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半導体デバイス 磁気センサーIC・パワーIC

Allegro MicroSystems

磁気センサーICで首位を名乗り、データセンターへ広がる米国のICメーカー

電流・位置・回転を磁気で測るセンサーICと、モーターを回すパワーICの設計会社です。
データセンター向けが売上の17%に達した2027年3月期第1四半期は、売上高が前年同期比27.5%増えました。

Allegro MicroSystemsは 磁気センサーICとパワーIC を設計し、売上の70.6%が車載向けです。 2026年3月期の産業・その他向け売上 は前期比37.8%増で、車載向けの17.4%増を上回りました。

  • 2026年3月期 売上高 1,408億円 前期比22.8%増。 売上の70.6%が車載向け
  • 2026年3月期 営業利益 29億円 前期は営業損失−31億円。 研究開発費は売上の23.1%
  • 2027年3月期 第1四半期 売上高 410億円 前年同期比27.5%増、営業利益率9.8%

2026年3月期の製品別売上高

  • 磁気センサー852億円
  • パワーIC556億円

この会社の要点

向いている入口 テスト開発エンジニア(Test Development Engineer)

電気工学、電気・コンピューター工学、電気工学技術の学士または修士で、経験0〜5年(インターン・コープを含む)の人。

入口を選ぶ
主なリスク 売上の7割が車載向け

自動車メーカー向けに部品を納める顧客が、2026年3月期の売上の70.6%を占めました。 前期は73.8%です。 会社は、この集中で自動車市場のリスクを負うと記載しています。

強みとリスク
出典 出典一覧(14件)

公式 6件 / IR 4件 / 採用 4件

01立ち位置

何の会社として比べるか

Allegroは磁気センサーとパワーICを設計し、ウェーハ製造を外部ファウンドリーに任せる会社です。 2026年3月期の売上高は1,408億円で、70.6%を車載向けが占めました。

通期と四半期の実績

2025年3月期から2027年3月期第1四半期までの売上高

2026年3月期 年次報告書

通期売上高

億円 · 年次報告書
  • 2025年3月期 1,147億円
  • 2026年3月期 1,408億円

第1四半期売上高

億円 · 四半期報告書
  • 2026年3月期 第1四半期 321億円
  • 2027年3月期 第1四半期 410億円
2026年3月期

どの地域へ出荷しているか

年次報告書の地域別売上高

出荷先地域別売上高

億円 · 出荷先基準
  • 中華圏 394億円
  • その他アジア(台湾を含む) 249億円
  • 日本 238億円
  • 欧州 190億円
  • 米国 144億円
  • 韓国 123億円
  • その他米州 66億円
電流・位置・速度センサー

磁気センサーIC

電流が作る磁界を検出して電流値を測り、磁石の動きから位置や回転速度を非接触で測るICです。 2026年3月期の売上は852億円で、全社の60.5%を占めました。 電流センサーは車載充電器、DC-DCコンバーター、インバーター、AIデータセンターの電源に使われます。 TMR方式はXtremeSenseの名で展開し、GaNやSiCの高速スイッチングに合わせた10MHz帯域の電流センサーをそろえます。

  • 電流センサーIC
  • 位置センサーIC
  • 速度センサーIC
  • XtremeSense TMRセンサー
モータードライバー・電源IC

パワーIC

モーターを回す駆動ICと、電源を作り制御するICの群です。 モータードライバー、DC-DCレギュレーター、安全用PMIC、LEDドライバー、高電圧の絶縁ゲートドライバーで構成します。 2026年3月期の売上は556億円で、前期比40.4%増えました。 絶縁ゲートドライバーはGaNやSiCのパワー素子を駆動する部品で、Power-Thru技術は絶縁型DC-DCコンバーターと駆動回路を1つのICにまとめます。

  • モータードライバーIC
  • レギュレーター・安全用PMIC
  • LEDドライバーIC
  • 絶縁ゲートドライバー(Power-Thru)
車載用ホール効果センサー

回転速度・位置センサー

回転の速さと向きをホール効果で検出するセンサーICで、会社はこの分野での市場リーダーの立場を掲げています。 カムシャフト、クランクシャフト、トランスミッション、ホイール速度(ABS)の4つの車載用途に合わせた品をそろえます。 直線や回転の絶対位置を非接触で測るポジションセンサーICの系列もあります。

