メサ形成・メサエッチとは
メサ形成・メサエッチ(Mesa Formation / Mesa Etch)とは、半導体の周囲を除き、素子の領域を台地状に残す加工です。 導電層の周囲を切り離すことで、素子の分離や所定の構造を作ります。出来は深さだけでは判断できません。露出した側壁の損傷と残渣はリークと耐圧に響き、光素子では側壁の角度と底の裾引きが寸法の精度に関わります。
周囲を所定の層まで削り、残した台地が素子になる
Section titled “周囲を所定の層まで削り、残した台地が素子になる”残す領域をマスクで覆い、周囲を所定の層まで加工します。続いてマスクと残渣を除き、必要な表面処理と側壁保護を行ってから電気特性を確認します。メサは形状の名前で、特定の薬液や装置の名前ではありません。トレンチが溝を作るのに対し、メサは残した島状領域を指します。
ドライエッチングを使う方式では、イオンと反応の条件が側壁へ影響します。Oxford InstrumentsはICP-RIEで、VCSEL向けのGaAsとAlGaAsの積層を組成で選ばずに削り、なめらかな側壁を得られるとしています1。
光素子では、側壁の角度と底の裾が寸法を決める
Section titled “光素子では、側壁の角度と底の裾が寸法を決める”Oxford Instrumentsは、ICP-RIEによるVCSELのメサ加工でエッチ深さを精密に制御でき、側壁の傾斜角の制御で線幅と開口寸法を管理できるとしています1。底の裾引き(footing)を極めて小さくすると深さの制御が効き、終端の層を正確に決められるというのが同社の説明で、側壁には残渣も荒れも残らないとしています。同社は信頼性の高いVCSELを量産する要所として、有効なハードマスクの作製と、正確で再現性のあるメサエッチング2を挙げています。
サムコは、CPOがInPを使った高密度の光集積に支えられているとし、モジュール内の光導波路やレーザーのリッジには、信号の減衰とモードのひずみを防ぐ厳しい形状制御が要るとしています。同社はプロセスガスの化学とプラズマ密度を最適化し、幅1.8 µm、深さ2.5 µmの高アスペクト比リッジを、裾引きを抑えて形成した3と報告しています。SiO2ハードマスクで350 nm/minのエッチ速度を出し、側壁への再付着はほぼないとしています。深さ2.5 µmをこの速度に当てはめると、加工時間は約7分です。
露出した側壁が、分離後のリークと耐圧を左右する
Section titled “露出した側壁が、分離後のリークと耐圧を左右する”露出した側壁には加工損傷と残渣が生じ、リークや耐圧へ影響します。GaNなどの化合物半導体では、メサの側壁とその後の保護膜も素子性能に関係します。GaNのp-i-nダイオードをICPでメサ型に削った報告では、逆方向のリーク電流がチャンバーの圧力、イオンのエネルギー、プラズマの密度と強く関係しました。プラズマによる損傷は、形が設計どおりでも電気特性に出ます。
そのため管理する項目は、加工深さ、側壁角度、粗さ、損傷、残渣、分離とリークです。側壁の形がそろっていても表面欠陥は残るので、断面、表面分析、リークと耐圧などを合わせ、加工と後処理の影響を分けます。
深く削るほど分離は確保しやすく、側壁と加工負荷が増える
Section titled “深く削るほど分離は確保しやすく、側壁と加工負荷が増える”深く加工すると分離を確保しやすくなりますが、側壁面積と加工負荷が増えます。必要な分離深さと側壁品質を両立させます。VCSELとInPリッジの加工例でも、Oxford Instrumentsは深さの制御と裾引きの小ささを、サムコは裾引きの小ささを押し出しています。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”メサ形成・メサエッチは何をする工程ですか?
半導体の周囲を除き、素子の領域を台地状に残す加工です。導電層の周囲を切り離して素子を分離し、VCSELのメサやInP光素子のリッジのような構造を作ります。
どの段階で行いますか?
マスクを作り、周囲を所定の層まで加工します。そのあとマスクと残渣を除き、必要な表面処理と側壁保護を行って電気特性を確認します。
何を管理しますか?
加工深さ、側壁角度、粗さ、損傷、残渣、分離とリークを管理します。Oxford Instrumentsは、光素子では側壁の傾斜角が線幅と開口寸法に、底の裾引きが深さと終端の層の精度に関わるとしています。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”3件を表示
- 1Oxford ICP-RIE・VCSELメサ加工plasma.oxinst.com ・ 2026年10月12日閲覧 ab
- 2
- 3Samco InPメサ加工samco.co.jp ・ 2026年10月12日閲覧 ↩