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ウェーハ外観検査とは

ウェーハ外観検査とは、ウェーハの表面・裏面・端面へ光を当てて全面を走査し、傷や異物やムラといった表面の異常を、位置と大きさ付きで拾い上げる工程です。 拾った欠陥は座標として記録され、正体を特定する工程へ渡ります。

探す対象は、表と裏と端まで及び、工程が進むほど増える

Section titled “探す対象は、表と裏と端まで及び、工程が進むほど増える”

現場が手を焼くのは、割れて一目で分かるウェーハよりも、人によって答えが割れる小さな異常です。東京エレクトロンデバイスのSiウェーハ用の検査装置は1、検査対象を表面と面内と裏面と端面に分け、ウェーハの表と裏と端までを1つの一覧に収めています。表面では、傷や欠けや突起、異物や汚れ、研磨と研削の痕、さらに色味の違いまでが対象に入ります。面内ではクラックとピンホール、裏面では傷、端面では欠けとクラックと汚れです。

パターン付きウェーハ向けの装置では2、成膜、レジスト現像、エッチングの後に生じるパターンの欠損などが対象へ加わり、回折やカケやシミやムラも検査項目に入ります。工程が進むほど、ウェーハの上には探すべきものが増えていきます。成膜やエッチングの直後に外観を調べる理由がここにあります。

広く速く走査する役と、狭く詳しく観察する役へ分担します
広く速く走査します全面から欠陥の座標を集めます1枚を数十秒から数分で走査しますこの1点の座標を渡します狭く詳しく観察します傷異物種類と大きさを特定します1点ずつ時間がかかります
外観検査は、ウェーハ全面から欠陥の座標を集める役を受け持ちます。その座標を受け取って1点ずつ拡大し、種類と大きさを特定するのは別の装置です。速さと詳しさを1台へ同時に求める代わりに、役割を分担しています。

小さな欠陥は、後の工程で増幅される

Section titled “小さな欠陥は、後の工程で増幅される”

クボタは、半導体の歩留まりは工程ごとに欠陥をどれだけ抑えられたかの積み重ねで決まるとし3、小さな表面の欠陥を早いうちに検出して次の工程への流出を防ぐことが、品質を安定させ費用を抑える要になるとしています。同社はさらに、ナノメートル級の微小な欠陥や点の欠陥、色のムラであっても、後に続く成膜・露光・エッチングの工程で増幅され、重い不良へつながることがあるとしています。

増幅という言葉が、この工程の値打ちを言い当てています。付いた時点では小さな粒でも、その上へ膜を積み、露光でパターンを写し、削って形を作れば、影響は広がります。取り除ける段階で見つけるほど損失は小さく、そのまま工程を進めるほど捨てるものが増えます。クボタは、パターンを作る前の段階で表面の欠陥を検出して手を打っておくことが、工程全体を落ち着かせ歩留まりを上げる要になるとまとめています。

要求される清浄度の桁も、日常の感覚から遠いところにあります。SUMCOは高清浄度を、パーティクルと汚染、とくに金属汚染が取り除かれた状態として使い、300mmのウェーハ1枚につき20nmの微粒子が数個までという水準が求められるとしています4。同社はこれを、九州の直径を300kmとみなしたときの1円玉の大きさにたとえています。

探す粒は、面に対してこの比の小ささです
探す粒は、面積に対してこれだけ小さくなります20nmの粒直径300mmのウェーハ=同じ比です1円玉直径300kmの九州
300mmウェーハに20nmの粒が数個という要求水準は、九州の広さへ1円玉が1枚あるかどうかを問う比と同じです。外観検査の装置が公表する検出下限はこれより大きく、装置ごとに異なります。

光を当て、返った光から欠陥の座標を拾う

Section titled “光を当て、返った光から欠陥の座標を拾う”

装置がしている仕事は、光を当てて返ってきた光を数える作業です。東京エレクトロンデバイスによると、一般的な検査が狭い視野へ狙った欠陥だけを収めて検出するのに対し、マクロ光学検査5は広い範囲の表面欠陥を調べる方法で、専用の光学機器で光を当て、反射光の情報から欠陥や形状を写し取ります。すべての光学系がワークからの反射光を使う点が基本で、光学系はおおむね2系統あります。

ひとつは、対象物の表面形状に合わせて反射の角度を調整し、返ってきた光をそのまま検出器へ取り込む方式です。東京エレクトロンデバイスは、回折光を避けた構成のため直接の光を検出器へ取り込むことになり、検出感度を最大限に活かせるうえ、表面に形成されたパターンの寸法とも高い線形の相関を持つとしています。もうひとつは、ミー散乱を使う方式です。ミー散乱は、光がその波長と同じ程度の大きさの粒に当たったときに起こる方向性のある散乱です。同社はこの方式について、指向性の高い専用光源によって微細な凹凸や段差から指向性のある散乱光を発生させ、それを効率よく受けることで結晶欠陥やウェーハの凹凸を検査できるとしています。

装置が返すのは、位置の一覧です。クボタのレーザー式の装置は、欠陥の位置すなわち座標と、PSL換算のサイズと、欠陥の種類をマップとリストで出力できます。この座標があるからこそ、次の工程で同じ場所へ戻れます。同社はレビュー機能付きの構成も挙げており、レーザー式で高速に検出した欠陥位置を、その場でレーザー顕微鏡による拡大観察へ引き渡せるとしています。顕微鏡やSEM、AFMで欠陥を調べる前に、拡大する場所を絞って座標を控えておく用途も同社は挙げています。

