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欠陥検査とは

欠陥検査とは、ウェーハ表面の欠陥を探し、位置と大きさを記録する工程です。 粒子、傷、膜の異常、パターンの断線や短絡などが対象です。難しさは感度をどこで区切るかにあり、上げるほど小さな欠陥を拾えるかわりに、歩留まりへ無害なものまで報告が増えます。

検査装置が返すのは位置と大きさだけで、正体は次の欠陥レビュー装置で1つずつ見極めます。

感度を上げるほど、虚報がレビューを詰まらせる

Section titled “感度を上げるほど、虚報がレビューを詰まらせる”

感度を上げると、歩留まりへ無害な微小なものや、表面の微妙な粗さと測定のばらつきによるノイズまで欠陥として報告されます。これが虚報です。虚報が多ければレビューの時間が食われ、歩留まりへ影響する欠陥が山の底へ沈みます。

テスト側では同じ形の失敗を過剰検出(Overkill)と呼び、条件を厳しくしすぎたために良品まで不良として弾く事態1を指します。検査のしきい値も同じ性質で、1段下げるほどキラー欠陥を取りこぼし、1段上げるほどレビュー待ちの列が伸びます。感度と虚報の量はトレードオフの関係にあり、工程ごとに釣り合う点を選びます。

検査は場所を拾うところまでで、正体はレビューで確かめます
検査装置欠陥の場所を拾います返るのは2つだけです位置大きさ正体は未知のままですレビュー装置1つずつ確かめて種類を決めます粒子傷膜の異常断線や短絡虚報が混じるほど、ここで確かめる時間が食われますウェーハ上の点の並びは、図のためのたとえです
検査装置が返すのは欠陥の位置と大きさだけで、正体は次のレビュー装置で1つずつ確かめます。虚報が混じるほど、この確かめる時間が食われます。

無地のウェーハでは事情が単純です。表面に何かあればそれが異物にあたるため、比較の相手を省けます。KLAは無地ウェーハ向けにSurfscanファミリーを、化合物半導体向けにCandela 85202を含むCandelaファミリーを持ちます。パターン付きのウェーハ外観検査では、同じ形が何度も並ぶことを手がかりに、比較の相手をウェーハ自身の中から作ります。

感度と虚報 ─ 上げすぎるとレビューが詰まります
件数感度 →歩留まりへ影響する欠陥(頭打ち)虚報(急に増える)レビューがさばける量を超える点釣り合う点を工程ごとに選ぶ本命の欠陥が埋もれる領域
感度を上げると、歩留まりへ影響する欠陥の検出は頭打ちになる一方で、虚報は急に増えます。レビューがさばける量を超えると、山積みの報告のなかへ本命の欠陥が埋もれます。感度は工程ごとに釣り合う点を選びます。

比較の相手が、拾える欠陥の顔ぶれを決める

Section titled “比較の相手が、拾える欠陥の顔ぶれを決める”

検査装置は絶対的な良品像を持たず、差を取る相手を用意して、その差の大きさで欠陥を切り出します。相手は3通りです。ダイ比較検査3(Die to Die)は隣り合うチップ同士、セル比較検査4(Cell shift)はチップの中で繰り返すセル同士、データ比較検査5(Die to Database)はチップとパターンの設計データを比べます。

ダイ比較は隣同士の差を取るので、同じ位置に同じ欠陥が両方のチップへ乗ると差が消えます。露光装置やマスクに原因がある系統欠陥はこの形で来ます。データ比較は設計データが相手なので、両方のチップへ同じように乗った欠陥も差として立ちます。代償は計算量と設計データの整備で、パターン1枚あたりのデータ量がそのまま検査側の負担です。セル比較は、メモリのように同じセルが密に繰り返す領域で、最小の視野のまま相手を用意します。

どの相手と比べたかが、ウェーハマップの模様の読み方を動かします。ウェーハ外周部だけ特定のブリッジ不良の頻度が高く出た例のように、通常の統計解析ではランダム欠陥へ埋もれる水準の系統的な不良も、故障診断の量的な集計で浮かびます6。

比較の相手が右へ移るほど、系統欠陥へ届き、負担も増えます
ダイ比較検査Die to Die隣のチップと重ねますセル比較検査Cell shift隣のセルと重ねますデータ比較検査Die to Database設計データと重ねます同じ欠陥が両方へ乗ると差が消えます右へ移るほど系統欠陥へ届きます右へ移るほど計算量とデータ整備の負担が増えます赤い点は欠陥の場所を示します
差を取る相手は、隣のチップ、チップ内の隣のセル、設計データの順に替えられます。右へ移るほど系統欠陥へ届く一方で、計算量とデータ整備の負担が増えます。

