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ウェーハ裏面とは

ウェーハ裏面とは、回路を作り込む面の反対側で、装置がウェーハを吸着し、載せ、支えるために触れる面です。 回路のある表面へ装置が触れると傷や汚染が入るため、掴む役目はこの面と端が引き受けます。表面の高さの基準になる面なので、裏面の一粒や削り傷は、そのまま表面の焦点や強度の問題として返ってきます。

装置が触れるのは裏面と端だけで、表面の高さは裏面で決まる

Section titled “装置が触れるのは裏面と端だけで、表面の高さは裏面で決まる”

シリコンウェハには面が二つあり、片方に回路を作り、もう片方は素のまま残します。素のまま残す側がウェーハ裏面です。露光装置も成膜装置も搬送ロボットも、触れてよい相手は裏面と端だけです。装置はここを吸着し、ここを基準として表面の高さが決まります。裏面は、回路が乗る面の位置を決めている土台です。

裏面の一粒は、押しつけられた分だけ表面を持ち上げる

Section titled “裏面の一粒は、押しつけられた分だけ表面を持ち上げる”
裏面パーティクルによる表面の持ち上がり
ウェーハ裏面の膜チャック焦点面h=200 nm(CDの2倍)T=100 nm裏面の粒子 D=400 nm
チャックとの間に挟まった粒子は押しつぶされながらも表面を持ち上げます。CDとTを100 nmとした場合、400 nmの粒子で持ち上がりが200 nmになり、焼き付けが不良になる境目のCDの2倍に届きます。

国際半導体技術ロードマップ1999年版のフロントエンドプロセスの章は、裏面のパーティクルによる表面の持ち上がりを式にしています。粒子の大きさをDD、裏面に付いている膜の厚さをTTとすると、表面の持ち上がりは (xD)(xD) から (1−x)T(1-x)T を引いた値です1。xx は 0.6 で、チャッキング圧力によって粒子と裏面膜が押しつぶされる割合を表します。

同章は、この持ち上がりが最小加工寸法(CD)の2倍に達すると焼き付けが100パーセント不良になるという前提で式を立てます。問題になる裏面パーティクルの大きさは D=(20.6)(CD)+(0.40.6)(T)D = \left(\frac{2}{0.6}\right)(\mathrm{CD}) + \left(\frac{0.4}{0.6}\right)(T) で、同章の表では TT を100 nmとしています。CD\mathrm{CD}を100 nm、TTを100 nmとしてこの式に当てはめて計算すると、DDは400 nmになり、持ち上がりは0.6×400−0.4×1000.6\times400-0.4\times100で200 nmです。歩留まりの見積もりでは、チャックに接触しているチップ面積を3パーセント、そのうち有効チップ面積の80パーセントが裏面パーティクルによるデフォーカスで劣化するという前提を使っています。

裏面の欠陥は表面を守りながら測り、隣のウェーハへの汚染も見る

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1999年版ロードマップの欠陥低減の章は、裏面の欠陥を検出するときにウェーハ表面を汚染からも物理的な接触からも守ることが望まれるとし2、この裏面の要求項目をリソグラフィにおける焦点深度への影響を除く目的で設けています。欠陥検査の側には、表面を守りながら裏面だけを測る条件が課されます。

同章が装置開発の要る課題に挙げるのは三つです。ウェーハ裏面から隣のウェーハ表面への金属とパーティクルのクロス汚染、リソグラフィにおける焦点深度とホットスポット、静電チャック上でのパンチスルーです。裏面は自分のウェーハの表面を狂わせ、さらに隣のウェーハまで巻き込みます。

裏面洗浄では、裏返しと薬液の回り込みを制御する

Section titled “裏面洗浄では、裏返しと薬液の回り込みを制御する”

洗う側には専用の装置があります。SCREENのウェーハ裏面洗浄装置SB-3300は、ブラシ洗浄と薬液によるエッチングおよび洗浄の機能を併せ持つハイブリッドタイプです3。SCREENは、薬液とブラシの同時処理を業界初としてうたい、この機能で裏面のパーティクルを除去するとしています。緻密なノズル動作と薬液吐出制御によるコントロールエッチングで面内均一性を高め、ウェーハの反りを抑えるとも説明しています。

同社は、独自のチャックシステムでウェーハ端部のエッチング残渣を無くすことと、デバイス面へ薬液が回り込むのを防ぐことを両立させるとしています。4段積みのタワー構造に16チャンバを載せ、ウェーハを裏返す工程を含めた裏面洗浄で毎時700枚の能力としています。

裏面を洗うには、ウェーハを裏返し、薬液を掛け、もう一度表向きにします。表面を守るための作業が、そのまま表面を危うくしうる作業になります。だから裏返しと薬液の回り込みの制御が、この装置の特長の先頭に来ます。

後工程では裏面を削り、強度とゲッタリングを取引する

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研削とストレスリリーフの断面
研削前裏面研削後ストレスリリーフ後回路のある表面が上ダメージ層+ゲッタリング効果−抗折強度が劣化+研削傷を除去−ゲッタリング低下
裏面を削ると、残ったダメージ層が重金属を捕まえるかわりに抗折強度が下がります。傷を取り除くストレスリリーフで強度の問題は外せますが、ゲッタリングの働きは弱まります。

裏面研磨は、前工程が完了したウェハの裏面を研磨して、厚さ数十マイクロメートルから200マイクロメートル程度に薄くすることです4。目的は、ICカードや積層チップのためにパッケージ厚を薄くすることと、基板電位を確保することの二つです。東京エレクトロンの用語集は、極薄ウェーハについて、厚みを100マイクロメートル以下まで削ること、50マイクロメートルの実用化に向けて開発が進んでいること、ハンドリングが課題になっていること5を挙げています。

