこれをNanoflexと呼び、シート幅の違うロジックセルを同じチップに作れる技術としています1。狭いデバイスのセルはチップの一般的なロジックに、電流を多く流せて速くスイッチできる広いシートのセルはCPUコアに使うことが考えられています。SRAMセルでもシート幅が選択肢に加わりました。

1枚のチップの中
狭いシート広いシート一般ロジックCPUコア・駆動電流 大チャネル(Si)ゲート基板
狭いシートのセルは一般ロジックに、広いシートのセルはCPUコアに使うことが考えられています。同じノード名の1枚のチップに、駆動力の違うトランジスタが同居します。

世代を作るのは寸法と、材料・構造・露光の方式

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Samsungは180nmから2nmおよびその先までのロジック技術を提供するとし3、HKMGとFinFETからEUVとGAAへという流れを挙げています。並んでいるのは、材料と構造と露光の方式です。ゲートの絶縁膜をHigh-k材料へ替え、トランジスタを立体にし、露光をEUVへ替え、さらにチャネルを浮かせる。世代の中身は、こうした変更の組み合わせです。

構造の切り替わりは会社ごとに時期が違います。Samsungは3nmでGAAを適用した初期生産を始め2、ナノシートトランジスタを高性能・低消費電力の演算向けチップから適用し、モバイル向けプロセッサへ広げる計画としています2。TSMCにとっては2nmのN2がナノシート型GAAを採用する最初の世代で1、IntelとTSMCはどちらも2025年の生産開始を見込んでいました。Samsungは3nm、TSMCは2nmでナノシート型へ移っており、構造が切り替わった世代の名前は会社ごとに違います。

寸法を縮める道の難度が上がるほど、材料・構造・露光の組み合わせの比重が増します。ノード名という1つの数字が、内訳の異なる多くの変更を代表しています。

プロセスノードとは何ですか?

製造プロセスの世代を示す名前です。3nmや2nmといった数字が付きますが、現在その数字は特定の寸法ではなく、世代の識別子として使われています。

3nmは何かの長さですか?

世代の名前です。かつてはゲート長など具体的な寸法と対応していましたが、FinFETやGAAのように構造が立体になると、高さ・幅・間隔のどれを代表にするかが決まらなくなり、対応が崩れました。

では世代の効果はどう示されるのですか?

前の世代と比べた割合で示されます。Samsungは3nmの第1世代について、5nmと比べ消費電力を最大45%削減、性能を23%向上、面積を16%削減するとしています。TSMCはN2をN3と比べて示しており、基準はどちらも自社の前の世代です。

他社のノード名どうしを並べれば比較になりますか?

比較の土台になるのは、公開された電力・性能・面積の実数です。各社が自社の前世代を基準に命名しているため、同じ数字のノード名でも中身は各社ごとに別です。名前のかわりに、実数と、その基準になった世代の組を比べます。

どこまで細かくなりますか?

Samsungは、180nmから2nmおよびその先までのロジック技術を提供するとしています。TSMCのN2は、同社で初めてナノシート型のGAAを採用した世代です。

微細化以外に何が世代を作りますか?

材料と構造と露光の方式です。HKMGとFinFETからEUVとGAAへという流れのとおり、寸法を縮めるだけでなく、ゲートの材料やトランジスタの形、露光の方式を変えることで世代が進んできました。

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    Samsung Foundry:Process Technologysemiconductor.samsung.com ↩