コンテンツにスキップ

熱膨張係数とは

熱膨張係数とは、温度変化1℃あたりの寸法変化率を表す物性値です。 単体の材料なら伸びても元へ戻るだけですが、異なる材料を貼り合わせた構造では伸びの差がそのまま応力になり、反りや剥がれを生みます。

そのため望ましい値は、合わせる相手の材料と工程の温度域で決まります。

温度が上がると原子間距離が広がり、伸びる量は材料ごとに違う

Section titled “温度が上がると原子間距離が広がり、伸びる量は材料ごとに違う”
材料ごとの伸び
同じ温度でも、伸びる量が異なります25℃150℃250℃0中大温度寸法の伸び樹脂ガラスと Si熱膨張係数は 1℃ あたりの寸法変化率です
熱膨張係数は温度変化1℃あたりの寸法変化率です。ガラスは組成の調整で値を変えられます。

熱膨張は、温度上昇に伴い原子の熱振動によって原子間距離が広がり、物体の長さや体積が変化する現象です1。その指標が熱膨張係数で、単位にはppm/℃を使います。ガラスは組成の調整で熱膨張係数を変えられ、用途に合わせた値を持たせられます。低くすれば耐熱衝撃性が上がります。

配合を変えると、熱膨張係数と一緒に強度と誘電特性も動く

Section titled “配合を変えると、熱膨張係数と一緒に強度と誘電特性も動く”
3 タイプの実数
配合を変えると、値が動きます6.1GCC-18.9GCC-27.4GCC-3単位は ppm/℃ です。左から低誘電率・高膨張・高強度の順曲げ強度は 150 / 260 / 340 MPaガラスセラミックスの熱膨張係数
GCC-1 / GCC-2 / GCC-3 の熱膨張係数は 6.1 / 8.9 / 7.4 ppm/℃ で、組成と配合比で選べます。

日本電気硝子のガラスセラミックスコア基板2は3タイプあり、熱膨張係数が6.1 / 8.9 / 7.4 ppm/℃、曲げ強度が150 / 260 / 340 MPa、比誘電率が2.45 GHzで3.9 / 7.0 / 7.9です。ガラスとセラミックスの組成と配合比を変えれば誘電特性・熱膨張係数・強度を持たせられ、1つの材料系で幅が作れます。その代わり、組成で熱膨張係数を調整すると、誘電特性や強度も同時に動きます。

差が大きいと反りが出て、最終製品の歩留まりへ響く

Section titled “差が大きいと反りが出て、最終製品の歩留まりへ響く”

半導体パッケージは、シリコンや樹脂といった異なる熱膨張係数を持つ材料の組み合わせです。製造工程の熱処理で構成材料の熱膨張係数の差が大きいと、製品に反りが発生します1。その反りの発生は、最終製品の歩留まりに大きく影響します。物性値が、そのまま歩留まりの話になります。

ガラスと金属やセラミックスを高温で溶着する複合体では、両材質の熱膨張特性の差異が溶着後の割れや剥がれにつながります。工程温度域と溶着する他材質を意識した熱膨張係数の特性管理が非常に重要で、室温の値に加えて工程の温度域まで含めて見ます。

下げればシリコンに近づき、樹脂から離れる

Section titled “下げればシリコンに近づき、樹脂から離れる”

半導体パッケージの材料の組み合わせやプロセス条件によって、キャリア基板に求められる熱膨張係数は異なります。熱膨張係数を下げれば耐熱衝撃性が上がり、シリコンとの差も縮みますが、樹脂の部材との差が広がり、そちらの界面へ応力が集まります。高膨張のタイプを選べば樹脂基板と合わせやすいものの、シリコンとの差が増えます。低いほど良いという読み方は、ここで崩れます。

熱膨張係数とは何ですか?

温度変化1℃あたりの寸法変化率です。単位にはppm/℃を使います。

なぜ寸法が動くのですか?

温度上昇に伴い原子の熱振動によって原子間距離が広がり、物体の長さや体積が変化するためです。

なぜ半導体で問題になるのですか?

半導体パッケージはシリコンや樹脂といった異なる熱膨張係数を持つ材料の組み合わせで、差が大きいと製品に反りが発生するためです。

歩留まりにも響きますか?

響きます。反りの発生は最終製品の歩留まりに大きく影響します。

値は調整が可能ですか?

ガラスは組成の調整で熱膨張係数を変えられ、用途に合わせた値を持たせられます。

実際の値はどのくらいですか?

日本電気硝子のコア基板では、GCC-1 / GCC-2 / GCC-3 の熱膨張係数が 6.1 / 8.9 / 7.4 ppm/℃ です。

低いほど良いのですか?

相手次第です。日本電気硝子は樹脂基板の熱膨張に合わせた高膨張タイプも挙げており、合わせる先の材料で選びます。

2件を表示
  1. 1
  2. 2