電子情報通信学会の知識ベースは、従来の裏面研削技術では5から10マイクロメートルまで加工できるとしています6。削った裏面には二段の取引があります。第一に、研削傷が残るとウェーハの抗折強度が劣化し、その後のハンドリングや組立プロセスでチップがクラックする可能性があります。第二に、傷を除くストレスリリーフの方法としてウェットエッチングやドライエッチングが検討されているものの、裏面研削によるダメージ層には重金属汚染のゲッタリング効果があるため、ストレスリリーフを行うとゲッタリング効果が低下します。

同知識ベースは、ダイシングでは表面から加工するために固定方法を反転する必要があり、極薄ウェーハは反りやすいため、ガラスなどの支持基板へ貼り付けて破損を防ぐ手法が検討されているとしています。端部から数ミリの範囲を厚く残して補強部を作り、支持基板なしでハンドリングに耐えさせる手法も実現されているとしています。

裏面を磨くほど、汚れが目立つ

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1999年版ロードマップのフロントエンドプロセスの章は、ウェーハ裏面の光沢度を高くする理由として、パーティクル汚染の低減、平坦度の改善、ウェーハ強度の増進の三つ1を挙げます。そのうえで、ポリッシュされた裏面ではミクロな汚染やハンドリングで付くスクラッチが目立ちやすくなり、よりクリーンな表面が実際にはより汚れているように映る場合があるとしています。裏面のラフネスが大きいうちは埋もれていた、裏面パーティクルによるウェハ平坦度の劣化も考慮の対象に入ります。

同章はさらに、多くの外部ゲッタリング技術がポリッシュした裏面の品質を劣化させる可能性と、積層膜を使う外部ゲッタリングの厚さの不均一性がウェーハの平坦度を劣化させる可能性を挙げ、そのような技術は適切さを欠く場合があるとしています。裏面へ機能を持たせるほど、裏面を基準面として使いにくくなります。

配線工程でも裏面が出てきます。同章はCu配線と低誘電率絶縁膜に向けた洗浄を論じるなかで、将来は裏面洗浄の追加などで裏面のCu汚染を最小限に抑える必要も出てくるだろうとしています。

裏面は電極、接着面、反りの調整面にもなる

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裏面は支える面であるだけでなく、素子の一部にもなります。JEITAの用語集は、パワーMOSFETに使う縦型V溝MOS FETについて、ソース電極を表面に、ドレイン電極を裏面に形成する4構造を挙げ、オン抵抗が小さいことを特徴としています。

組立では接着面になります。電子情報通信学会の知識ベースは、ダイボンディングではAgペーストを用いた樹脂塗布方式が主流である一方、積層チップのダイボンディングでは、あらかじめウェーハ裏面に接着フィルムを貼るDAF方式が主流としています6。

反りの調整に裏面の膜を使う例もあります。Lam Researchは、3D NANDの構造でウェーハの反りと応力を調整するために裏面の膜の除去が必要になるとしています7。裏面に役目を足すほど、平坦で清浄な基準面という最初の役目との両立が課題になります。

ウェーハ裏面とは何ですか?

回路を作り込む面の反対側で、装置がウェーハを吸着し、載せ、支えるために触れる面です。回路のある表面へ装置が触れると傷や汚染が入るため、掴む役目はこの面と端が引き受けます。

裏面が汚れると何が起きますか?

表面の高さが変わります。国際半導体技術ロードマップ1999年版は、裏面のパーティクルがチャックに押しつけられて表面を持ち上げる関係を式にし、その持ち上がりが最小加工寸法の2倍に達すると焼き付けが100パーセント不良になるという前提を使っています。

裏面はどう検査しますか?

表面を守りながら調べます。1999年版ロードマップの欠陥低減の章は、裏面の欠陥を検出するときにウェーハ表面を汚染からも物理的な接触からも守ることが望まれるとし、この要求項目をリソグラフィにおける焦点深度への影響を除く目的で設けています。

裏面はどうやって洗いますか?

裏面だけを洗う専用の装置があります。SCREENのウェーハ裏面洗浄装置SB-3300は、ブラシ洗浄と薬液によるエッチングおよび洗浄の機能を併せ持つハイブリッドタイプで、薬液とブラシを同時にかけて裏面のパーティクルを除去し、反転処理を含めて毎時700枚の処理能力としています。

裏面研削は何のためにしますか?

目的は、ICカードや積層チップのためにパッケージ厚を薄くすることと、基板電位を確保することの二つです。裏面研磨では、前工程が完了したウェハの裏面を研磨して、厚さ数十マイクロメートルから200マイクロメートル程度に薄くします。

裏面の研削傷は取り除いたほうがよいのですか?

得るものと差し出すものが同時にあります。研削傷が残ると抗折強度が劣化し、後のハンドリングや組立でチップがクラックする可能性がある一方、裏面研削によるダメージ層には重金属汚染のゲッタリング効果があり、傷を除くストレスリリーフを行うとその効果が低下します。

裏面はどこまで薄くなりますか?

電子情報通信学会の知識ベースは、従来の裏面研削技術で5から10マイクロメートルまで加工できるとしています。東京エレクトロンの用語集は極薄ウェーハについて、厚みを100マイクロメートル以下まで削ること、50マイクロメートルの実用化に向けて開発が進んでいること、ハンドリングが課題になっていることを挙げています。

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