感度・倍率・波長・枚数の4つのつまみ

Section titled “感度・倍率・波長・枚数の4つのつまみ”

第一のつまみは感度のしきい値です。上げれば拾える最小の欠陥寸法が小さくなり、歩留まり学習の1周が短くなります。同時に虚報が増え、レビュー装置の列が伸びてサンプリング枚数の枠を食います。下げれば検査時間とレビュー本数が縮む一方、デバイスへ致命的な傷を与える欠陥7の取りこぼしが増えます。

第二は対物倍率と画素サイズです。倍率を上げれば小さな欠陥へ届く一方、同じ面積を走る時間が伸びます。画素の一辺を半分にすると、ピクセル数は4倍です。レーザーテックのGALOIS2118は最大φ8インチのGaNウェハに対応し、φ6インチ・10倍レンズで検査時間が1枚6分、装置サイズは3,052mm(D)×3,250mm(W)×1,990mm(H)です。倍率と開口数を上げると焦点深度も縮み、共焦点顕微鏡では開口数0.95で約0.3µm9まで小さくなります。高アスペクト比の構造では、上面と底で同時にピントが合う幅がこの水準まで縮みます。

第三は光源の波長です。光学式検査装置の光源にはDUV(波長248nm、266nm)とUV(波長365nm)があり、高分解能の要求から短波長化が進んでいます10。短波長へ振れば同じ寸法のパーティクルからの散乱光が増えて感度が上がります。一方で膜の吸収と干渉も波長で動くため、レジストや薄膜の面では表面の粗さがノイズとして立ちます。GALOIS211は波長選択機能を備え、ヘテロエピ構造で膜干渉の影響を避けた条件を選べるとレーザーテックはしています。

第四は検査枚数です。SICA8811はφ6インチウェハの全面検査を10枚/時間で回せるとレーザーテックは掲げています。1ロット25枚を全数で通せば2.5時間です。全数へ近づけるほど異常の発見が早まり、SPCの管理図が動くまでの遅れが縮みます。抜き取りへ近づけるほどラインは速く流れますが、異常の発生から気づくまでに流れるロット数が増えます。

座標と寸法は、ADRとADCを経てYMSへ集まる

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検査が返す座標と寸法は、別の装置とソフトウェアが受けます。ADR(Automatic Defect Review、自動欠陥レビュー)は欠陥座標にもとづいて欠陥画像を自動で取得し、データベース化します。ADC(Automatic Defect Classification、自動欠陥分類)は、あらかじめ決めたルールで欠陥画像を発生原因ごとにクラス分けし、分類サーバへ入れ直す機能です。ADCが取りこぼした分類やADCの対象外の工程は、MDC(Manual Defect Classification、手動欠陥分類)としてエンジニアが1件ずつ受けます。

分類はYMS(Yield Management System、歩留まり管理システム)へ集まります。YMSは歩留まりモニタと欠陥検査から解析までを束にした統合システムで、欠陥の発生工程へ返すフィードバックと、APCで装置レシピへ先送りするフィードフォワードを併せて回します。

レビューと分類を1台へまとめる形も出ています。2024年9月24日に発表されたSICA108は12、表面欠陥と同時にSiCウェハ内部の基底面内転位(BPD)や積層欠陥(SF)を検出し、レビュー画像の取得と同時に自動欠陥分類で詳細に分類するとレーザーテックは掲げています。SICA88については、高解像度の欠陥画像により顕微鏡での再観察を省けるとレーザーテックはしています。

光で見えない欠陥は、電気特性と環境管理で追う

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感度をどこまで上げても、拾えるのは光や電子が届く形をした欠陥に限られます。歩留向上のロードマップはYMDB(歩留モデルと装置許容欠陥数)、DDC(欠陥検出と特徴付け)、WECC(ウェーハ環境汚染制御)の3領域で組まれ、Non-Visual Defect(NVD)を5種類に分けています。金属汚染やプラズマダメージのような汚染起因の欠陥、ボイドや非導通のような埋もれた欠陥、高アスペクト比のライン&スペース底やコンタクトホール底の欠陥、結晶欠陥やNiSiパイピングのようなリーク系と高抵抗系の欠陥、現在の検査技術の下限を下回る極微小なものです。これらは故障診断とレイアウト設計データを重ねて位置を絞ります。