  • 回転速度・方向検出ホール効果センサーIC
  • 絶対ポジションセンサーIC
BLDC・ステッパ・ゲートドライバー

モータードライバー

ブラシDC、ステッパ、ブラシレスDC(BLDC)の各モーターを動かす駆動ICです。 絶縁ゲートドライバーは、競合品と比べて最大50%の小型化を実現できると会社は説明します。 A4942はセンサーを使わずに3相BLDCファンを回すICで、小型ダクトファンのハブ基板に載る大きさです。 A4915は1つのアナログ電圧でBLDCモーターの速度を制御します。

  • A4942 3相センサレスBLDCファンモータードライバー
  • A4915 3相MOSFETドライバー
  • 絶縁ゲートドライバー

02収益

どこで、どれくらい儲けているか

伸びの中心はパワーICと産業・その他向けです。 2026年3月期のパワーICは40.4%増、産業・その他向けは37.8%増で、どちらも全社の22.8%増を上回りました。

2026年3月期 売上高・売上総利益

売上高1,408億円 / 売上総利益651億円

売上高は前期1,147億円から22.8%増えました。 売上総利益率は44.3%から46.3%へ上がっています。

2026年3月期 営業利益・純損失

営業利益29億円 / 純損失−23億円

前期の営業損失−31億円から黒字に戻りました。 売上総利益651億円のうち、研究開発費に325億円、販管費に286億円を使いました。

2027年3月期 第1四半期 売上高・営業利益

売上高410億円 / 営業利益40億円

売上高は前年同期の321億円から27.5%増えました。 売上総利益率は44.9%から48.5%へ上がり、営業利益率は9.8%です。

2026年3月期 営業キャッシュフロー・設備投資

営業キャッシュフロー258億円 / 設備投資60億円

前期の営業キャッシュフローは97億円でした。 設備投資は有形固定資産の購入額です。

2027年3月期 第2四半期 会社予想

売上高419億円〜435億円

中央値で前年同期比26%増を見込みます。 会社は受注の増加と受注残の拡大を挙げています。

2026年3月期の製品別・市場別売上高

億円 · 年次報告書
  • 磁気センサー 852億円 前期750億円から13.5%増
  • パワーIC 556億円 前期396億円から40.4%増
  • 車載向け 994億円 前期846億円から17.4%増
  • 産業・その他向け 413億円 前期300億円から37.8%増、構成比29.4%

売上総利益率

% · 年次報告書と四半期報告書
  • 2025年3月期 44.3%
  • 2026年3月期 46.3%
  • 2026年3月期 第1四半期 44.9%
  • 2027年3月期 第1四半期 48.5%

03強みとリスク

強みと、リスク・検討点

強みは、車載の厳しい温度・電圧条件に合わせて作り込んだ磁気センサーとパワーICの両方を持つことです。 会社は磁気センサーICの市場シェア世界首位を掲げています。

強み

  • 磁気センサーICで世界首位を名乗る製品群

    会社は磁気センサーICの市場シェア世界首位を掲げています。 製品は1,500品種を超え、年間約21億個を15,000社超の顧客へ出荷します。 ホール効果、GMR、TMRの3方式をそろえる品ぞろえが土台です。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • パワーICが成長をけん引

    2026年3月期のパワーIC売上は556億円で、前期比40.4%増えました。 磁気センサーの13.5%増を大きく上回ります。 増収の主因はモーター向けと高性能電源向けの製品です。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 車載の高温・高電圧に合わせた独自プロセス

    120V・175℃に対応するBCD(バイポーラ・CMOS・DMOSを1枚のウェーハに載せる)ウェーハ技術を自社で開発し、外部ファウンドリーで量産します。 有効特許は約1,860件で、うち米国特許が1,005件です。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 直近四半期で利益率が改善

    2027年3月期第1四半期の売上高は410億円で、前年同期比27.5%増でした。 売上総利益率は44.9%から48.5%へ上がり、営業利益は40億円です。 前年同期は営業損失でした。

    四半期報告書(Form 10-Q)2027年3月期 第1四半期
  • 特定顧客に偏らない販売構造

    2026年3月期に売上の10%を超えた最終顧客はいません。 上位20社(代理店を含む)で売上の約半分です。 最大の代理店でも売上の9.4%にとどまります。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期

リスク・検討点

  • 売上の7割が車載向け

    自動車メーカー向けに部品を納める顧客が、2026年3月期の売上の70.6%を占めました。 前期は73.8%です。 会社は、この集中で自動車市場のリスクを負うと記載しています。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 中華圏が最大の販売先

