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コーター/デベロッパとは

コーター/デベロッパとは、レジストの塗布、ベーク、現像を連続して行う装置です。 トラックとも呼ばれ、露光装置とインラインで連結して、露光の前後に並ぶ工程と待ち時間をまとめて受け持ちます。握る変数は膜厚と温度と時間で、面内の温度差と枚ごとの待ち時間の差は、そのままパターン寸法の差になります。

露光の前後に並ぶ工程を、露光機とつないだ1本の流れで受け持つ

Section titled “露光の前後に並ぶ工程を、露光機とつないだ1本の流れで受け持つ”

露光装置が担うのは、光を当てる一瞬だけです。その前後には、レジストを塗る、溶媒を飛ばす、露光後に反応を進める、現像液で溶かす、洗い流して乾かすという工程が並びます。これらをまとめて担うのがコーター/デベロッパです。塗布は、コーターと呼ぶ塗布装置でレジスト溶液をウェーハ上に滴下し、ウェーハを回転させて広げます1。

製品名は各社で異なり、東京エレクトロンはCLEAN TRACK LITHIUS、SCREENはコータ/デベロッパのDT-30002の名で展開しています。競合の芯源微は、前工程のトラックには顧客の露光機とつないだ量産検証が要るとしており、露光機と組んで認定されたトラックは置き換えにくい装置です。

露光機とつないだ1本の流れ
トラック(コーター/デベロッパ)露光装置カセット脱水ベーク塗布プリベークポストベークリンス乾燥現像PEB引き置き時間往路
トラックを露光装置とインラインでつなぎ、搬送を自動化すると、露光からPEBまでの引き置き時間を一定に保てます。

露光機と連結する理由は待ち時間です。塗布したレジストは時間とともに状態が変わり、露光から現像までの間にも化学反応が進みます。化学増幅レジストでは、露光で生じた反応触媒によって反応が増幅し、現像液への溶解性が変わります。待ち時間が枚ごとにばらつけば、仕上がりの寸法もばらつきます。塗布現像装置は、露光後の引き置きが寸法へ響くのを抑えるため、露光機へインラインで連結されることも多い装置です。搬送を自動化すれば、この時間を一定に保てます。

熱工程は4つの目的で並びます。塗布前に基板表面の水分を除くのが脱水ベーク、塗布後・露光前にレジスト溶剤を乾かすのがプリベーク(PAB)です。露光後にレジスト内の化学反応を進め、光の定在波で側壁が波打つのを反応物の拡散で抑えるのがPEB、現像後に焼きしめて現像液とリンス液を乾かすのがポストベークです。

公開レシピ1本で、トラックが握る変数が出そろう

Section titled “公開レシピ1本で、トラックが握る変数が出そろう”

東京応化工業はバンプ形成用レジスト3のPMER P-BKシリーズについて、下地をCu、プリベークを145℃×300秒、露光をi線ステッパー(NA0.18)、PEBを85℃×180秒、現像をTMAH2.38%で60秒×6パドル、レジスト膜厚を20μm〜65μmと公開しています。膜厚65μmの例では、S/H30μm、20μm、10μmの断面像も載っています。めっき電極用の厚膜レシピですが、トラックが握る変数はここで出そろいます。

公開レシピの温度と時間
プリベーク145℃300秒PEB85℃180秒現像TMAH 2.38% 60秒×6パドル360秒↑ 露光 i線 NA0.18公開区間の合計 840秒PMER P-BK 膜厚20〜65 μm 下地Cu
公開されている840秒のうち、360秒がパドル現像、300秒がプリベークです。

公開区間の温度と時間を足すと840秒で、うち360秒がパドル現像です。露光そのものより、ベークと現像に時間を割いています。

TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の2.38質量%水溶液は、量産で広く使われる現像液です。アルカリ性の液が露光後のレジストのうち極性の高い部分だけを溶かし、現像後はTMAHを除くためにリンスと呼ぶ水洗をします。酢酸エチルなどの有機溶媒で極性の低い部分を溶かすネガ型現像(NTD)もあります。富士フイルムは、界面活性剤の有無で分けたTMAH2.38wt%に加えて、TMAH24.9%濃縮液と10%TMAH4をそろえています。工場で希釈できるなら、濃縮液で受け入れる選択肢が薬液系の設計に入ります。

トラックはレジストのほかに、光の反射を抑え密着性と形状を調整する下層反射防止膜(BARC)、平坦化とエッチングマスクを兼ねる有機下層膜、その間の中間層も塗ります。レジスト溶剤にはPGMEAを使い、塗布欠陥を下げる部品としてレジストフィルタが並びます。

