NIL(ナノインプリント)とは
NIL(ナノインプリント)(Nanoimprint Lithography)とは、微細な凹凸を持つモールドを樹脂へ押し付け、形を転写するリソグラフィ工程です。 光学レンズでマスク像を縮小する露光の代わりに、モールドの形でパターンを作ります。小さな形をモールドからそのまま写せる反面、型がウェーハに触れるので、粒子と離型の影響を直に受けます。評価はモールドの形だけでなく、充填と残膜除去を含む全工程の欠陥と寸法で行います。
型を押し付け、固め、離し、残膜を除いて下へ写す
Section titled “型を押し付け、固め、離し、残膜を除いて下へ写す”基板へ樹脂を供給し、モールドを位置合わせして接触させます。凹部へ樹脂を満たして硬化し、モールドを離します。モールドの凸部の下には薄い膜が残るので、この残膜を除いてから下層へエッチング転写します。レジストを塗布したウェーハにモールドを押し付けてUV光で硬化させ、モールドを外した後は従来工程と同様にエッチングで回路パターンを作ります1。
CanonのNIL技術解説は2、回路パターンを刻んだモールドをレジストへ押し付けて転写する構成を示しています。モールドの充填、樹脂の固化、離型、残膜処理を一続きで管理します。キヤノンの装置の強みは多重露光の工程を1回にまとめられることにあり、主戦場はEUVではなく液浸の多重露光になります。
UV方式は常温で固め、熱方式は加熱と冷却で形を固定する
Section titled “UV方式は常温で固め、熱方式は加熱と冷却で形を固定する”UVナノインプリント方式は、モールド上のパターンをUV硬化性樹脂に押し付け、紫外光を照射して樹脂を硬化させることでパターンを複製します1。常温で作業できるため、パターンの再現精度が高いことが特徴です。紫外光はモールドを透過して樹脂へ届くので、モールドには高紫外域透過性を持つ合成石英ガラスの基板表面に凹凸を形成したものを使います。
熱方式は、加熱で軟化した材料へモールドを押し付け、冷却して形を固定します。どちらの方式でも、固め方の条件と離型の条件を分けて管理します。
型が触れるので、挟まった粒子で型まで壊れる
Section titled “型が触れるので、挟まった粒子で型まで壊れる”Canonは、マスクとウェーハを押し合わせるときに粒子が挟まると、デバイスの不良だけでなくマスク上のパターンそのものの破壊を招くことがあるとしています2。
ウェーハへの転写には、マスターマスクを直接使いません。ナノインプリントではモールドの寿命が有限で、マスターマスクを使うとコスト的に見合わないため、マスターマスクを原版としてナノインプリントで複製したレプリカマスクを使います1。
圧力を上げれば充填は進みますが、モールドの損傷や変形も増えます。離型後は、充填不足、残膜厚、寸法、モールド由来の欠陥、樹脂の剥離を確認し、同じモールド位置へ欠陥が繰り返すかを調べます。
位置合わせは、ウェーハを熱で変形させて下の層に合わせる
Section titled “位置合わせは、ウェーハを熱で変形させて下の層に合わせる”Canonは、マスクとウェーハの位置ずれをリアルタイムで測る仕組みを開発したとしています2。下の層のパターンへ合わせ込むには、レーザー照射でウェーハを熱変形させる独自の方式2を使い、DMDと呼ぶ微小ミラーの群を制御して熱の入れ方の分布を変え、ウェーハを自在に変形させるとしています。
管理する条件は、樹脂量、充填、位置合わせ、残膜厚さ、離型と粒子です。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”NIL(ナノインプリント)は何をする工程ですか?
微細な凹凸を持つモールドを樹脂へ押し付け、形を転写するリソグラフィ工程です。光学レンズでマスク像を縮小する代わりに、モールドの形でパターンを作ります。
どの段階で行いますか?
基板へ樹脂を供給し、モールドを位置合わせして接触させます。凹部へ樹脂を満たして硬化し、モールドを離します。残った薄い膜を除き、下層へエッチング転写します。
どこを管理しますか?
樹脂量、充填、位置合わせ、残膜厚さ、離型と粒子を管理します。UV方式は光で樹脂を常温のまま硬化し、熱方式は加熱で軟化した材料を冷却して形を固定します。挟まった粒子は型のパターンまで壊すことがあります。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”2件を表示
- 1SEAJ 半導体製造装置用語集seaj.or.jp ・ 2026年10月12日閲覧 abc
- 2Canon ナノインプリントリソグラフィglobal.canon ・ 2026年10月12日閲覧 abcd