シート抵抗とは
シート抵抗とは、抵抗率を膜厚で割った値で、薄い層の電気の通りにくさを表す指標です。 単位は Ω/□ と書き、オームパースクエアと呼びます。
薄膜の抵抗率をそのまま比べると、膜厚が異なるたびに換算が要ります。膜厚で割った値なら、膜としての良し悪しを1つの数字で比べられます。
正方形に切った領域の抵抗が、そのままシート抵抗になる
Section titled “正方形に切った領域の抵抗が、そのままシート抵抗になる”三次元の導電性は、 と表されます1。長さ と幅 を等しくすると抵抗 とシート抵抗 が等しくなり、 は抵抗率 を厚さ で割った値として表せます。正方形に切り出した領域の抵抗がそのままシート抵抗で、辺の長さをいくつにしても同じ値になります。
4本の針で電流と電圧を分け、針の接触抵抗を除く
Section titled “4本の針で電流と電圧を分け、針の接触抵抗を除く”四探針法では、測定サンプルに 4 本の針状の電極を直線上に置き、外側の 2 本に一定電流を流し、内側の 2 本に生じる電位差を測ります1。電流を流す針と電圧を測る針を分けると、針そのものの接触抵抗が測定値から除かれます。2 本だけの測りかたとの差はここです。
ナプソンは、4 探針法で 1e-3 から 1e+9 Ω/□ のレンジを測れるとしています。4 探針プローブの針間は 1 mm で、測定スポットは 3 mm 程度です。
JISとASTMに則り、NIST準拠の標準サンプルで校正する
Section titled “JISとASTMに則り、NIST準拠の標準サンプルで校正する”測定は、JIS H 0602-1995「シリコン単結晶及びシリコンウェーハの4探針法による抵抗率測定方法」と ASTM F 84-99 に則ります1。NIST 規格に準拠した標準サンプルを装置の校正基準にするので、装置が違っても値を比べられます。
4 探針法と 4 端子法の違いは、試料と接触する電極部分の形状だけです。4 探針法では、試料上に電極を作る工程を省けます。
イオン注入では、注入機どうしの特性合わせの指標になる
Section titled “イオン注入では、注入機どうしの特性合わせの指標になる”量産工場で複数の注入機のどれを用いても同じ特性が得られるようにする作業をドーズ合わせこみと呼び、その指標にサーマルウェーブ・シート抵抗・デバイス特性データを用います2。
サーマルウェーブは注入後のアニールを省けるため、シート抵抗測定よりも簡略に QC 管理ができます3。ただし注入量が多くなるとサーマルウェーブ値が飽和する傾向にあるため、比較的低注入量の領域で用います。高い注入量では、シート抵抗の側が要ります。
膜厚を測らずに比べられるが、抵抗率そのものは分からない
Section titled “膜厚を測らずに比べられるが、抵抗率そのものは分からない”シート抵抗なら、膜厚を測らずに膜の良し悪しを比べられます。その代わり抵抗率そのものは分からず、厚みを別に測ることになります。4 探針法は電極を作る工程を省けて速いものの、針が試料に触れるため痕が付きます。非接触の手なら痕の心配はありませんが、測れる範囲が狭まります。
よくある質問(FAQ)
Section titled “よくある質問(FAQ)”シート抵抗とは何ですか?
抵抗率を膜厚で割った値です。単位は Ω/□(オームパースクエア)です。
なぜ薄膜でこの単位を使うのですか?
R = ρ × L/A = (L/W) × ρs と表され、長さ L と幅 W が等しいとき R と ρs が等しくなるためです。正方形なら、大きさによらず同じ値です。
どうやって測りますか?
4 本の針状の電極を直線上に置き、外側の 2 本に一定電流を流して内側の 2 本の電位差を測ります。
どのくらいの範囲を測れますか?
ナプソンは、4 探針法で 1e-3 から 1e+9 Ω/□ のレンジを測れるとしています。
針の間隔はどのくらいですか?
4 探針プローブの針間は 1 mm で、測定スポットは 3 mm 程度です。
規格はありますか?
JIS H 0602-1995 と ASTM F 84-99 に則ります。校正は NIST 規格に準拠した標準サンプルで行います。
イオン注入でも使いますか?
使います。量産工場で複数の注入機の特性をそろえるドーズ合わせこみでは、サーマルウェーブ・シート抵抗・デバイス特性データを指標にします。
比較・違いを学ぶ
Section titled “比較・違いを学ぶ”3件を表示
- 1ナプソン:抵抗率、シート抵抗測定の原理napson.co.jp abc
- 2日新イオン機器:イオン注入ディクショナリー ドーズ合わせこみnissin-ion.co.jp ↩
- 3日新イオン機器:イオン注入ディクショナリー サーマルウェーブnissin-ion.co.jp ↩