1枚に許される秒数は、機種の選択で3倍近く動く

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トラックの生産性はwph(1時間あたりの枚数)で表します。東京エレクトロンはLITHIUSシリーズ5のインラインスループットを、LITHIUS Pro DICEで440wph、Pro Zで300wph、Pro Vで250wph、Proで200wph、認定中古のLITHIUSで150wphとしています。3600秒をwphで割ると、1枚あたりは440wphで8.2秒、300wphで12.0秒、250wphで14.4秒、200wphで18.0秒、150wphで24.0秒です。

1枚に許される時間
SCREEN DT-3000 450枚以上8.0秒以下LITHIUS Pro DICE 440wph8.2秒LITHIUS Pro Z 300wph12.0秒LITHIUS Pro V 250wph14.4秒LITHIUS Pro 200wph18.0秒LITHIUS(認定中古) 150wph24.0秒NSR-S636E ≧280枚/時 = 12.9秒以下01枚あたりの秒数 →
同じLITHIUSシリーズでも、1枚に許される時間は8.2秒から24.0秒まで動きます。ArF液浸露光機NSR-S636Eの≧280枚/時は、1枚12.9秒以下に当たります。

対応プロセスも機種ごとに異なり、LITHIUS Pro DICEとPro ZがEUVからi-lineとSOCまで、Pro VとProがImmersion以下、認定中古のLITHIUSがi-lineまでです。ウェーハサイズは300mm対応が4機種、200mmと300mmの両対応が2機種です。用途別の機種もあり、東京エレクトロンはLITHIUS Pro APを、高粘度材料やSpin-on Hard Mask材料に対応し、次世代パッケージングの処理へ最適化した300mm用の装置としています。

SCREENはDT-3000(SOKUDO DUO)6で毎時450枚以上を掲げ、2本のデュアルプロセスラインを並行させて各ラインの搬送速度を抑えたままスループットを上げ、搬送システムの信頼性も確保したとしています。3600秒を450で割ると、1枚8.0秒以下です。2本は独立にも運用でき、SCREENはメンテナンスをしながら生産を続けてダウンタイムを減らせるとしています。2本をコンパクトに収めたプラットフォームで、フットプリントも大幅に削ったとしています。速度と信頼性を両取りするために、本数を増やした解です。

東京エレクトロンは2025年12月15日にLITHIUS Pro DICEの販売を始め7、レジスト塗布に起因する欠陥とコストを従来比50%以上下げ、生産性と環境性能を従来比25%以上上げると試算しています。前者はディフェクト性能と薬液消費量、後者はスループットとフットプリントと用力排気量の比較です。装置のデータ収集と情報処理の仕組みも強め、稼動率とエンジニアの作業効率を上げる機能を載せたとしています。対応範囲はHigh NAを含むEUVからDUVまでです。

ニコンはArF液浸のNSR-S636E8のスループットを≧280枚/時(96ショット)としています。1枚に直すと12.9秒以下です。440wphや毎時450枚以上のトラックは、この露光機へ余裕を持って供給する側の数字です。

膜厚と温度のばらつきが、露光前に±10%の枠を食う

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面内均一性は、そろい方を3σで表します。パターン寸法均一性(CDU)はウェーハ内の複数点のCDを計測してばらつきを3σで表記する指標で、ラインエッジラフネスも3σ表記です。トラックが握る膜厚と温度のばらつきは、この3σの内側へ入れる対象です。

その3σが向かう先はプロセスウィンドウです。CDへの要求が緩いレイヤーでは、寸法の±10%という枠を満たす焦点深度(DOF)と露光量裕度(EL)でプロセスウィンドウを取ることが多くあります。膜厚と温度の面内ばらつきは、この±10%の枠を露光の前に食う側の変数です。露光条件を絞り込む段階で使える枠は、トラック側の残し方で決まります。

そのため、トラックの側にも測る仕組みが入ります。東京エレクトロンは、10nmノード以細のリソグラフィに対応するLITHIUS Pro Zに複数の検査・測定モジュールを載せられ、独自のアドバンストプロセスコントロールを実現できるとしています5。同機は低発塵の搬送方式でウェーハの搬送精度を上げ、ウェーハのベベルに触れずに裏面とエッジ部の欠陥を抑える機能も加えたとしています。

回転数、PEB、パドル、薬液、連結は、どれも何かと引き換え

Section titled “回転数、PEB、パドル、薬液、連結は、どれも何かと引き換え”

回転数を上げれば膜厚は薄くなり、解像度の側が有利になるかわりにエッチング耐性が落ちます。下げれば膜は厚くなり、耐性は稼げるものの解像度が落ちます。PMER P-BKは20μm〜65μmという厚膜を、NA0.18のi線ステッパーで露光しています。厚膜と低NAは組みで選ばれています。