クボタはレーザー式について、最小0.05μm、オプションで0.04μmの微小欠陥を検出でき、8インチウェーハを1枚4分で全面検査できるとしています。東京エレクトロンデバイスはSiウェーハ用の装置について、表面の検出感度をPSL換算で0.3μm超、検査時間を1枚あたり30秒から90秒とし、検査要件によって変動すると付記しています。

パターンが載ったウェーハでは、走らせ方そのものが速さを左右します。SCREENのZI-36006はラインセンサで全面を走査する方式を採っており、同社はチップの大きさや数が変わっても検査の速度を一定に保てるとしています。分解能の異なる3本の対物レンズを載せて自動で持ち替え、1μm以下の微細な欠陥から大きな欠陥までを1台で担うとしています。1台の内側でも、広く走査するレンズと細かく撮るレンズは役割を分担しています。

速さと引き換えに、条件づくりと記録と最終判断を引き受ける

Section titled “速さと引き換えに、条件づくりと記録と最終判断を引き受ける”

第一に、条件を作る手間を引き受けます。どの光学系をどの角度で使うかは、探したい欠陥ごとに動きます。クボタは、見たい欠陥の種類ごとに光学系を組み替えて提案でき、撮像そのものよりも探したい欠陥に合わせた設計が要るとし、実際の検査対象を預かって実機で試したうえで仕様を固めていく進め方を示しています。対象が替われば、条件づくりからやり直しになります。この手間を下げる工夫は装置側にも入っており、SCREENは、画面へ実物のウェーハ画像を出したまま検査の条件を決められるので、専任の技術者でなくても運転する人がレシピを組めるとしています。

第二に、材料によっては光が余計な信号を持ち帰ります。透ける材料では、裏から返った光が表面の欠陥の信号へ混ざります。クボタは、シリコンへ加えてSiCやサファイアやガラスといった透明あるいは半透明の対象について、裏面反射によるノイズを抑えて表面のみを高精度に走査するとしています。SiCウェハのような材料が増えるほど、この始末が日常の仕事になります。

第三に、外観検査が確実に返せるのは、位置と大きさと、装置が推定した分類までです。原因を特定するには、座標を受け取って1点ずつ拡大する断面観察や電子顕微鏡の出番になります。速さを取った代わりに、最終の判断を後ろの工程へ預ける形です。

第四に、全数へ切り替えると記録が増えます。東京エレクトロンデバイスは、すべてのウェーハ画像と詳細データを保存できるためトレーサビリティを実現できるとし、良品と不良品の双方について検査結果の履歴を保管できるとしています。溜まった記録は、後から不良の出方をたどるときの財産になります。同時に、保存と検索の仕組みを用意しなければ、荷物として増えていくだけです。抜き取りの目視から全数の自動検査へ移るとき、現場は装置の代金へ加えて、条件づくりと記録の管理まで引き受けます。

ウェーハ外観検査とは何ですか?

ウェーハの表面・裏面・端面へ光を当てて全面を走査し、傷や異物やムラといった表面の異常を、位置と大きさ付きで拾い上げる工程です。拾った欠陥は座標として記録され、顕微鏡や電子顕微鏡で正体を特定する工程へ渡ります。

欠陥検査との呼び分けはどうなっていますか?

メーカーごとに揺れます。SCREENは同じ用途の装置を「パターン付きウェーハ外観検査装置」と呼び、東京エレクトロンデバイスは「ウェーハ欠陥検査装置」と呼んでいます。外観検査という言い方は、人が目で行っていた検査を装置へ置き換える文脈で多く使われます。

どこを走査するのですか?

表面へ加えて、面内と端面まで走査します。東京エレクトロンデバイスは、表面のスクラッチや突起やパーティクル、面内のクラックやピンホール、端面のチッピングやクラックや汚れを検査対象として挙げています。クボタも、表面と裏面へ加えてエッジ検査へ対応すると述べています。

どのくらい小さな欠陥まで検出されますか?

装置と方式によって動きます。クボタはレーザー式の検査装置について最小0.05μm、オプションで0.04μmの微小欠陥を検出できるとし、東京エレクトロンデバイスはSiウェーハ用の装置の表面検出感度をPSL換算で0.3μm超としています。

1枚あたりどのくらい時間がかかりますか?

これも装置と条件で動きます。クボタはレーザー式について8インチウェーハを1枚4分で全面検査できるとし、東京エレクトロンデバイスはSiウェーハ用の装置で1枚30秒から90秒、パターン付き8インチで90秒としています。後者は検査要件によって変動する値です。

見つけた欠陥の種類はどうやって特定するのですか?

別の装置で拡大します。クボタは、検出した欠陥を微分干渉顕微鏡やレーザー顕微鏡で拡大観察するレビュー機能と、顕微鏡やSEM、AFMで欠陥を調べる前に位置を絞って座標を控えておく用途を挙げています。外観検査は、どこを拡大するべきかを指し示す側にあたります。

全数を検査すると何が良いのですか?

抜き取りより見逃しの確率が下がり、記録が全数ぶん揃います。東京エレクトロンデバイスは、人が目で見て抜き取るこれまでのやり方から全数を装置で自動検査する形へ移せるとし、ウェーハごとの画像と検査詳細情報を保存することでトレーサビリティを実現するとしています。

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