ナノインデンテーションとは
ナノインデンテーションとは、超低荷重で試料へ押し込み、荷重と押し込み量の関係から微少領域の硬度とヤング率を求める試験方法です。 薄い膜も測れます。
硬さは押して測れば判明します。しかし対象が薄い膜になると、通常の押し込み試験では下地まで押してしまい、膜そのものの値から離れます。
押している間の記録から、硬度とヤング率を求める
Section titled “押している間の記録から、硬度とヤング率を求める”超低荷重押込み試験は、微少領域の硬度とヤング率測定を超低荷重の押し込み試験で高精度に行う試験方法です1。押し込みチップの先端は、通常の押し込み試験と同じく正三角錐のダイヤモンドチップでできています。硬度やヤング率は荷重と押し込み量の関係から測定し、凹みの大きさを後から測る代わりに、押している間の記録から求めます。
抜くときの傾きがヤング率、残った凹みが硬度になる
Section titled “抜くときの傾きがヤング率、残った凹みが硬度になる”押し込むときの曲線には、弾性の変形と塑性の変形が混ざり、材料は形を変えながら沈んでいきます。抜くときの曲線は主に弾性の応答で、その傾きからヤング率が求まります。荷重をゼロへ引いた後も凹みは残ったままで、この残りの大きさが硬度へ繋がります。
薄い膜を測るには、荷重を絞る
Section titled “薄い膜を測るには、荷重を絞る”押し込みが深くなるほど、下地の性質が混ざります。膜の厚みに対して、押し込み量を十分小さく保つ必要があります。
荷重を小さくするほど、測る量そのものも小さくなります。装置には、微小な力と変位を正確に測る仕掛けが要ります。凹みの形を確かめるときは、探針と試料の間に作用する原子間力を検出して試料の表面形状を画像化する2原子間力顕微鏡を併せます。
半導体では、研磨や温度サイクルに耐えるかを調べる
Section titled “半導体では、研磨や温度サイクルに耐えるかを調べる”層間絶縁膜は、研磨の工程で機械的な力を受けます。柔らかすぎれば削れ方が揃わず、脆ければ割れます。封止樹脂やフィラーも、温度サイクルで力を受けます。硬さとヤング率は、この力の伝わり方を決めます。材料を選ぶ段で、この数字が判断の材料になります。
浅く押すほど、装置と表面の影響が大きくなる
Section titled “浅く押すほど、装置と表面の影響が大きくなる”荷重を絞れば、薄い膜だけの硬度とヤング率を取れます。その代わり測る力と変位が微小になり、装置の分解能と振動や温度の管理が厳しくなります。押し込みを浅くすれば下地の影響は減るものの、表面の粗さや酸化層の影響が相対的に大きくなります。1点ずつ測るため、面内の分布をつかむには点数と時間を払うことになります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”ナノインデンテーションとは何ですか?
微少領域の硬度とヤング率測定を、超低荷重の押し込み試験で高精度に行う試験方法です。
何で押すのですか?
押し込みチップの先端は、通常の押し込み試験と同じく正三角錐のダイヤモンドチップです。
何から値を求めるのですか?
荷重と押し込み量の関係から、硬度やヤング率を測定します。
なぜ荷重を小さくするのですか?
薄い膜を測るためです。深く押し込むと、下地の性質まで混ざってしまいます。
ヤング率はどこから出るのですか?
抜くときの曲線の傾きからです。押し込むときは塑性の変形が混ざりますが、抜くときは弾性の応答が主になります。
硬度はどこから出るのですか?
残った凹みの大きさからです。同じ荷重で凹みが小さいほど、硬いことになります。
半導体では何を測りますか?
層間絶縁膜や封止樹脂などです。研磨や温度サイクルに耐えるかは、この値に左右されます。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”2件を表示
- 1SEAJ:半導体製造装置用語集(ウェーハプロセス:Wafer Process)seaj.or.jp ↩
- 2SEAJ:半導体製造装置用語集(計測:Metrology)seaj.or.jp ↩