PEBの温度と時間を上げれば、酸触媒の反応と反応物の拡散が進み、定在波による側壁の波打ちが減ります。進みすぎれば拡散が輪郭をなまらせ、下げれば拡散が足りず側壁の波打ちが残る側へ動きます。PMER P-BKの公開条件は85℃×180秒です。

パドルを打ち直すたびに現像液が入れ替わります。回数を増やせば溶解の進み方がそろう側へ動きますが、1枚あたりの時間と薬液量が増えます。減らせばタクトと薬液は縮み、溶け残りが裾へ回ります。PMER P-BKの60秒×6パドル、合わせて360秒を440wphの装置の1枚8.2秒と比べれば、厚膜の現像が時間を食う側だと数字で出ます。

現像液を2.38質量%で受け入れれば量産の標準に乗ります。TMAH24.9%濃縮液や10%TMAHにすれば輸送と保管の量が減るかわりに、工場側が希釈と濃度管理を持ちます。

露光機へ連結すれば引き置き時間は一定に保たれますが、露光機が止まればトラックも止まります。SCREENの2本の独立運用は、片側のメンテナンス中も生産を続けるための構成です。搬送速度を上げれば1枚あたりのタクトは縮みますが、東京エレクトロンはLITHIUS Pro Zの特長に低発塵の搬送方式を挙げています。速度を取れば、パーティクルと信頼性の側へ請求が回ります。

この用語に対応する装置と製造メーカー

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装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 4社/4family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-22

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

コーター/デベロッパとは何ですか?

レジストの塗布、ベーク、現像を連続して行う装置で、トラックとも呼ばれます。露光機とインラインで連結され、塗布から現像までを1つの流れとして担います。

なぜ露光装置とインラインで連結するのですか?

塗布から露光、現像までの待ち時間が寸法へ回るためです。露光後の引き置きが寸法へ響くのを抑えるため、塗布現像装置は露光機へインラインで連結されることも多く、搬送を自動化すれば待ち時間を一定に保てます。

何を管理しますか?

膜厚と温度と時間です。膜厚は回転数と粘度で決まり、解像度とエッチング耐性の両方へ影響します。ベークと現像後の温度履歴、露光後の待ち時間もパターンの寸法を左右するので、面内で温度がそろうか、枚ごとに時間がそろうかが管理項目になります。

ベークは何回しますか?

4つの目的で並びます。塗布前に基板表面の水分を除く脱水ベーク、塗布後・露光前にレジスト溶剤を乾かすポストアプライベーク(プリベーク)、露光後にレジスト内の化学反応を進めるPEB、現像後に焼きしめて現像液とリンス液を乾かすポストベークです。

実際のベーク温度と現像条件はどれくらいですか?

東京応化工業はバンプ形成用のPMER P-BKシリーズについて、下地Cu、プリベーク145℃×300秒、露光はi線ステッパー(NA0.18)、PEB85℃×180秒、現像はTMAH2.38%で60秒×6パドル、レジスト膜厚20μm〜65μmという条件を公開しています。公開区間の合計840秒のうち360秒が現像です。

現像液には何を使いますか?

TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)の2.38質量%水溶液が、量産で広く使われる現像液です。富士フイルムは、界面活性剤の有無で分けたTMAH2.38wt%の現像液と、TMAH24.9%濃縮液や10%TMAHをそろえています。

スループットはどれくらいですか?

東京エレクトロンはインラインスループットを、LITHIUS Pro DICEで440wph、Pro Zで300wph、Pro Vで250wph、Proで200wph、認定中古のLITHIUSで150wphとしています。1枚あたりでは8.2秒から24.0秒です。SCREENはDT-3000(SOKUDO DUO)を毎時450枚以上のデュアルトラックシステムとしています。

なぜ引き置き時間が寸法を動かすのですか?

露光後のレジスト内で反応が進み続けるためです。化学増幅レジストでは、露光で生じた反応触媒によって反応が増幅し、現像液への溶解性が変わります。露光からPEBまでの時間が枚ごとにばらつけば、反応の進み方も枚ごとにばらつきます。

装置の名前がメーカーごとに異なるのはなぜですか?

各社が自社の製品名を付けているためです。東京エレクトロンはCLEAN TRACK LITHIUS、SCREENはコータ・デベロッパの名で製品を展開し、SCREENの製品にはDT-3000(SOKUDO DUO)があります。

コーター/デベロッパのメーカーはどこですか?

東京エレクトロン、SCREEN、SEMES、KINGSEMIなどです。当サイトの装置カタログDBで、リソグラフィトラックに一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。

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