    2026年3月期の売上の28.0%が中華圏向けで、日本の17.0%、台湾の10.0%が続きます。 米国外の売上は89.7%に達します。 仕入先が地政学や貿易制限を理由に供給を絞る恐れも挙げています。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 外部ファウンドリーと希土類に依存

    ウェーハ製造はUMC、Polar、Tower、TSMCなど少数の外部工場に頼ります。 磁気センサーには希土類のサマリウムを使います。 組立の約51%も外部委託です。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 研究開発費が重く利益は薄い

    2026年3月期の研究開発費は売上の23.1%、販管費は20.3%でした。 営業利益率は2.1%にとどまり、最終損益は−23億円の赤字です。 製品の平均販売価格は下がる傾向にあると会社は記載しています。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期
  • 日本向け売上は前期割れ

    2026年3月期の日本向け売上は238億円で、前期の243億円から1.9%減りました。 個人・産業用輸送機器と快適・利便装備向けが減り、データセンターとADAS向けの増加では補えませんでした。

    年次報告書(Form 10-K)2026年3月期

04待遇

給与、初任給、休日、手当

報酬は、年次の現金インセンティブと株式報酬で会社業績に連動させる設計です。 営業職と技術営業職には販売目標に連動する別の制度があります。

年次インセンティブ
営業職以外の全社員が、会社業績と個人の成果に連動する年次の現金インセンティブ制度に参加します。 年次報告書
営業インセンティブ
営業職とフィールドアプリケーション職は、販売指標の達成度で現金を上乗せする年次の営業インセンティブ制度に入ります。 年次報告書
株式報酬と従業員持株
多くの社員に株式報酬の機会があり、米国と英国では役員以外の社員が割引価格で自社株を買える従業員株式購入制度を使えます。 年次報告書
福利厚生
社員と家族の健康を支える福利厚生を用意し、寄付のマッチング制度とボランティア制度を全世界で設けています。 年次報告書
学位の比率
約4,250人の社員のうち約2,350人が大学・大学院の学位を持ちます。 研究、エンジニアリング、生産管理の職には学位を求めます。 年次報告書

2026年3月27日の従業員4,250人の部門配置

  • 製造・品質2,950人
  • 研究開発760人
  • 管理部門305人
  • 営業・マーケティング235人

05勤務地と職種

どこで、どんな仕事をするか

社員の約7割は製造・品質に属し、その多くがマニラの組立・試験工場AMPIで働きます。 本社のマンチェスターは研究開発と追加の試験機能を持ちます。

主な勤務地・拠点

米国ニューハンプシャー州マンチェスター
本社、研究開発、管理の拠点で、延床面積は約125,000平方フィートの自社保有です。 AMPIを補う試験機能もあります。
フィリピン・マニラ(AMPI)
組立・試験・仕上げを担う主力の自社工場で、延床面積は約440,000平方フィートです。
フィリピン・モンテンルパ
研究開発と管理の拠点で、延床面積は約40,000平方フィートの賃借です。
設計・アプリケーション支援拠点
研究開発センターは米国、欧州、南米、アジアにあります。 会社全体の拠点は4大陸27か所です。
年次報告書(Form 10-K)2026年3月期

仕事で使う技術

  • ホール効果センサー
  • TMR(トンネル磁気抵抗)
  • BCDプロセス
  • ウェーハプローブ試験
  • 自動試験装置(ATE)
  • 故障解析
  • 絶縁ゲートドライバー
  • IATF 16949

年次報告書と募集要項に出てくる技術と工程です。

応募前の3手

  1. 磁気センサー60.5%・パワーIC39.5%の売上構成と、それぞれの伸び率を言えるようにする
  2. ウェーハプローブから最終試験、AMPIでの組立までの流れを図に描く
  3. 東京か米国か勤務地を決め、就労資格とビザの条件を募集要項で照らす
公式採用へ

06これから

会社が次に取りにいくもの

成長をけん引しているのはデータセンター向けです。 2027年3月期第1四半期には売上の17%に達し、会社は第2四半期も前年同期比26%増を見込みます。

これからの材料

第2四半期の会社予想
2027年3月期第2四半期の売上高を419億円〜435億円と予想し、中央値で前年同期比26%増です。 第1四半期 決算発表
データセンター比率の上昇
データセンター向けは2026年3月期第4四半期に売上の14%となり、当時の過去最高を記録しました。 通期 決算発表
台湾向けの急増
2027年3月期第1四半期の台湾向け売上は67億円で、前年同期比219.3%増でした。 主因はデータセンター用途の需要です。 第1四半期報告書
日本法人とサンケン電気
日本法人Allegro MicroSystems Japan GKは、サンケン電気から国内の事務所を転借しています。 サンケン電気が持っていた日本での独占販売権はすでに解消されました。 第1四半期報告書

