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ストリンガとは

ストリンガとは、下地の段差に沿って残るエッチング残渣です。 縦に削る加工が、段差の脇だけ削りきれずに残します。消す手は、掘り増して削り切るか、段差そのものを減らすか、残渣だけを別の方法で取るかの3つです。掘り増しは下地と寸法と帯電で代価を払うので、どこまで掘れるかは選択比が決め、根本の対策は前の工程と設計の側にあります。

段差の脇は縦方向の膜が厚く、削り残しが立つ

Section titled “段差の脇は縦方向の膜が厚く、削り残しが立つ”
ストリンガができる仕組み
エッチング前縦に削る薄い厚い縦に同じ厚みを削った後ストリンガ膜下地(段差)削る前の膜残渣
段差を覆った膜は、脇の部分だけ縦の厚みが増します。平らな場所の膜を削り切った時点で、段差の脇には厚い分の膜が残ります。

同じ膜を同じ条件で削れば一様に消えるはずです。しかし段差に沿って付いた膜は縦方向の厚みが増すため、平らな場所が消えても脇が残ったままです。段差の側面に沿って付いた膜を縦に貫くとき、通り抜ける距離が長くなります。

SEAJの用語集は、ストリンガを段差部で縦方向の膜厚が厚くなるため、異方性エッチングでオーバーエッチングが不足すると起こりやすい残渣とし1、歩留まりや信頼性に影響する可能性があるとしています。縦に削る加工ほど、この厚みの差がそのまま残り方の差になります。ドライエッチングの不良を断面で見分けるときは、膜の削り残しの一種にあたります。

段差に沿って残った導体は、隣の配線と短絡する

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上から見たストリンガ
配線配線段差の縁配線どうしが短絡段差の上段差の下配線ストリンガ
ストリンガは段差の縁に沿って細長く残るので、段差を横切る2本の配線のあいだをつなぐことがあります。

残したままにすると、段差に沿った細い導体が隣の配線まで届くことがあります。短絡は、その場で歩留まりを削ります。配線の走らせ方でも残り方は変わり、段差を横切る向きを避ければ、沿って残る長さが短くなります。

電気の短絡だけが症状ではありません。Fedderの博士論文に記されたMEMSの工程では、ポリシリコンのストリンガの問題でヒンジの軸が固着し、壊れました2。

掘り増せば消えるが、下地と寸法と帯電で払う

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削り残しと2つの対策
オーバーエッチ不足ストリンガが残る掘り増し下地まで削れる平坦化段差を埋める下地ストリンガ元の下地の表面平坦化膜
掘り増しはストリンガを消す代わりに下地を元の表面より下まで削ります。平坦化は段差を埋めるので、縦の厚みの差を減らせます。

掘り増して消せば残渣は消えます。その代わり下地まで削れ、狙った寸法より細くなります。Si のエッチング反応は、高速イオンの入射フラックスと表面に吸着する活性種の密度によって決まります3。掘り増しはイオンにさらす時間を伸ばすため、パターン底部の帯電による損傷も積み上がります。

削りたい膜と下地の削れ方の比が、どこまで掘り増せるかを決めます。比が大きいほど、下地を守りながら残渣を消せます。イオンと反応性の活性種との相互作用を用いたイオン支援化学的エッチング3をRIEと呼び、選択比はこの二つの配分で動きます。イオンを強くすれば残渣は消えやすくなる一方、下地との差が縮みます。活性種に寄せれば選択比は上がるものの、縦に削る性格が弱まって形が崩れます。

段差を減らすか、残渣だけを別の方法で取る

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厚みの差が原因なので、段差が小さければ残渣も小さくなります。平坦化を挟めば、この差そのものを減らせます。この道は根本的ですが、工程と費用が増えます。

もう1つの手は、残渣だけを別の工程で取ることです。Fedderの手順では、アルミの側壁ストリンガをウェットエッチングで取るため、アルミのプラズマでの掘り増しは不要で、構造のポリシリコンを削らないよう避けるべきとしています2。下地を削られたくない構造ほど、掘り増し以外の手を選ぶ理由があります。ストリンガはエッチングだけの問題として切り離さず、前の工程と設計まで遡って手を打つ相手です。

ストリンガとは何ですか?

下地の段差に沿って残るエッチング残渣で、歩留まりや信頼性に影響する可能性があるものです。

なぜ段差の脇に残るのですか?

段差部で縦方向の膜厚が厚くなるためです。縦に削る異方性エッチングでは、平らな場所の膜が消えた時点でも、段差の脇には縦に厚い分の膜が残ります。

どんなときに起きやすいですか?

異方性エッチングでオーバーエッチングが不足すると起こりやすくなります。

残ると何が困るのですか?

隣り合う配線どうしを橋渡しすることがあり、短絡はそのまま歩留まりの損失になります。MEMSでは、ポリシリコンのストリンガがヒンジの軸を固着させて壊した例があります。

どう消すのですか?

掘り増します。オーバーエッチングの量を増やせば、厚い部分も削りきれます。MEMSの試作では、アルミの側壁ストリンガをウェットエッチングで取り、プラズマでの掘り増しを避けた例もあります。

掘り増すと何を払いますか?

下地まで削れ、寸法も細ります。プラズマにさらす時間が伸びるので、帯電による損傷も増えます。

設計でも減らせますか?

減らせます。段差を小さくするか、平坦化を挟めば、厚みの差そのものが小さくなります。配線が段差を横切る向きを避ければ、沿って残る長さも短くなります。

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