欠陥はMissing-MaterialとExtra-Materialへ大別され、ウェーハテストでチップを不良に至らせるFaultが、一般にキラー欠陥と呼ばれる側です。16nm以上の世代ではHARI(High Aspect Ratio Inspection)の表現が3D Inspectionへ移り、Non Visible Defectも対象へ入りました。16nm未満の世代では、SMLY(Systematic Mechanisms Limited Yield)に代えてNon-Visual DefectsとProcess Variationsを合わせた表現が使われます。450mmウェーハの検査への準備も項目に入っています。

拾える形へ持ち込む手は、感度よりも環境側にあります。WECCは超純水中の金属をCritical metals(Ag、Au、Ca、Cu、Fe、Na、Ni、Pt)で1ppt、Metals(Al、Ba、Co、Cr、Ga、Ge、Hf、K、Li、Mg、Mn、Mo、Sr、Ti、Zn)で10pptへ切り分け、ゲートおよび炉エリアではウェーハ表面の金属を0.5×1010 atoms/cm2/dayとしました。レチクル露光環境の酸と塩基は、リソエリア比で10倍厳しい値です。金属汚染を入口で断つほど、感度を上げずに済む余地が広がります。代償は時間で、電気特性の側から追う手順ではテストまで進んだロットの結果を待ちます。

電子ビーム検査は、光で届かない微細な欠陥を狙う

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光の散乱では手が届きにくい微細な欠陥や、表面の形よりも電気特性の側に出る欠陥を探す場面では、電子ビーム式が使われます。KLAはeSL10について13、小さなスポット径で高いビーム電流密度を実現することが先端design nodeデバイスの高感度検査に不可欠だとしています。Yellowstoneスキャンモードは1スキャンあたり100億ピクセルの情報を生成し、高分解能により重要なギャップ欠陥を特定して、プロセスの学習サイクル時間を短縮できるとしています。

この用語に対応する装置と製造メーカー

Section titled “この用語に対応する装置と製造メーカー”

装置カタログDBから、この用語に一致する製品familyを持つメーカー 4社/5family を引いています。 各行は各社の公式製品ページを出典とします。 DBからの生成日: 2026-08-22

出典は各社の公式製品ページです。 装置カタログDB では、同じ製品familyを工程・メーカー横断で検索できます。

欠陥検査とは何ですか?

ウェーハ表面の欠陥を探し、位置と大きさを記録する工程です。粒子、傷、膜の異常、パターンの断線や短絡などが対象で、見つけた欠陥は種類を見極めるレビューへ渡されます。

感度を上げれば良いのですか?

感度だけを上げると困ります。歩留まりへ無害な微小なものやノイズまで報告され、レビューの負担が上がって、歩留まりへ影響する欠陥が山の底へ沈みます。

虚報とは何ですか?

欠陥として報告されたものの、実際には歩留まりへ無害なものです。表面の微妙な粗さや測定のばらつきから生じます。テスト側の同種の失敗は過剰検出(Overkill)と呼ばれ、感度と虚報の量はトレードオフなので、工程ごとに釣り合う点を選びます。

無地のウェーハも検査しますか?

します。表面に何かあればそれが異物にあたるため、比較の相手を省けます。KLAは無地ウェーハ向けにSurfscanファミリー、化合物半導体向けにCandelaファミリーを持ちます。

何と比べて欠陥と呼びますか?

相手は3通りです。隣り合うチップ同士のダイ比較検査(Die to Die)、チップ内の繰り返しパターン同士のセル比較検査(Cell shift)、チップと設計データのデータ比較検査(Die to Database)です。

電子ビーム検査はどこで使いますか?

光の散乱では手が届きにくい微細な欠陥や、表面の形よりも電気特性の側に出る欠陥を探す場面です。KLAはeSL10が小さなスポット径で高いビーム電流密度を実現し、先端design nodeデバイスの高感度検査に対応するとしています。

光で拾える範囲の外はどう追いますか?

電気特性の側から追います。Non-Visual Defect(NVD)は汚染起因の欠陥、埋もれたボイドや非導通、高アスペクト比構造の底の欠陥、リーク系や高抵抗系の欠陥、現在の検査技術の下限を下回る極微小なものの5種類で、故障診断とレイアウト設計データを重ねて位置を絞ります。

欠陥検査装置のメーカーはどこですか?

KLA、Applied Materials、ASML、レーザーテック、Camtekなどです。装置カタログDBで、欠陥検査に一致する製品familyを持つメーカーを公式製品ページ単位で引けます。

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