AIデータセンターの冷却と電源

モータードライバーはデータセンターの冷却ファンやポンプで広く使われています。 電源では、48Vや800Vへの高電圧化に合わせて電流センサーの需要が増えると会社はみています。

ステアバイワイヤと電動ブレーキ

電動パワーステアリングからステアバイワイヤへ、電気油圧式から電気機械式ブレーキへの移行で、ADASの1システム当たりの搭載量が増えると会社は考えています。 新製品は設計開始から売上計上まで通常2〜4年かかります。

ロボット向けの位置・電流センサー

倉庫用、産業用、協働、人型の各ロボットは高い精度と安全性を求めます。 会社はこの要求がADASで培った強みと重なるとし、モータードライバーとセンサーの組み合わせで参入を広げます。 顧客が出す需要予測は購入を確約するものではありません。

アジアでの地域生産

アジアで新たなファウンドリーと組立・試験の委託先(OSAT)を認定し、地域ごとの供給網を広げています。 中国では現地でのエンジニアリング支援を重視します。 仕入先は地政学や貿易制限を理由に、納期延長や供給制限、値上げをする可能性があります。

07入口を選ぶ

専攻から、入口を1つに絞る

新卒に近い人の入口はマンチェスターのテスト開発で、経験0〜5年が対象です。 日本で働くなら、経験8年以上が条件の東京の営業職が窓口になります。

技術職

テスト開発エンジニア(Test Development Engineer)

Product and Test Engineeringチームで、ウェーハプローブと最終パッケージ試験に使う自動試験のプログラムをC/C++で書きます。 DIB、プローブカード、ソケットなどの試験治具の設計を補助し、マニラのAMPIを含む製造チームと連携して試験を量産へ移します。

募集要項 テスト開発エンジニア(R6937)
技術職

故障解析エンジニア(Failure Analysis Engineer)

故障した磁気センサー、パワーIC、モータードライバーを電気・物理・材料の面から解析し、原因を突き止めます。 結果は設計、プロセス、製品、テスト、信頼性の各チームと共有し、是正策につなげます。

募集要項 故障解析エンジニア(R6839)
営業職

チャネルパートナーマネージャー(Channel Partner Manager)

日本の代理店網を率い、自動車(OEM・Tier 1)と産業機器(ロボット・自動化)でTMRセンサー、電源管理IC、モータードライバーのデザインイン獲得を進めます。 代理店の業績と在庫を四半期ごとに点検します。

  • 代理店営業
  • デザインイン
  • TMRセンサー
  • 車載Tier 1
募集要項 チャネルパートナーマネージャー 東京(R6256)

応募前の3手

  1. テスト開発の募集要項でETS-88などの試験装置名を確かめ、似た装置の経験を整理する
  2. 故障解析の募集要項にあるSEM/EDX、FIB、OBIRCHのうち使える手法を棚卸しする
  3. 東京の募集要項で日本の自動車系列と産業自動化の知識が求められる点を確かめ、担当経験を書き出す
公式採用へ

面接で使う技術語

  • 自動試験装置(ATE)
  • ウェーハプローブ
  • C++
  • Gage R&R
  • ファーストシリコン評価
  • 故障解析
  • SEM/EDX
  • FIB
  • OBIRCH
  • 根本原因解析

職種名と勤務地は会社のWorkday募集要項の記載です。

他社との違いを一言で

  • 車載の磁気速度・角度センサー

    Infineon

    Infineonは磁気速度センサーとして変速機用、エンジン用、車輪速用を、磁気位置センサーとして角度センサーやリニアセンサーをそろえます。Allegroは磁気センサーに加え、売上の39.5%をモータードライバーなどのパワーICで稼ぎます。

  • ホールIC

    ローム

    ロームはAEC-Q100に適合した耐圧42Vのホールセンサーや、モーター回転検出向けのラッチ型ホールICをそろえます。Allegroはホール効果に加え、GMRとTMRの方式もそろえます。

  • TMR・ホールの磁気センシング

    TDK

    TDKはSmartMagneticsとして、TMR、ホールセンサー、PositionSenseを組み合わせた品ぞろえを掲げます。AllegroのTMRはXtremeSenseの名で、10MHz帯域の電流センサーまで広げています。

参照資料一覧へ

出典14件

ほか6件

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