バックリンスとは
バックリンス(Backside Rinse)とは、スピン塗布で裏面へ回り込んだレジストを、ウェーハを回したまま裏面ノズルの溶剤で洗い流す工程です。 裏面のレジストがチャックや搬送部へ付着し、次の基板を汚染するのを防ぎます。裏面を十分に洗えば汚染は減りますが、溶剤を出しすぎると表面側の膜を乱すことがあります。条件出しは、表裏の処理範囲をどこで分けるかの設計です。
レジストは回転中に裏面へ回り込み、回転中のうちに洗い落とす
Section titled “レジストは回転中に裏面へ回り込み、回転中のうちに洗い落とす”スピンコートでは、基板が回るあいだにフォトレジストが裏面へ移ったり、はねて付いたりすることがあります1。EPFLのクリーンルーム施設CMIの手順では、ウェーハ裏面をできるだけきれいに保つために、ウェーハが回り続けているうちに裏面ノズルから溶剤を当てます。溶剤でレジストを除いたあと、乾燥させます。
バックリンスの工程2で防ぎたいのは、次の基板の汚染です。裏面に残ったレジストは、チャックや搬送部へ付着し、そこから次の基板を汚します。基板から装置を経て別の基板へ移るこの汚れが、クロスコンタミネーションです。
裏面、端面、表面外周を、別のノズルで分担する
Section titled “裏面、端面、表面外周を、別のノズルで分担する”バックリンスは裏面だけを受け持ちます。表面外周の厚い膜を除くEBR(エッジビード除去)と、裏面を洗うバックリンスは処理する面が異なり、EPFL CMIの手順では2つを組み合わせて使います。EBRは厚いレジスト(5 μm超)で行うことが多く、ウェーハの端から3〜5 mmにたまった余分な材料1を除きます。
端面にはもう1つの処理があります。エッジクリーン(EC)もバックリンスと組み合わせて使い、レジストが付いている可能性のあるウェーハの端を洗います。ECの溶剤は、レジストを吐出するアームに取り付けたノズルから出します。裏面ノズルは裏面へ、EBRとECのノズルは表側の外周と端へ溶剤を当てます。表面の有効領域には、どのノズルの溶剤も回り込ませません。
溶剤はEBRと共用で、純度と取り扱いの条件が決まっている
Section titled “溶剤はEBRと共用で、純度と取り扱いの条件が決まっている”溶剤は、EBR用の製品をそのまま使えます。Merckは、AZのエッジビードリムーバーを、フォトレジストのエッジビード除去、塗布装置のカップリンス、ウェーハの裏面リンスのための溶剤3として売り出し、高純度で効果が高く低コストだとしています。AZ EBR SolventとAZ EBR 70/30は、セロソルブアセテート(2-エトキシエチルアセテート)もキシレンも含みません。
溶剤そのものに含まれる粒子も抑えてあります。Merckは、これらを高純度の化学品で作り、粒子を少なくするために0.1 μmの絶対ろ過をしているとしています。可燃性の液体なので、酸化剤、火花、裸火から離します。保管は密閉した元の容器で0〜35℃とし、取り扱う機器の材質にはPTFE、ステンレス鋼、高密度ポリエチレンとポリプロピレンを推奨しています。
洗いすぎれば表面の膜を乱し、足りなければチャックを汚す
Section titled “洗いすぎれば表面の膜を乱し、足りなければチャックを汚す”管理するのは、吐出位置、供給量、回転、裏面の乾燥の4つです。洗浄液が表面の有効領域へ回り込まないことと、チャック接触部に残膜がないことを、条件ごとに確認します。
2つの失敗は逆向きに出ます。溶剤が足りなければチャックの接触部に残膜が残り、溶剤を増やして除去不足を補うと、表面の膜を乱す側へ振れます。そのため、表裏の処理範囲を合わせて設計し、裏面の残膜と表面の膜厚の両方で条件を確かめます。除去しきれないときは、溶剤の供給、溶けたレジストの排出、乾燥のどこで止まったかを分けて見直します。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”バックリンスは何をする工程ですか?
スピン塗布で裏面へ回り込んだレジストを、溶剤で洗う工程です。裏面のレジストがチャックや搬送部へ付着し、次の基板を汚染するのを防ぎます。
どの段階で行いますか?
スピン塗布の回転が続いているうちに、裏面ノズルから溶剤を当ててレジストを除き、乾燥させます。表面外周の厚い膜を除くEBRと、裏面を洗うバックリンスは処理する面が異なり、組み合わせて使います。
どこを管理しますか?
吐出位置、供給量、回転、裏面の乾燥を管理します。洗浄液が表面の有効領域へ回り込まないことと、チャック接触部に残膜がないことを確認します。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- フォトレジスト── 関連する工程・材料の説明
- コーター/デベロッパ── 関連する工程・材料の説明
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- 3Merck:AZ EBR Solvent 技術データシートmicrochemicals.com ↩
- 4Integrated Micro Materialsimicromaterials.com ・ 2026年10月12日閲覧