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中国半導体製造装置、日本勢と重なる3社|洗浄・塗布現像・CMP、売上は9割超が中国

この記事が中国の半導体装置メーカー8社の製品群を工程ごとに当てはめると、日本の装置大手の主力製品と製品分類が重なるのは3社だ。ACM Research(盛美上海)の洗浄・めっきはSCREENとTELの、Kingsemi(芯源微)の塗布現像はTELの、Hwatsing(華海清科)のCMPと薄化は荏原とDiscoの製品分類と重なる。3社とも売上の9割超を中国で上げる。つまり3社が伸びている市場は、SCREENやTELが売上の3〜4割を置く中国市場だ。

世界シェアで比べると、差はまだ大きい。Gartnerの2025年データでは、洗浄装置全体の世界シェアはACMが8.0%で第4位1、TELが20%だ2。前者はACMの年次報告、後者はTELの決算資料が引く値だ。塗布現像装置では、TELの世界シェアは91%2に達する。

中国8社は6つの工程に分かれ、日本勢と製品分類が重なるのは3社

Section titled “中国8社は6つの工程に分かれ、日本勢と製品分類が重なるのは3社”

半導体の前工程は、回路の形を写すリソグラフィ、膜を削るエッチング、膜を付ける成膜、ウェーハを洗う洗浄、表面を平らに削るCMP、出来を確かめる検査・計測に分かれる。装置メーカーはこの工程ごとに競う。中国の主要8社を工程で分けると、下の表になる。

工程中国の代表企業主な製品既存大手
エッチング・MOCVDAMEC(中微公司)CCP・ICPエッチング、MOCVDLam Research、Applied Materials、TEL
複数の前工程NAURA(北方華創)エッチング、PVD・CVD・ALD、洗浄、炉、イオン注入Applied Materials、TEL、Lam Research
成膜Piotech(拓荆科技)PECVD、ALD、HDPCVDApplied Materials、Lam Research、TEL
洗浄・めっき・塗布現像・CMPACM Research、Kingsemi、Hwatsing洗浄、めっき、塗布現像、CMP、薄化SCREEN、TEL、荏原、Disco、Applied Materials
検査・計測Skyverse(中科飛測)欠陥検査、重ね合わせ・OCD・膜厚計測KLA、Onto Innovation
リソグラフィSMEE(上海微電子)90〜280 nmの層を扱う露光装置ASML、Canon
図1工程ごとの製品群の重なり
露光エッチ成膜洗浄・めっきCMP・加工検査・計測既存大手ASMLTELLam・AMATTELAMAT・LamTELSCREENTEL荏原・AMATDiscoKLAOntoAMECエッチNAURAエッチ・成膜・洗浄PiotechPECVD・ALDACM Research塗布現像PECVD洗浄・めっきHwatsing洗浄CMP・薄化Skyverse欠陥・計測SMEE90〜280nmKingsemi塗布現像湿式エッチ洗浄・剥離主力製品の工程製品群に含まれる他の工程SMEEの露光機(公式サイト掲載機が扱う層の範囲)AMAT=Applied Materials、Lam=Lam Research、Onto=Onto Innovation6列に入らない製品群:AMECのMOCVD、NAURAの炉・イオン注入、Kingsemiの仮接合
この記事が製品群を工程に当てはめると、日本勢の主力と重なる洗浄・めっき、CMP・加工、塗布現像の列に製品を持つのはACM Research、Hwatsing、Kingsemiの3社になる。NAURAはエッチ・成膜・洗浄の3列にまたがる。

日本勢が強い工程は、表の4行目に集まっている。ACMは年次報告で、日本の装置メーカーはエッチング、洗浄、塗布、現像などを得意とする1と書く。エッチングと成膜ではAMEC、NAURA、PiotechがLam ResearchやApplied Materialsと競い、TELも相手になる。こちらの3社が売上でどこまで来たかは、中国のエッチング・成膜装置の売上を比べた記事で扱う。

ACMは、中国の12インチ工場の枚葉洗浄の供給元に自社をSCREEN・TELと並べる

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枚葉洗浄は、ウェーハを1枚ずつ回しながら薬液で洗う方式で、先端工場の洗浄の主流だ。ACMの年次報告によると、世界の枚葉洗浄はSCREEN、TEL、Lam Research、SEMESの4社でシェアの9割近くを占め、SCREENは41%以上1を持つ。SCREENが自社資料でGartnerの2025年データから示す枚葉洗浄のシェアは34%で首位だ3。41%以上はACMの年次報告の記述、34%はSCREENの決算資料の値で、出所が違う。ACMは、中国の12インチ工場の枚葉洗浄装置は主にSCREEN、ACM、Lam Research、TELから来ていると書く。

ACMの2025年の売上は67.86億元で前年比20.80%増だった1。製品別では洗浄装置が45.06億元で、売上の約3分の2を占める。主営業務収入のうち中国大陸向けは64.74億元、中国大陸以外は0.29億元で、計算すると99%超が中国大陸だ。中国国内のシェアについてACMは、中銀証券の累計データとして23%を引いている。

