インライン電気試験とは
インライン電気試験とは、製品の完成を待たず、工程の途中で電気の値を測って工程の状態を掴む試験です。 測った結果は、前の工程の条件へ返します。最終の試験でも不良は見つかりますが、その時点までに流した分はすべて同じずれを持つため、途中で測って早く直すほうが損が小さくなります。価値を決めるのは、測ってから条件を直すまでの時間です。
寸法ではなく電気の値を測り、狙った特性に届いたかを直接掴む
Section titled “寸法ではなく電気の値を測り、狙った特性に届いたかを直接掴む”工程の早い段階でウェーハ上の個々のチップやデバイスを電気的に試験すると1、チップ上のデバイスの性能が分かり、工程の監視も早く始められます。光学的な寸法の測定と違い、電気の値からは、工程が意図した電気特性へ届いているかを直接掴めます。インラインの電気測定は、パターニング、メタライゼーション、平坦化に由来する工程の問題の多くを早い段階で捉えられる1とされています。
NIの導入事例に出てくる研究開発ラインでは、寸法や構造の違う数千個のトランジスタ、抵抗、キャパシタ1をテストチップに並べています。NIはこうした試験をパラメトリックテストとして扱っています。
完成を待てば学習が1か月遅れ、工場の外に出たウェーハは戻せない
Section titled “完成を待てば学習が1か月遅れ、工場の外に出たウェーハは戻せない”同じ研究開発ラインでは、ウェーハの処理が終わるまで試験を待つと、学習サイクルが最大1か月遅れるとしています1。以前は試験のためにウェーハを工場の外へ出しており、汚染の問題で工場へ戻して処理を続けられなかったため、ウェーハの大きな損失と学習の遅れが出ていました。
同ラインでは、電気試験と素早いデータ解析で工程条件が規格を外れていると分かれば、ウェーハを1工程以上前へ戻し、更新した条件でやり直せます1。同ラインは、工場内に24時間動かせるATEを置けば、開発の納期と全体の費用を大きく減らせるとしています。
測る速さそのものも装置の作り方で変わります。NIはこの事例で、プローブ針1本ごとに専用のSMUを割り当てた24チャンネルの並列SMUを小さな筐体に収め、工場のサイクルタイムを3分の1に縮めたとしています1。
イオン注入では、シート抵抗とダメージで均一性を測る
Section titled “イオン注入では、シート抵抗とダメージで均一性を測る”イオン注入では、注入均一性2がイオン注入装置の能力を測り動作を確かめるパラメータのひとつで、シート抵抗やダメージ測定などの手法で測ります。
均一性には2つの見方があります。ウェーハ面内に注入されたイオンの分布の均一さがウェーハ面内均一性で、同一の注入条件で処理した複数のウェーハについて、各ウェーハのシート抵抗値やダメージ値の平均値がどれだけ揃うか2を見るのがウェーハ間注入均一性です。後者は注入処理の再現性を表します。どちらへずれたかで、直す対象が変わります。
サーマルウェーブはアニールを省けるが、高い注入量で飽和する
Section titled “サーマルウェーブはアニールを省けるが、高い注入量で飽和する”サーマルウェーブは3、イオン注入で発生したダメージを検出する手法です。基板にレーザー光を照射し、異なる波長のレーザー光で反射率を測って、その変化量を値とします。注入後のアニールを省けるため、シート抵抗測定よりも簡略にQC管理ができます3。
ダメージ(結晶欠陥)と反射率には強い相関があり3、イオン注入量とダメージの間にも強い相関があります。この2つの相関を重ねるから、反射率で注入量を推し量れます。相関で代用する手は、相関が崩れる範囲で使えなくなります。注入量が多くなるとサーマルウェーブ値が飽和する傾向にあるため、比較的低注入量の領域で用い、高い注入量ではシート抵抗で測ります。
測った値を装置の管理へ返して、初めて工程の制御になる
Section titled “測った値を装置の管理へ返して、初めて工程の制御になる”サーマルウェーブは、イオン注入装置のQC管理や面内均一性の測定3に用いられます。測った値を装置ごとの係数や条件へ返して初めて、試験が工程の制御になります。注入均一性は装置の能力を測るパラメータでもあるので、製品の合否と装置の健康診断が同じ測定で結び付きます。
途中で測れば、ずれを早く見つけて直せる範囲が狭くて済みます。その代わり測定のための時間と枚数を使い、装置の稼働を削ります。アニールを省ける手を選べば速く回るものの、活性化まで含めた値とはずれます。測る頻度を上げれば検出は早まりますが、その分だけ装置の通せる枚数が落ちます。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”インライン電気試験とは何ですか?
製品が完成するのを待たず、工程の途中で電気の値を測って工程の状態を掴む試験です。
何を測りますか?
ウェーハ上の個々のデバイスの電気特性です。イオン注入では、注入均一性をシート抵抗やダメージ測定などの手法で測ります。
なぜ途中で測るのですか?
完成を待つと、その間に流した分がすべて同じずれを持つからです。早く測れば、直せる範囲が狭くて済みます。NIの事例の研究開発ラインでは、条件を外れたウェーハを1工程以上前へ戻してやり直しています。
アニールを省ける手はありますか?
あります。サーマルウェーブは注入後のアニールを省けるため、シート抵抗測定より簡略に QC管理ができます。
サーマルウェーブの原理は何ですか?
基板にレーザー光を照射し、異なる波長のレーザー光で反射率を測って、その変化量を値とします。
得意な範囲はありますか?
注入量が多くなると値が飽和する傾向にあるため、比較的低注入量の領域で用います。
どう使い分けますか?
低い注入量ではサーマルウェーブ、高い注入量ではシート抵抗、という使い分けになります。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”- シート抵抗とは── 代表的な測定項目
- チャンバーマッチングとは── 結果を返す先
- プロセスウィンドウ指数とは── ばらつきを数える指標
- 欠陥検査とは── 別の入口の検査
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- 2日新イオン機器:イオン注入ディクショナリー 注入均一性nissin-ion.co.jp ab
- 3日新イオン機器:イオン注入ディクショナリー サーマルウェーブnissin-ion.co.jp abcd