ACMは洗浄だけでなく、めっきでも世界シェア8.2%(第3位)を持ち、立式炉、無応力銅研磨、塗布現像、PECVDへ製品を広げている。めっき・炉などの売上は2025年に16.61億元で、前年から46.05%伸びた。一方でACM自身も、技術水準は国際大手との差が残る1と認めている。

Kingsemiの前工程塗布現像装置は、国内大手から受注を続けている

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塗布現像装置は、露光装置とつながってレジストの塗布と現像を受け持つ。この製品分類では、TELが世界シェア91%2を持つ。Kingsemiは年次報告で相手を「海外メーカー」と書き、前工程の塗布現像装置の市場は海外メーカーの寡占が続き、国産化率が低い数少ない分野4だと書いている。

Kingsemiは、その分野で量産用の前工程塗布現像装置を出せる数少ない中国企業だと自らを位置づける。製品はoffline、i線、KrF、ArF液浸向けまでそろい、2025年は国内の大手ロジック、メモリー、パワー半導体の顧客から受注を続けた。化学洗浄装置も国内大手から繰り返し受注している。2025年の売上は19.48億元で前年比11.11%増で4、主営業務収入のうち中国大陸向けは17.81億元、香港・マカオ・台湾と海外向けは1.45億元だった。

Kingsemiは、ロボット、ポンプ、ホットプレート、フッ素樹脂部品など輸入に頼る中核部品の国産化を進めており、2022年には供給網を広げるために日本へ子会社を設けた。

CMPと薄化では、Hwatsingが国産CMPの9割超を握る

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CMPは、薬液と研磨パッドでウェーハ表面を平らに削る工程だ。Hwatsingの2025年の売上は46.48億元で前年比36.46%増5、うち半導体装置が40.54億元で、装置は年間418台売れた。年次報告によると、HwatsingのCMP装置は国内12インチ先端ラインでの採用を広げ、国産CMP装置の販売の90%以上を占める。売上の99%超は中国本土向けだ。

HwatsingはCMPの周りへ製品を広げている。薄化装置のVersatile-GP300は研削、CMP、洗浄を1台にまとめた装置で、同社の薄化装置は3D IC、CoWoS、3D NAND、HBM向けの貼り合わせウェーハの薄化5を対象にする。Discoは決算資料でダイサとグラインダの用途別売上6を示しており、Hwatsingの薄化・切断装置はこの2製品と同じ製品分類に入る。Hwatsingはほかに切断、エッジ研磨、イオン注入、洗浄、ウェーハ再生を手がける。

CMPの相手としてHwatsingが年次報告で名指しするのは、日本の荏原ではなくApplied Materialsだ5。Hwatsingは、先端の量産ラインで検証される機会が少なく、先端工程の技術水準には差があると書く。荏原は2026年5月の決算説明で、精密・電子事業について中国市場は勢いが落ち着いたが一定の規模を保っている7と説明した。

SCREENとTELの中国比率は、2026年3月期に下がった

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日本の装置大手は、中国に大きく依存している。SCREENの半導体装置事業(SPE)の売上のうち中国向けは、2025年3月期の44%から2026年3月期は40%になった3。TELの新規装置売上の中国比率は、同じ期間に41.7%から34.1%2へ下がった。Discoの中国向け(外資メーカーの中国工場を含む)は、2026年3月期の四半期ごとに28〜34%だった6。

SCREENのSPE売上は2026年3月期に4,859億円で、40%を掛けると中国向けは約1,940億円になる。SCREENは、米国のMATCH法が成立した場合の影響を中国向け売上の10〜15%程度8と想定しており、計算すると約190億〜290億円だ。TELは中国が世界の前工程装置市場に占める割合を、2025年は30%台後半、2026年は30%台半ば9と見る。

同じ時期に、ACM、Kingsemi、Hwatsingの2025年の売上は11〜36%伸びた。日本勢の決算期は4月から翌年3月まで、中国勢は暦年で、2つの期間は9か月が重なる。

人の増え方は、採用ページより年次報告で比べられる

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3社は2025年に研究開発の人員を大きく増やした。年次報告によると、研究開発人員はACMが931人から1,228人1、Hwatsingが634人から876人5、Kingsemiが459人から643人になった4。

採用ページの公開件数は、会社ごとに載せ方が違う。2026年10月5日に公式採用ページが一覧に出した社会人採用は、AMECが265件10(子会社分62件を含む)、Kingsemiが62件11、Hwatsingが10件12、ACMが7件だった13。

図2公式採用ページの掲載件数
公式採用ページの掲載件数(2026年10月5日)AMEC265(子会社分62を含む)Kingsemi62Hwatsing10ACM Research7公式採用ページが一覧に出した社会人採用の件数
2026年10月5日に公式採用ページが一覧に出した社会人採用は、AMECの265件からACMの7件まで開きがある。ACMは同じ年に研究開発人員を297人増やしており、件数の差には会社ごとの載せ方の差が含まれる。

7社の研究開発人員と採用ページの比較は、中国装置メーカーの研究開発人員を比べた記事にまとめている。工程ごとの世界シェアは工程別の半導体製造装置シェアで確かめられる。

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